焼き肉の熱血遊び日記

漫画アニメ特撮カードゲーム大好きな男の趣味ブログ。

仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER感想[時代が終わる]本当に僕たちの側にライダーはいた[すべてがはじまる]

どうも、焼き肉(https://twitter.com/zanzan04)です。

 

仮面ライダーの映画、「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」を見てきたので、その感想記事です。僕の理解が及んでない部分もあるかなと思ってるので、間違ってるところがあったら指摘いただけると助かります。

 

  • はじめに

僕が物心ついて最初にハマったライダーはクウガでした。部活とかで見れたり見れなかったりで少し途切れ、ディケイドでライダー熱が再燃。それ以降は全部見てるって感じです。だから今でもクウガとディケイドが好きです。

ディケイドに惹かれたのはやっぱり過去作の扱いで。良くも悪くもエッジが効いているというか。

まぁディケイドの話はまた別の機会にするとして。とにかく、僕は平成ライダーというコンテンツの、危ういながらも刺激的な過去作の扱い方に魅力を感じてるわけです。

もちろん過去作の扱いっていうのは一歩間違えたらエラいことになるわけで。慎重かつ大胆なバランス感覚が必要になります。だから今回の映画もちょっぴり不安がありました。

  

でも予告映像。これが衝撃的で、「これは見なければ!」と思いました。

ちなみにこんな感じのやつです。

 

仮面ライダーはテレビの中の絵空事

「俺たちって、本当はいないの!?」

 

──仮面ライダーは消えてしまうのか?──

 

「あの頃、本当に俺の側に仮面ライダーはいたんだ」

「覚えている限り、ライダーはいる」

 

──時代が終わる──

 

「俺たちは、ここにいる」

「今、ここにな」

 

──すべてがはじまる──

 

これですね。この予告、ストーリーが分かるような分からないようなって感じなんですけど、もう見えてる部分だけでもめちゃくちゃ熱いですよね。「覚えてる限り」っていうのが電王を想起させますし。どんな映画になるんだろうと、純粋に気になりました。

 

半生をかけて追ってきた、平成ライダーの歴史。その終わりと新たなはじまり。果たして、どうだったのか!? 

前置きもほどほどに、ここから映画の内容についてです。ネタバレを多大に含むのでご注意下さい!

 

 

 

  • どうだったのか!?

最っ高だな!!

最高最善の、映画になったよ!!

 

現実と虚構がテーマになった映画でした。仮面ライダー視聴者に向けての映画だったと思います。ライダーを応援する人々へのアンサーといえるのではないでしょうか。そしてそのアンサーは僕には届きました。もうドカンと!ガツンと!!

 

  • 現実と虚構

仮面ライダーがフィクション、つまり虚構の存在とされる世界。そんな世界に生きる「アタル」は上に超が付くほどのライダー好き。彼はライダーなんて実在しないとしながらも、心のどこかではライダーが兄を救ってくれるとも思っていて。そしてクライマックスでは「自分の側に仮面ライダーは本当にいたんだ」と言い、アタルの世界にライダーたちが出現。アナザークウガたちへ立ち向かう、というストーリーでした。

 

本作はライダー集合の展開までの過程がとても丁寧だったと思います。アタルのドラマとライダーたちのピンチ・復活がリンクしているので、感情が入っていきました。

 

アタルは我々仮面ライダー視聴者というものを暗喩したキャラだと思います。アタルはライダー好きではありますが、その実在を信じてはいません。ストーリーの途中では「ライダーなんかいない!」「ライダーは現実を救わない!」とし、自分が怪人に襲われた時には、「ライダーは存在しないべきだったんだ」とまで言い放ちます。フィクションのはずだった存在を呼び寄せてしまったために自分の命が危険にさらされることになったのですから、当然の反応ですね。でも心の片隅では、もしかしたらライダーが、消えた兄を助けてくれるのでは………と微かな期待も持っていました。

また、序盤の彼は現実逃避している部分がありました。シンゴがさらわれたのに家でじっとしたままというのが特にその象徴的なシーンかなと。どこにでもいる普通の、特別な力のない人間として描かれていたと思います。

でも行方不明だった兄が実はティードにさらわれていたことを知り、自分を産もうとしている母親と対面。そして彼はアナザーWに殴りかかります。

ここで僕は、彼に勇気が芽生えたのかなと。もちろんアナザーWには勝てず、アナザー電王にさせられてしまうわけですが、勝てるわけない相手に立ち向かう勇気というのは序盤の彼には無かったものだと思います。

そして登場する本物の電王。アタルが大好きだった電王が彼を救うという展開。他の人々の元にも、それぞれの胸に生きるライダーが駆けつけます。

「あの頃、本当に俺の側に仮面ライダーはいたんだ」

そしてラスト。ライダーを知らない状態でさらわれたシンゴの前にはライダーたちが。「仮面ライダーだ!」

時を超えて出会うことができた。そうして、本作の闘いは終わります。

 

ライダーは応援してくれる人、覚えてくれる人がいることで存在することができる。そしてライダーはそんな人々をきっと助ける。現実とか虚構とか、そんなことに意味はない。覚えている限り、ライダーはいる。

本作は、そんなメッセージを我々に伝えたかったのかなと。仮面ライダーというものを愛した人たちへの感謝を込めたアンサーだったのだと思います。

 

 

  • 電王

覚えている限りライダーはいる。このセリフ、すごい電王チックですよね!(語彙力)

本作のテーマと電王のテーマには重なるところがあり、電王のキャラたちの言葉がそのまま本作のテーマを紐解くことに繋がっていく。そしてその流れのままビルドジオウの復活へ。この流れが王道で美しかったなと。

電王が出てくるまでは基本的にピンチピンチの連続で、でも電王登場から一気に反撃が始まっていく。電王が反撃の狼煙になるのが良いんですよね。Wが事件を解明する力になり、電王が反撃の狼煙を上げ、クウガが締める!この流れが好きでした。

 

アナザー電王がアタルであることは序盤で示されていましたが、いざアナザー電王になるシーンになると辛いものがありました……。でも電王大好きなアタルが本物の電王に救われるというのは熱かった!街にいた人々もそうでしたが、自分が大好きなライダーが駆けつけてくれる、というのがやっぱり嬉しいですよね。

 

良太郎役の佐藤健氏が出演されましたね。劇場もざわついていました(笑)

以前、インタビューでもライダーに帰ってきたいと仰っていました。電王の本編の最後では「いつか、未来で」というセリフがありました。そのいつかの未来が今だった。電王が帰ってきたのだと、胸が熱くなりました。

 

