せんりの熱血遊び日記

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仮面ライダージオウ35&36話 キバ編 感想[キバって] 狂気の中の真実 [いくぜー!]

どうもせんり(https://twitter.com/zanzan04)です。

ジオウの感想書くのは初めてですが、キバっていきたいです。

 

今回脚本を手がけたのはキバ本家を書き上げた井上敏樹氏。ジオウはオリキャス客演が豪華な番組なので、今回ライダーがオリキャスで出ないことに寂しさを感じつつ、ギンガ等の要素もあり「ちゃんとキバ編になるのか?」という心配がありました。

 

さぁ、どうだったのか!?

 

 

 

 

めめっちゃキバ編ー!!!!!!!!!

 

めっちゃキバでした。ゲストキャラがその生き様で主人公に何かを伝えていく。それは形にも言葉にもできないけれど、主人公の中で生き続ける……みたいな後味。作風というか空気感というか。物語の味がキバと同じなんですよね。自分的にはこれは紛れもなくキバ編だったかなと。

 

  • ソウゴと祐子

ソウゴの物語として面白かった。

ヒーローとしての観点から見れば、人を殺してる祐子は倒すべき敵として捉えるのが一般的。実際、ゲイツツクヨミもウォズも祐子を倒すことに躊躇はない。冤罪が嘘だったと後編で明るみになりますが、そもそも前編の時点で彼女は弁護士を私怨で殺そうとしているわけで。ゲイツたちの行動には正当性があって、ソウゴもそれを承知しています。だからゲイツたちと争うとかそういう話には発展しないんですね。

でもソウゴは彼女を必死に擁護する。最後の最後でも彼女を倒すことはできない。

 

ちょっと想像も入りますが、ソウゴの祐子への執着は、やっぱり初恋っていうのもあると思うけど、それとはまた別のところにもあったんじゃないかと。

ソウゴの「王様になりたい」に対して祐子は「私と同じだな」という返してきます。そして彼女は王になった後の展望について語ってくる。ソウゴにとって彼女は志が近い人間、つまり同志にもあたる。

祐子を倒すのをあんなにもためらったのもそこなのかなと。別に彼女を倒してウォッチを砕いたって彼女が死ぬわけじゃない。それでも彼女のウォッチ=力を砕かなかったのは、「キバの力を持っている祐子さんが好き」だからだと思うんです。自分と近い存在でいてほしいという願望があったんじゃないかなと。

人としての善悪とはまた別のところで通じ合うものがあったと思います。自分の手で救える、一緒に生きていけるかもと思った。だから「傘になりたい」が出てくる。

 

祐子は基本的に嫉妬や憎しみと自己保身を原動力に行動するキャラ(改めて書き出すと完全にヤバいやつだな)でしたが、ギンガの攻撃からソウゴを庇った時だけは彼女の行動パターンから外れている。だから、彼女のソウゴへの「私に傘はいらない〜」は真実なんだと思います。

 

結果として祐子はオーラに殺されますが、この因果応報感も話として良かったなと。復讐に取り憑かれた女が復讐によって命を落とすっていう。

井上氏の話はキャラの死に方が良いと思っていて。人を殺したり罪を犯したキャラは死んでしまうんだけど、他人に優しくしたり他人を救おうとした分だけ、自分との戦いに苦しんだ分だけ、死ぬ直前にちょっと救われる、みたいな。555の澤田が代表例かな。キャラに与えられる報酬をドラマチックに描きつつ、因果応報もこなす。この辺のバランス感覚が素晴らしいなと思います。

 

最後のシーンは解釈が別れますね。結局セーラさんは祐子だったのか否か。

ただ、ソウゴはユリさんを追っかけたり、話を聞こうとはしないんですよね。また、公式サイトには「走り去る女性に、祐子の思い出を重ね合わせ涙する」と書いてます。ソウゴもこの時点で「セーラさん=祐子」とは限らないということは分かってると思うんです。でも、「セーラさん」とつぶやいて祐子の思い出で泣いてるんです。

これらを素直に受け止めると、もはやソウゴにとってセーラさんが誰かという事実関係は重要ではないのかなと。セーラさんとの清い思い出は祐子さんのものである。それがソウゴにとっての真実になった、ということなのかなと。うーん、どうでしょう。

ここは各々色々考えが別れると思うので、違うのがあったら是非聞かせてください。

 