良太郎としてのセリフではなくウラタロスがしゃべるというのもニクい演出でしたね。最後に目の色が戻り、ちょっと笑う。あれがカッコよかった。

ただ電王関連はちょっと僕の理解が追いついていない部分が多くて。アナザー電王がいるのに電王がいることとか、電王の中身が良太郎なこととか。

僕の想像ですが、アナザーがいるのに電王が存在できているのは良太郎が特異点だから。つまりアナザーを倒すには特異点である良太郎が電王になる必要がある。だから本編後の良太郎に一時的に電王になってもらった、という流れだったのかなと。まぁ妄想なんですけどね(笑)この辺は、電王に詳しい方の意見など伺えたら嬉しいです。

 

また、今回新しいイマジンも登場しました。彼も良い味出してましたね〜。裏表なく良い奴だったというのがいかにもイマジンらしいというか。思えば今回、敵サイドにいた怪人たちもモブ的な扱いと言うか、召喚されただけで意志は乏しかったというか。怪人が敵だったという印象は無いです。

怪人=悪とは限らない。それも平成ライダーのテーマのひとつ。それを暗に示すという意図もあった……のかもしれませんね!

 

  • W

風麺という新たな風都語が登場しましたね(笑)

まぁ電王クウガに比べるとW関連はどうしても派手さに欠けるところはあったんですけど、ツボは抑えてたと思います。Wは探偵で、メモリなどのアイテムから事件を解明し解決する。そして今回はWライドウォッチが事件解明の糸口になった。この、アイテムから事件を解決していく、という流れがWっぽかったなと。屋台のおっちゃんがウォッチを持ってるのも、なんか翔太郎っぽいと思いました(笑)

 

また、ジオウWアーマーの必殺技もなかなかエキセントリックで、非常にWチックでした。キックの瞬間はもう普通のジオウに戻っちゃってましたよねあれ(笑)

ジオウWアーマーのデザインはかっこいいと思います。

 

クウガの扱いはめちゃくちゃ渋くて、良い塩梅だったなと。こう、派手すぎもせず、でもやっぱり特別って感じで。クウガが特別活躍したとかそういうわけじゃないんですけど、最後に真ん中にいたり、マイティキックが青空を背にしてたり、トドメのライダーキックに参加してたり。そういう細かい描写ひとつひとつがあって、「この映画はクウガを愛してる人たちが作ったんだな」と思って。嬉しかったです。

 

  • ジオウ組

本作は過去作要素も素晴らしいですが、ジオウのキャラたちがそれぞれ活躍しているところも見逃せません。

まずソウゴですが、自分が虚構の存在だと聞かされて動揺するシーンがあり、そこに戦兎からの言葉を受けて、立ち上がります。

「現実とか虚構とか、そんなことに意味はない」

「俺たちはここにいる。今、ここにな」

ここにいるから、ここにいる。僕なんかは、分かるようで分からないような、と思ってしまいますが、ソウゴはそれをスパッと信じるんですよね。この爽やかさがソウゴのかっこいいところというか。

ゲイツツクヨミを信じ、自らの運命を託すシーンもありました。彼のそういう切り替えの早さ、前向きさ、ひたむきさが、平成ライダーの不屈のスピリットの一例として本作を牽引していったのかなと。

 

「お前、たぶんこれに弱いんじゃないかな?」

「さぁ、お前の罪を……教えて?」

Wアーマーも生誕。戦兎万丈に突っ込まれてたのは笑いました。

 

ウォズも絶好調でしたね。彼は大好きなんですが、本作での彼も魅力的でした。

我が魔王目覚ましは和みました。星の本棚はもう笑うしかない。万能なのか。

祝え!もノルマ達成。ちゃんと「二人で一人のライダー」って言うのは偉いなぁと思いました。

 

ゲイツですが、大活躍でしたね。彼がいないと詰んでる場面もいくつかありました。

特にクウガウォッチのくだりはファインプレーでした。

「あったよ、クウガライドウォッチが!」

「でかした!」

そういえば、ツクヨミが愛の告白(違う)されてる時にえらく動揺してたけど、あれはどういうことなんですかね。その辺詳しく聞きたうわやめろなにをする

 

  • ビルド

クローズチャージが出てきたところが一番驚いたところでした。出ないと思ってたので。どういう流れでクローズチャージになったのかが地味に気になります(笑) 

一海がアタルを突き飛ばして逃げるところは、正直見てて悲しいところでした。まぁライダーの力失ったらこうなるよ、っていうのを示すための描写だったのだとは思います。それだけ、戦兎たちと出会ったこと、ライダーとして戦ってきたことでの成長が大きかったということなのかなぁと今は思ってます。

戦兎がソウゴに言葉を投げかけるところなんかは先輩感がありましたね。自分たちがアタルの世界に存在している理由を聞かれたら「このバカはそんなこと理解してないけど。ここにいる。そういうことだ」みたいなこと言ったときは笑いました。でも本質も突いてる、っていうのが上手いセリフ回しだったなと。

ビルド勢は結局最後記憶がどうなったのかが描写されてないのですが、たぶん無くなって、本編最終回の状態に戻ったと思っていいのかなと。ビルドは今後もVシネ等で展開がありますので、そちらにも期待ですね!

 

本作のボスキャラ。演じられた大東駿介氏の怪演もあって、ボリュームたっぷりなキャラになっていたと思います。

平成ライダーの集大成ともいえる本作のボスということもあって、規格外の敵でした。変身を妨害する能力。そして満を辞して誕生する、おっかなデザインのアナザークウガ。タイムジャッカー自身がアナザーライダーになるのはジオウ本編でも例がないことからも、彼の異質さが分かりますね。

アナザークウガがやられた時は「あれ、これで終わり?」と思いましたが、そこからまさかの超進化!アナザーアルティメットクウガ! ここで僕は「お前がアルティメットになんのかーい!」と叫びました。もちろん心の中で。異形の姿になってしまったとはいえアルティメットクウガなので、凄まじい破壊力でした。究極の闇とも言ってましたね。まぁあんまり深い意味はないと思いますが。

アナザーとはいえアルティメットクウガなので、平成の集大成作品のラスボスに相応しいスケールの敵でした。

アナザークウガはサムズアップができない手の構造だったり、デザインが完全に元のクウガからかけ離れてたりで。「こんなのクウガじゃねぇよぉ」と思わせるのに徹底したデザインだったのかなと。そんなアナザークウガが本物のクウガのキックで沈むのは、やっぱり熱い。

 

と、まぁ、このティードというキャラ、かなりおっかないんですが、かなりおバカっぽいところもあって(笑)

最初、アナザーデンライナーでタイムマジーンにぶつかったとき、その時点だとその意味が分からなかったですが、あの事故がシンゴに逃げるチャンスを与えたということが分かるわけで。ていうかあの事故がわざととかじゃなくて本当の事故だったというのがめちゃくちゃシュールですよね(笑)それが分かると、あのデンライナーから降りながら不敵に笑ってるシーンの見方も変わってくるというか。

「お前たち平成ライダーは何度消しても戻ってくる! なぜだぁ!?」

ここも熱いシーンなんですけど、ちょっとティード可哀想って気持ちもありつつ。ティードは復活までの過程を見てないので、「なんでやねん!?」って思う気持ちも分かるというか(笑)

あと戦兎を洗脳するくだりも、まさかの洗脳できていないというオチ。洗脳する時の、手のひらのマークを目のところに持ってくるポーズが予告の時からすごい好きだったんですけど、今思うと意味なかったのが本当にワロタって感じ。

てか君アナザークウガになる前の方が強かったんちゃう?

 

喜んでる時の動きとかも絶妙にキモく、大東氏の演技力の高さに圧巻しました。「こんなのクウガじゃねぇ!」と思わせるのがティードというキャラの肝なので、その辺は隙がなかったです。見事な演技でした。

ちょっと間抜けなところもありますが、それも愛嬌というか、ライダーの悪役っぽいかなと。彼も好きなキャラクターになりました。

 

  •  レジェンドたち

今回はアギト龍騎ゴーストディケイドが、本人たちが声をあてたということで。他のレジェンドたちも既存のあれを使ったのか、本人の声でそれぞれの決め台詞をかましてくれて。感激しました。

カブトの「あまいな」は痺れました。爆発を背にスクリーンをカブトが独占するあのシーン!あれはかっこよかったですね〜。ファイズアクセルと一緒に闘うのも粋ですね。

ドライブのタイプスピードのあの特徴的なキックも、途中で使うタイミングがあったのに使わなかったところで「あれ?」ってなるんだけど、アナザークウガ戦できっちり使ってきたりとか。

ゴーストも新しいセリフがありつつ、ゴーストっぽい闘い方を存分に見せてくれました。あのお化けっぽいあれですね。

ウィザードはあの華麗な攻撃が魅力的ですが、今回劇場版ということもあってかエフェクトが追加されててかっこよかったですね。キバと一緒にキックするのも新しいコラボレーションで面白かった。

アギトなんですけど、なんかアギトがチョップしたらチョップが金色の衝撃波みたいになる技が出てきたじゃないですか。あんな技アギトに無いですよね(笑)それでちょっと笑いました。賀集氏の新しいボイスが聞けたのは嬉しかったですね〜。

龍騎も須賀氏が出演。嬉しかった。「ファイナルベント」はやっぱり盛り上がりますね。あとジオウでもですけど、最近ドラグレッターの闘いが多いですよね(笑)今回もドラグレッターが強いというか、何気に活躍してて面白かった。

 ディケイドがなんか偉そうなのは笑いました。まぁ大体分かったのは確かにそうだろうなぁとは思いましたけど。

 

  • 終わりに

もう思ったこと垂れ流しみたいな記事になっちゃって。長々とお付き合い頂きまして、ありあがとうございました。

ライダーは半生をかけて追ってきたシリーズで。その集大成であるこの作品を晴れやかな気持ちで見送れたのは、ファン冥利に尽きるというか。とても素敵な贈り物をもらえたな、という気持ちです。同じように思っている方々がこの映画に想いを馳せる時に、この記事を使ってもらえたら嬉しく思います。

でも、ぶっちゃけすごい違和感を感じる場面もありましたよね!

 

ライダーファンぅ!

なぜ君がこの映画に強烈な違和感を抱いたのか?

なぜ草が生えたのか!?

なぜ観賞後に頭が痛むのかぁ!?

その答えは……ただひとつ……!

 

ライダーファンぅ!この映画が世界で初めて……素のブレイドの顔がジャックフォームのそれに感染した作品だからだぁぁぁぁ!!

 

「う……嘘だ……ぼくを騙そうとしている(パンフチラっ)うわぁぁぁぁっ!!?」

 

ブレイドの顔もディケイドによって破壊されてしまった……おのれディケイドー!!

 

というわけで、今回はこの辺で締めたいと思います!(無理やり)今回の映画がブレイドのスーツを救うと信じて……!

 ありがとうございましたー!

 

 

 

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相棒 シーズン17 第9話 「刑事一人」感想 [伊丹さんピーンチ!!]

どうも、焼き肉です。

 

今回はタイトルの通り、ドラマ「相棒」の最新話の感想記事になります。

ちなみに筆者は亀山くんの途中から見てる口です。

 

事件の詳細について言及しますので、ネタバレ注意です。

ネタバレ回避のため下にスクロール。

 

 

 

 

 

  • はじめに

結論から言うと良い回だっと思います。全体的にバランスが良かったと言いますか。

政治家の息子ははっきり言ってクズで、それを庇う父親もあれで、「どうしようもねえな〜」っていう感じがすごいです。でもだからこそ、それを後味悪い終わり方にしないための工夫がなされていたと思います。

最後の流れが、父親の独白、それに耳を傾けつつの右京さんの叱責、伊丹さんへの訴えの取り下げ、となっていました。伊丹さんが生き残るのはメタい話ドラマの都合だとは思いますが、それをあの親子の自発的な行動にすることによって、「あの親子も改心へ向かったのかな」と想像させる役割を果たしていたのかなと。救いがあるラストに繋がったのかなと思います。

 

  • ラストシーン!