総合すると、祐子っていうのはヤバい人だし人を殺めたという罪は決して消えない。だから物語的には最後は死ぬしかなかい。だけどソウゴからもらった優しさを彼にきちんと返した分だけ救われた。ソウゴの心の中で生きる権利を得た。そういう話なのかなと思いました。

 

 

  • 構成

今回は構成が良いと思ったのでちょろっと。

 

前編の時点では「祐子は善人ではないけど冤罪の可能性がある。初恋の件も含め、黒よりのグレー」という感じ。まだ黒だと分からない、話の全容が分からないから、後編までの間、祐子の強烈なキャラ性を純粋に楽しむことができた。

で、後編で冤罪が嘘だと分かり、祐子は真っ黒だと分かる。だけどその真っ黒な中に、最後の最後でソウゴと与え合った優しさという光が灯る。真っ黒だからこそ、その光が一層際立つ。そんな感じ。

そう感じたので、前編と後編の区切りがすごい良かったなあと思うわけで。情報の出し方が良かった。

 

「普通こんなやついねーよw」となるようなキャラの中にある人間性。それを描きつつ、物語の中で輝かせる。井上氏はその技術が素晴らしいと思うんですね。人間というものを描くのが巧み。これも全て乾巧ってやつのry

 

冒頭でも少し触れたキバ要素についても少し。

今回のソウゴは愛した人と死別してしまったわけでかなり切ない雰囲気もありますが、冷静に考えると彼も彼で相当ヤバくて。相手が祐子だから薄れてますが、自分の思い込みを一方的に彼女に投影し、最後までその自分の中の設定をゴリ押しました。これが初恋というのは相当ヤバい。

祐子も言うまでもなくヤバい。つまり今回はヤバいやつ同士の恋愛物語だったわけです。恋愛物語、そしてキャラの強烈さによる面白さとそれによって終盤で浮き彫りになる人間性、これらがドラマを形成するこの構成!この話の味わいがもう完全なる「キバ」なんですよ!(超早口)

そういうわけで、今回は由緒正しきキバ編だったのでは、と思いました。

 

  • その他メインキャラのみんな

ドラマにおいては外野でした。ギンガ等の要素が入ることでどうしても散漫になってしまうので、せめてドラマはソウゴに絞ろうという配慮なのかなとは思いますが。そのあおりを受けてギャグキャラ化しているキャラもおり、そこは微妙なところ。ジオウの本筋は未来の行方を左右するという重い話なので、「君まだギャグに走るの早くない?」と感じる部分が少しありました。

 

ただここに関しては各キャラが活き活きしていたのは見てて嬉しかったので、ギャグに関しては肯定的に見れたかな。特にゲイツは家臣になってから存在感が薄くなっていると感じてたので、今回の楽しそうな姿は見てて楽しかった。

ジオウはキャラの真意が明かされてない部分があるので、演者さんたちも少なからず演技に含みを持たせていると思ってて。慎重に演じてるのかなと。でも今回のギャグはもう分かりやすく完全なるギャグだったので、「普段よりもテンション高めに演じても大丈夫だな」という演者さんたちの判断もあったのかなと解釈しました。

 

特にスウォルツは振り切っていた。

今回は完全にギャグ要因だったと思います。超〜ダサかった(笑)

「ギンガの力は俺のものだ」とモノローグを入れてからの(ニヤリ)でウォズが何かに気づくという。もうオチが分かっちゃう親切仕様は面白かった。

普段は何を考えてるか分からなくて不気味なんですが、今回は魂胆が全部こっちに見えてるから安心して笑って見れました。一応黒幕説あるキャラなのに……(笑)

 

  • 最後に

アクションにも触れとこう。トリプルライダーキック、かっこよかったです。武器を活用するのは面白かった。

ギンガファイナリーは戦闘シーン短かったけど、ウォズの最終形態っぽいし今後も活躍するか。必殺技がライダーキックなのは安心しました。やっぱりライダーの必殺技はキックが好き。

 

 

うん、記事書くのも楽しかったです。井上氏の話は色々考えれるから好きですね。

 

次回はカブト編! 矢車兄弟が帰ってくる! 改めて見ると地獄兄弟の衣装ってすげーな……あ、いや笑ってはな「ライダーキック」「ライダーパンチ」ほげぇぇぇぇ!!

 

では今回はこの辺で。地獄兄弟の衣装に袖なんてあったっけ?と思いつつ、締めさせてもらいます。

ありがとうございました〜!

 

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