ぶっちゃけ、この記事を書くに至ったのはこのシーンで感激したからです(笑)

 

「伊丹さんが感情的になった理由。それは、サルウィンにいる誰かの顔が、浮かんだからではないですか?」

「誰か?はっ。サルウィンに知り合いなんかいましたっけ?」

 

僕は今回伊丹さんが感情的になったのは、「今回はそういう回だったから」という元も子もない理由だと思っていました(汗)

なのでこのシーンで、予想外の方向から魂をぶん殴られたみたいな、そんな感じになりました(語彙力)

 

思えば序盤に冠城くんが軽く言及するという前振りはあったんですけど。「ここで来るかー! うぉぉぉっ!」って感じでした。亀山くんの名前は出さないのがクールですよね。

 

今回、伊丹さんが芹沢さんに多くを語らないスタンスだったこともあって、伊丹さんの心情はそんなに描かれてないんですよね。だから彼がなぜ今回こんなに無茶をしたのかというのは不明瞭だったのですが、このラストはそういったモヤモヤを全て吹っ飛ばしてくれたように思います。むしろこのラストの爽快感のためにあえて深く描写しなかったのかな、と思ったりも。

 

サルウィンなどの、過去に登場した要素も上手く活用されていて。サルウィンは、負の部分が多い国として過去の回で紹介されました。だからこそ亀山くんはそこで活動することにしたという、相棒ファンには馴染みの深い国。それを活用することで外国人労働者たちの背景を説明するというのは巧いなと。やっぱり長いシリーズなので、こういった過去の要素を活用する取り組みはドンドンやっていって欲しいなと思いますね。

 

亀山くんが伊丹さんの正義の行いの原動力になり、そんな伊丹さんの行動にマリアたちも感化される。王道の熱い展開だったと思います。

 

  • 今回のテーマ

今回の事件では外国人労働者がテーマとして扱われました。

政治家とその息子は結局、外国人に対して特別な思想は持っておらず。殺人の犯人も同じでした。

ここで「外国人に対してこういう憎しみが〜」みたいな動機にしなかったのが良かったと思ってます。上手く言えないのですが、そういった展開にすると、「外国労働者というものには報復の対象になるだけの悪性がある」、ということにこの話の中でなってしまうので。でも今回の話の中で出てくる外国人労働者たちは基本的に善良な人なので、そうなると噛み合いません。なので、今回の犯人たちの動機がうすいのは良い調整だったなぁと。

この辺も含めて、今回はバランスが良かったなぁと思います。

 

  • 今回の伊丹さん!

ついに!伊丹さんの部屋が公開!間接照明とはオシャレですな〜。

散らかった部屋を想像していたので、落ち着いた雰囲気の部屋でビックリしました。ものも多すぎず少なすぎずで、独身男性って感じの部屋でしたね。

ラストでは、恋愛フラグがいきなり立って光の速さで折られるという血も涙もない展開(笑)

伊丹さんを結婚させないという製作陣の鉄の意志と鋼の強さを感じました。

 

  • 今回の右京さん!

新たな悪いクセが登場!なんか伊丹さんがラーメンにニンニクを丸ごと入れてた回があったので薬味入れすぎは伊丹さんが担当なのかなと思ってたのですが、まさかの右京さんでした(意味不明)

ちなみに伊丹さんがラーメンにニンニクを入れるのはシーズン8の「狙われた刑事」という回です。その回も伊丹さん回なので、未視聴の方にはおすすめです。事件の内容はぶっちゃけ微妙ですがイタミンポイントは高い回です。

 

戦闘ですが、今回は二人を同時に倒してました。やっぱり右京さんは最強ですね。

 

亀山くん関連の会話では何も言葉を発しなかった右京さんでしたが、伊丹さんにあの問いかけをする辺り、やっぱり右京さんの中でも亀山くんはでかいんだなぁと再確認できました。嬉しかったですね。

 

  • 今回の、芹沢ぁー!!

伊丹さんを心配して特命係に頼み込むという後輩ムーブをかましました。これは良い後輩。その場面で「芹沢ナイス!」とテレビの前で言っちゃいましたね。初手で特命に事件解決を依頼するのがこのドラマでの最適手ですからね(自分にやましいことが無い場合に限りますが)

 

「お前らにやられた刑事の相棒だよ!」

は熱かったですね。芹沢がタイマンで勝利するという貴重なシーンも見れましたし。

 

  • 今回の冠城くん!

お前ぇ!あの女の人とはどういう関係なんだこの野郎〜!

 

 

  • 終わりに

次回は元日スペシャルということで。なんと、神戸くんが登場っ!

今シーズンは過去のレジェンド相棒たちをよく扱いますね。楽しみです!

 

では、今回はこの辺で。スペシャルの感想を書いた時はまたお会いしましょう!

ありがとうございましたー。

 

 

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バスターブレイダーでデュエルキングになったのでデッキ紹介[デュエルリンクス]

どうも、焼き肉です!

 

タイトルの通り、バスターブレイダーデッキの紹介です。(以下バスブレ)

 

今のランクマッチについてもちょっとだけ語っていこうかなとも思います。

 

とりあえず、デッキレシピを画像で。

 

https://pbs.twimg.com/media/Dtf52lXVYAA95BX.jpg

 

一応文字でもレシピを書いておきます。

 

ラクリ参参九 2

伴竜 3

バスブレ 3

融合素材の代わりになるやつ 合計3

破壊剣士融合 2

カナディア 1

グレイモヤ 1

DNA 3

心鎮 3

 

エクストラデッキ

竜破壊の剣士バスターブレイダー 2

スターダスト 1

ブラックパラディン 1

鬼岩城 1

 

という感じです。理想はカラクリが3でカナディアが2か3なんですけど、筆者は画像の分しか持ってないのでこの枚数になってます。持ってる人はグレイモヤとかを抜いて入れれば良いと思います。

 

  • デッキの動き

破壊剣士融合で強力な融合モンスターを召喚して制圧します。竜破壊バスターブレイダーは相手の場のドラゴン族モンスターを全て守備表示に変え、効果の発動を封じ、さらに相手の場と墓地のドラゴンの数だけ攻守が上がります。DNAで相手モンスターをドラゴンにして、その攻撃と効果を封じつつ、高い攻守で制圧する、というのが基本的な勝ちパターンです。

 

竜破壊バスブレには、「このカードは直接攻撃できない」という効果があります。なので相手の場にモンスターがいなくなってしまうと、竜破壊バスブレは攻撃できない置き物と化してしまいます。バスブレのデュエルが長い理由の主な原因はこれです。

そうなった場合、心眼の女神などの攻撃力1200くらいのカードたちでビートすることになります。ちょっと頼りなく聞こえるかもしれませんが、これらでも3回くらい攻撃すれば勝ちになるので、制圧できてる間は問題ありません。

 

  • このデッキの長所と短所

まず長所ですが、単純にカードが強いです。竜破壊はもちろん、破壊剣士融合は相手モンスターを素材に出来る上に自分の効果で墓地から手札に戻ってきます。

伴竜も、召喚しただけでカードが増える上に、自身をリリースするだけでバスブレが出せてしまうし墓地から復活するしチューナーだしで、もうメチャクチャって感じです。

カードの強さで言えばリンクスのカードプールの中ではトップクラスだと思います。

青眼やドラグニティのようなドラゴンデッキが相手なら破壊剣士融合できればかなり楽に勝てるのも良かったです。

また、DNAですが、これが特定のデッキに刺さって相手のデッキを機能停止させてしまうこともあります。主に魔導系デッキに対して。

先攻後攻に左右されにくい点も個人的にはポイント高いです。

 

ここから短所です。

初手によっては何もできずに負けるゲームが発生します。極論どのデッキもそうなんですけど、このデッキはコンボデッキなので、事故率は他の環境クラスのデッキに比べて高いです。

また、デュエルスパークとか狡猾な落とし穴みたいな、フリーチェーン系の除去カードが厳しいです。グレイモヤみたいな攻撃反応とかはプレイでどうにかなることもありますが、フリチェはキツいです。

 

あと構築難易度が高いです。パック産URが非常に多いので。

 

  • 採用理由

伴竜は確定で3。

 

ラクリは少ない枠で多くの仕事ができるので採用しました。主な仕事は事故った時の延命と、竜破壊で制圧した後のアタッカーです。延命としては守備力が高いスノーマンの方が良いんですけど、あっちはアタッカーになれないのでカラクリにしてあります。

「墓地に送る」なので、破壊された時云々を無視できるのも優秀です。

ただリバースした時の効果が強制なので邪魔になる時はあります。

 

バスブレは3です。伴竜で場に出したいカードなので、枚数が多い方が強いと思ってます。

 

心眼の女神等は余った枠に入れました。融合する分にはバスブレ同様のはたらきをし、制圧の後はアタッカーにもなれるので、非常に優秀です。このデッキの融合モンスター全ての素材になれるので、邪魔になることも少なく、使いやすいです。

守備表示のディシジョンガイを倒せる攻撃力がナイスです。

 

破壊剣士融合

被ると弱いので2枚くらいが限度なのかなと思ってるカードです。1でも回るとは思うんですが、1だとコズサイとかゲーテで除外されるとそれ以降融合できなくなってしまうので、それが怖くて2にしてます。

 

DNAも確定枠かなと思います。上でも書きましたが、思わぬところで相手のデッキに深刻なダメージを与えることもあるので強力なカードです。魔導の魔法カードは場に魔法使いがいないと使えないものが多いので、それらを封じることができます。ただ、DNAの効果は裏守備には及ばないので、裏守備の魔法使いをリリースしてサイレントマジシャンを出すことは普通にできます。あとDNAにチェーンしてゲーテを撃つのも可能なので、過信は禁物です。

また、ドラグニティのシンクロモンスターはチューナー以外の鳥獣族モンスターを素材にしないといけないので、DNAを使っておけば召喚を封じることが可能です。

聖騎士の装備魔法も戦士族にしか付けれないので、刺さります。

 

心鎮は強いです。このデッキは罠を除去できないのが弱みですが、それを一気に解決できます。腐ることもありますが、その時は破壊剣士融合やラスギャンの効果で捨てればいいので、全くの無駄にはならないです。

被りが弱いのと、腐る可能性が結構あるので2です。

 

カナディアは広い範囲に刺さる強力な効果に加え、このデッキでは攻撃力1200のアタッカーになれるのも強い。2とか3入れたいですね。

 

エクストラは、竜破壊2、ブラパラ1、スタダ1までは確定かなと。鬼岩城はぶっちゃけ出したことはないのですが、入れておけば役に立つ局面はあるかなと思います。

 

スキルはラストギャンブルです。ドローセンス光とかディスティニードローもありだとは思ってますが、欠点が気になったので今回はラスギャンです。

ドロセンとディスティニードローの共通の欠点として、最近は青眼やヒーローのような一瞬でライフを持ってくデッキが多いので、発動するチャンスがあまり無いんじゃないかというのがあります。このデッキは事故った時の防御力がめちゃくちゃうすいので、発動する前に死ぬのはザラです。

ドローセンスの場合、発動できたとしても事故の解決にならないことがあるのも気になります。ただ、キャラでスキルがバレることがないというのは長所です。

ディスティニードローは事故の解決という点では良いんですが、キャラが闇遊戯な時点でバレるからライフを調整される危険があります。

 

ラスギャンも運要素が絡むのが気にはなるんですけど、このデッキとの相性も悪くなく、負けを勝ちに変えれる可能性が高いと思ったので採用しました。

 

コズサイを採用してスキルをスリカエにするのもかなりアリだと思いますが、スリカエはカードの枚数が増えてるわけじゃないので、はまった時のラスギャンの方に魅力を感じ、今回は不採用で。

 

未採用カード

沼地の魔神王・融合・レッドアイズスラッシュのセットです。

破壊剣士融合はターンに1回しか使えないので現状のレシピだとターンに1回までしか融合できないってことになります。ですが融合を入れると1ターン内に複数融合できるようになります。これによってサイレントマジシャンの「ターンに1回魔法無効」みたいなのを突破できたり等、対応力が上がります。

採用しなかったのは、サイレントマジシャンの数がそんなに多くないのと、バスブレの最低限の動きさえすれば勝てると思ったからです。あとスラッシュがカナディア環境ではあまり強くないです。今回はカラクリでサイレントを処理できたというのもあります。

グレイモヤが正直枚数合わせだったので、その辺の枠を調整してこのセットを入れるのも悪くはなかったかなとは思ってます。

 

破壊剣士の宿命も不採用です。効果はすごい強いです。墓地を使うデッキには強烈に刺さりますし、攻撃力アップもかなり強いです。伴竜でサーチできるので、1枚入れるだけで仕事はできます。

強いんですが、このカードのおかげで負けが勝ちに変わる状況ってそんなに無いと思うんですよね。それよりこのカードが初手に来て困ることの方が多いと思ったので抜いてます。

DNAを引けてない時のヴァンパイア戦とかユベル戦では強いと思います。ユベル第2形態は墓地に送るだけだと後で復活できちゃうので、除外するのが有効です。

 

破壊剣のモンスターもアタッカーとして採用を考えてたことはありますが、心眼とかでビートする型にしてからは必要性をあまり感じなくなり、不採用です。

 

証も未採用です。4枚目以降のバスブレとして入れるのはありだと思ってますが、少なくともバスブレを削ってこれを入れるのは無いかなと。

このゲームは初手も初期ライフも少なく、雑にアドをとれるカードも少ないので、情報アドが非常に大事です。ですが証は使った瞬間に情報アドが消し飛んでしまうので、それが怖くて抜いてます。特にミラーは先にデッキがバレた方が不利になるので、それは避けたいところです。

 

  • プレイング

竜破壊とDNAを揃えにいきます。その後は、相手の場にモンスターがいなければ竜破壊を守備にすることでグレイモヤ等をかわしつつ、素のバスブレや心眼等でダイレクトアタックをしかけます。

無駄なカードは伏せないことが大事です。魔法罠ゾーンは基本的にカツカツなので。融合をブラフとして伏せたらコズサイで除外される、とかそういう怖い話もあるので。

あとラスギャンは「次のターンはないな」と思った時に使います。5ターン目過ぎたら即使うとか、そういう感じじゃないかなと思ってます。

 

  • 環境

前提として、DNAと竜破壊が揃えば大体勝てます。逆に、事故ってて相手が早いと大体負けます。

この前提にあてはまらない特殊なデッキについて書きます。

  • 青眼

ドラゴンデッキなので竜破壊が出れば基本楽勝です。ただ負け筋はあるので、言うほどカモではないです。負け筋は事故に、サイコエースで竜破壊を処理される、などです。ゲームスピードが早いので、事故った時にごまかしがききません。

罠が少ない=狡猾が入ってる可能性が高い、なので、勝ちパターンに入ったあとも慢心はしない感じでいきましょう。竜破壊が除去されても、即座に2体目を出せるようにしておけば安心だと思います。

 

  • ヴァンパイア

供物が入ってるパターンをいくつか見ました。青眼同様、2体目の竜破壊はいつでも出せるようにしましょう。

 

  • デュアル

今環境にいるデッキの中で一番苦手に感じてます。竜破壊DNAが揃ったとしてもデュアルスパークで簡単に崩されるので、めちゃくちゃ分が悪いです。デュアルが環境に増えてきたらバスブレきついかなぁと思います。

 

  • ミラー

わかりやすい勝ち筋は、ブラパラを先に出して相手に融合させない、心鎮を先に決める、相手の融合を除去する、です。相手のデッキがバスブレだと分かっていると、これらの動きが決まりやすくなるので、それまではこっちのデッキがバレないのが理想です。証が邪魔になるのはこういう時です。

ミラーだと汎用罠がめちゃくちゃ強いので、それに備えるならば汎用罠は多く入れたいところです。

  • 終わりに

バスブレは動きが決まればデュアル以外のたいていのデッキに勝てるパワーがあります。事故との勝負はありますが、このデッキパワーの高さ、メタゲームにおいての立ち位置の強さは魅力的かなと思います。シンクロモンスターの追加など、伸びしろも十分あるデッキなので、構築難易度は高いですが、おすすめのデッキかなと思います。

 

では、今回はこれで。お読みいただき、ありがとうございました!

 

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FGO 2部3章 <紅の月下美人> クリア後の感想・考察

どうも、焼き肉です。

タイトルの通り3つめのロストベルトのシンをクリアしたので、振り返りながらの感想です。

なのでシンはクリアしている前提の記事になります。ネタバレ注意です。

筆者は型月にわかなので、情報や知識に間違っているところがありましたらご指摘いただけると助かります。

ネタバレ回避のため、ちょっと下にスクロールです。

 

 

 

 

 

 

・はじめに

めっちゃアツかったー!!!!!!!!!

 

早くも筆者の頭の悪さが伝わってしまったことかと思いますが、熱かったのはほんとです。特に始皇帝周りが熱かったです。2部はテーマがテーマなんで悲しい結末にはなるんですけど、彼がほんとに堂々としているというか爽やかに送り出してくれたので、ストーリーが終わった後の後味がとても良かったです。

 

では、キャラひとりひとりについて雑感。

 

爽やかな人だったな、というのがパッと出てくる印象です。非人道ムーブかましまくりなんですけど、スパさんや荊軻さんはじめ、キャラクターたちの最後に対しては真摯な言葉を言ったり、部下からは慕われてたりと。良玉に対しても労いの言葉をかけてましたしね。「固けりゃなんでもいい」とか韓信にキモ過ぎると言ったりとかコミカルな部分も強くて、マジFateのボスキャラ、って感じでした。

個人的に彼のかっこいいなーと思う場面は最後の方ですね。人民というありかたを認めてカルデアの面々と語る場面とか。

「其方の世界の民は、否、人民は、皆これほどまでに強いのか?」

に対しての主人公の答えは「他の誰かであったとしても、英霊は助けに来てくれた」というものでした。自分の強さを誇るわけじゃなく、英霊たちへの感謝が滲んでた台詞で、すごく好きでした。

始皇帝の世界は始皇帝ひとりが人理で、究極と言えるくらい平和なもの。主人公たちの世界は争いは絶えないけれど、人民それぞれの祈りに答えうる英霊がいるという人理。始皇帝との決戦はこれらの人理のぶつかり合いで、その決着のあとの言葉として、主人公の答えはめちゃくちゃ決まってて、マジでクールでした(語彙力)

人民という言葉は、荊軻さんから言われたのをそのまま使ったのだと思いますが、始皇帝が人民という言葉を使うのもかなり感慨深いものがありますよね。中国はこっちでは長い歴史の果てに人民共和国という名前になってるわけで。

始皇帝の世界は可能性がないとのことでしたが、もし何かがどうにかなっていたら、この世界より良い世界に育っていたのかなぁとはどうしても思ってしまいます。だから最後のマシュの言葉や、それに対する会話が活きてくるわけですね。

それでも託してくれた始皇帝の度量というかなんというか。それはすごく勇気があることで、もうかっこいいわけですよ!(語彙

 

主人公たちに託す、と決めたあとも堂々たる振る舞いで、そこが爽やかでした。

 

「其方らが案じているような悲劇や愁嘆場はないものと請け合おう。朕の民は、死も破滅も怖れぬ。そもそも恐怖や絶望を理解せぬ。そのように朕が導き、育てた」

「みな悲嘆もなく、悔悟もなく、昨日と同じ明日のみを期して今日を過ごすのみ。いずれ終焉の日が来たとしても、その在り方のまま眠るように果てるだろう。それが朕が目指し、そして実現したこの楽土。愛すべき民たちの世界である。」

カルデアの背中を押す気持ちで言った言葉だと思われますが、自分の世界への自信もうかがえます。

 

それに対してダ・ヴィンチちゃんが「……そうか。」とだけ言うのも渋かったです。肯定も否定もしないのが。互いのありかたのぶつかり合いをしたけれど、どちらも相手を否定しないというのが爽やかな後味に繋がったのかなと。

シンの世界観は構造がシンプルなので始皇帝の決断=シンの総意、ってことになるわけで。彼が託すと決めたらそれで決まりなのですが、だからこその責任が彼にはあった。だから、カルデアの背中を押し、自分の世界が迎えるであろう結末を堂々と告げる。自分の世界の民について語る彼には誇らしさのようなものも感じたような気がします。敗北は認めるけれど、シンの民は「悲しい人たち」とか「汎人類史の人よりも劣った人たち」とかではない。自分の民は愛すべき民であったと、最後まで堂々と告げる。それが民たちへの、彼なりの仁義だったのかなと思いました。

 

虞美人に対して提案するところもかっこよかった。ホームズも言ってましたが、虞美人を言葉だけでやりくるめるのはさすが。演算能力の賜物なんでしょうけど、始皇帝の英霊システムへの理解の早さには驚きました(笑)

 

カルデアに対しても虞美人に対しても、彼は「導く」という立場を取っていたと思います。敵だったとかそんなことにこだわらず、導き育てる。最善を目指す。本質が守護にあるというのはこういうことなのかなと。Fateには「王」は何人もいますが、彼もまた「王」だったのだと。

 

最後には大地に立つところは個人的には本章のベストシーンかなと。

「人は自分だけ」というのが彼のやり方でしたが、最後の最後ではそれと違う行動をしましたね。民と自分を同じとすること。月を愛する詩を民がうたうのを良しとすること。「王」である彼がそれまでのやり方を曲げてああいった行動をとるというのは、計り知れないほどスゴいことだと思うんですよね。たぶんあそこに至るまでに自己矛盾とかいろいろあったと思うんですけど。その心の動きは想像するしかないですが、でもあのシーンの彼はとても晴れやかに見えるんですよね。澄んでいるというか。堂々としてるんですけどそれまでの堂々さとはちょっと違くて。

妄想ですけど、民ひとりひとりを見て回ってたのかなぁと思ったり。

いずれにしても、あれが彼の短い、最後の旅の始まりだったのかなと。良い旅であることを祈るばかりですね。でも良い旅に決まってますね。彼の愛した民たちの世界なんですから。

 

で、最後に貰える礼装が「不死鳥は大地に」、ですか。正直不死鳥って聞くと新所長の方が出てくる件。始皇帝についての知識が皆無に等しいので鳥がどこから来たか分からない(汗)

礼装のテキスト?めっちゃ神ですよ君ぃ。

 

爽やかで、王で、勇気があって、そして強い。こんなんかっこいいに決まってるやろー!って感じのキャラでした。大好きになりました。ガチャが……怖いなぁ……(震え)

 

  • 虞美人 

宝具演出めっちゃかっこいいと思います。「あ、サーヴァントになるんだな」と思いましたが今回は保留ということで。ていうかシンってまだ消えてはないっぽい印象を受けたので、もう一悶着あるのかなぁとか思ってたりもします。ないかなぁ。

 

彼女は感情からの行動がもうダイレクトなので、感情が伝わりやすかったです。キャラとしてシンプルというか、余分な情報がない感じ。人ならざる者なので彼女の胸のうちは誰にも完全に理解することはできないし感情移入も難しい。だからこそ、こういうシンプルなキャラクター造形にしたのかなぁと思いました。

 

彼女に関しては伏線が素晴らしかったなと。コヤンスカヤを嫌ってるのも伏線だったわけですね。人間嫌いという言葉も、最初は普通に人見知りなのかなぁと思ってたら、全然レベルが違った。

オフェリアの死を悼んでいたのは、最初は普通に仲間だからかなぁと思ってたんですが、どうも違いましたね。人間が嫌いなので。だからあれはたぶん、「生まれながらに特殊な力を持っていて、それによって命を落とす結果になってしまった」という部分に、感情を動かされるところがあったのかなぁと思ったり。

だからこそ、コヤンスカヤの「何もしなかったなら何も言うべきじゃない。それが人間の世界の常識」という言葉は、人間の世界から脱することができなかった虞美人に対しての強烈な皮肉ってことになるのかなと。

また、ペペは発言的に虞美人の正体を知っているかまたは何らかの察しがついている的な感じがするので、その辺りも含めて、次の4章に期待かなぁと思います。

 

彼女を召喚する予定のマスターは項羽も引こう!っていう感じにならざるをえないのが、業が深いなと思いました。FGOの闇は深い(迫真)

あと普通にめっちゃ可愛いと思いました。

また展開があるキャラだと思うので、期待しましょう!

 

世間を騒がすイケメン。冒頭の会話はやはり印象的でしたね。あ、あの会話の相手が虞美人だったのかー!と素直に驚いたマスターは僕です。

虞美人の掘り下げには彼との冒頭の会話は不可欠でした。あそこから、彼女の優しさとか、人間に対する複雑な感情を読み取ることが可能なので。そういった意味では重要なキャラだったなと。

虞美人を鼓舞する様はとても男らしかったです。

勝ち目がない闘いばかりさせられてるからか、どーしても「強い!」とか「大活躍!」っていう印象はないんですけど、ストーリー的にいぶし銀の活躍をしてたんじゃないかなと思います。

 

  • 秦良玉

 カルデアにぶつかって来る立ち位置でした。始皇帝サイドのキャラはなんか、我々と違う感覚の人が多いというか。シンの民は恐怖とかを理解しないですし情報も与えられてなく、始皇帝はその辺ドライだし韓信&衛士長はヒャッハーだしってことで、彼女が唯一のまとも?ていうか、かなり近い感覚で問答できるキャラでした。

彼女の言葉も正しくて、状況が切迫していたとはいえ主人公も答えを言えないという、かなり悲しい最後でした。彼女も、主人公たちに言ってもしょうがないというか、そういったことは自覚してるのが悲しかったです。2部のテーマの難しさを再確認できたシーンでした。

 

カルデアでは召喚できてませんが(涙)、マイルーム性能が神がかっているという話で。シリアスからコミカルまでこなせるキャラということで、今後のイベントでも活躍しそうな予感。その辺も期待って感じですね。

 

彼もまた、2部のテーマに突っ込んだ言葉を投げかけてくれましたね。自分たちが正義だと断じてはいけないという。スパさんからの言葉、良玉さんからの問答、そして始皇帝との決着、というこの流れがスムーズというかスピード感がちょうどよくて、テーマがすごく入ってきたように思います。

この記事書いてる時に知ったんですが、設定を虚淵先生が作ったキャラということで。心なしかノリノリで書いてらっしゃるような気がしたのはそのためでしょうかね(笑)

普段はあまり見せない面を今回は大ボリュームで見せてくれたので、そりゃもーかっこよかったです。スパルタクスには誰でもなれる。託すことの大切さを教えてくれました。

相手を信じて託すということは2部の大きなテーマのひとつだと思います。自分が消えてしまう状況ならなおさらそれは難しいですよね。スパさんや始皇帝は今回の話を通して、託すことのその勇気や重さを示してくれたのかなと。

 

元々好きなキャラでしたがもっと好きになりました。

 

始皇帝がボスならもう出るしかない!ってことで登場の、みんな大好き荊軻さん。

スマホはめっちゃシュールなんですけど、始皇帝の興味を引くものを使って暗殺を試みるというのは史実でもそうだったとのことだったので、そのオマージュだったのかな?にしてもシュールですけど(笑)

シュールではあるんですけどあれもやっぱり良いシーンですよね。僕はギルガメッシュの「人間は地球を超えて外の宇宙に漕ぎ出すだろう」っていう台詞がめっちゃ好きで、始皇帝にも誰か言ってくれないかなーと思ってたら荊軻さんがズバッと言ってくれたので。熱かったです、彼女が人間を信じているということが伝わってきて、すごく嬉しい気持ちになりましたね。

暗殺はやっぱり失敗してしまいますが、ストーリーの重要な部分を担う重要キャラとして活躍しましたね。彼女が詩を少年に教えてなかったらラストシーンもないわけで。

 

あ、CMがめっちゃ美人です。

 

今度育てて使ってみようと思いました。

 

馬です。

 

馬と共に今回の癒し枠をつとめたきたない軍師。ぶっちゃけ活躍はあんまりだったので再登場に期待。

スパさん退場からの馬とこの人の登場はめちゃくちゃ胸熱でした。

実装は先だと思いますが、味方を自爆させるというのを忠実に再現すると、味方を退場させて疑似オダチェンが可能になるのでは?これは人権ですわー。

まぁ冗談?はともかく、実装が楽しみですね。アーツサポートのキャスターだと良いなー(ルーラーになった探偵から目をそらしつつ)

 

ヒャッハー&癒し枠ということで。え、衛士長って、李書文さんってことでいいんですかね?ついに来るんですかアサシン李書文さん?

韓信さんはマジでヒャッハーでしたね。そりゃ冷凍しますわって感じ。主人公たちと話してる時は全然どもらないのが怖かったです。

やっぱりコミカルパートがあると愛嬌が出て来るっていうか、このふたりもなんか憎めない感じで終わったと思います。

 

 

  • バトルについて

最後に、本章のバトルについてちょっと振り返りながら。

今回はボス戦よりも、韓信とかその辺の方が難しかったなと感じました。キアラとか天草がいれば楽だったみたいですけどうちには二人ともいなかったので。僕はリップで行きました。

始皇帝のクリは「まじで!?」って感じの威力で、基本1撃でこっちのサーヴァントがやられてしまうという。あれはキツかった。邪ンヌで行ったんですが、相性有利なのに一撃で沈んでしまうという(汗)

最後は絆礼装付きのヘラクレスで勝ちました。終わってから思ったのですが、新宿のわんわんをスカディでバフる戦法だったならヘラクレスが出るまでもなく勝ってたような気が。やっぱスカディはすげーや。

空想樹は、マーリンと孔明先生の魂のブレイブチェインで勝利。サポートの始皇帝借りて闘いはしたんですけど、途中で「空想樹の宝具を全体無敵で防げない!」ってなって、途中でオダチェンしてしまいました。あとで知ったのですが空想樹の宝具は別に喰らっても即死するほどではないみたいだったので、それなら始皇帝のままでもよかったかなと思ったり。

あとあのタイガー号?的なやつ、名前覚えてないですけど、あれとの一番最初のバトルが地味にキツかったです。30万くらいありましたよねあれ。 

 

最近スカディとかバサスロで楽してばっかりだったからかバトル勘が鈍ってたような。精進します。メモリアルクエストみたいなの常設してくれないかなぁ。

 

  • 終わりに

まーちょっと短かったっていうか、あんまり活躍してないキャラとかもいたんですけどね。でもスピード感っていうか、テンポの良さで、最終的に良い感じになってたのかなと思います。

何回も言ってしまってる気がしますが、シンは爽やかな印象でした。始皇帝も民も皆、悲しい人たちじゃなかったというか、希望を託してくれたのかなと。というわけでね、これからのストーリーも頑張っちゃおうかなと、そんなマスターの感想でした!

 

ここまでお読みいただきありがとうございましたー!

 

 

 

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ハンドルネームとブログ名について

どうもヴァーチャルです。

 

という挨拶を始めてからけっこう長いですが、この「ヴァーチャル」という名前を変えようと思います。理由は、入力がめんどくさいのと、カタカナでなんか親しみにくい、覚えにくいのでは、と思ったからです。

新しい名前は「焼き肉」にしようと思います。

またそれに伴ってブログ名もいじろうかなと。この前変えたばっかりですけどね。「焼き肉の熱血遊び日記」とか。やっぱりその人の名前がブログの先頭にあると分かりやすいかなと思ったので。

 

さぐりさぐりでゴタゴタしてしまって申し訳ないです。最終的に良いブログにできるように頑張りますので、よろしくお願いします。

 

第7話 C'est La Vie

「黒き疾風よ。秘めたる想いをその翼に現出せよ! シンクロ召喚、舞い上がれ『ブラックフェザー・ドラゴン』!!」

 遊黒&クロウのデュエルは続いていた。
 現れるのは、細い体躯、鋭い爪、大きく広がった黒と赤の翼。ブラックフェザーの特徴をおおいに有したモンスターであると言えよう。ドラゴンだけど。攻撃力は2800。
 強力なモンスターが相手の場にも現れたにも関わらず、遊黒くんは余裕を保っていた。不敵に笑う。

「クク、それがシグナーの竜か。美しいな。だがミラーフォースはまだ俺の場に生きている。攻撃を宣言した瞬間、ドカンだ!」
「忘れちゃいないぜ。しかもミラーフォース・ランチャーもセットでな。アンチリバースも通用しねぇってわけだ」
「その通り。さぁ、どう来る?」
「なら、俺は絆で対抗するぜ!」
「絆?」

 ここでデュエルの状況を整理しておこう。今はクロウくんのメインフェイズだ。
 スピードカウンターは互いに5。
 クロウはライフ4000。手札は3枚。場にはブラックフェザー・ドラゴンと『BF−黒槍のブラスト』の2体。伏せカードは無し。
 遊黒はライフ3500。手札は2枚。場には『A-アサルト・コア』と、それに装備された『B−バスター・ドレイク』。さらにフィールド魔法の『ユニオン格納庫』。伏せカードは『ミラーフォース・ランチャー』と『聖なるバリア─ミラーフォース─』の2枚だ。
 ミラーフォースは相手が攻撃した瞬間に発動し、攻撃モンスターを全滅させるという最強クラスのトラップ。そしてミラーフォース・ランチャーはセット状態で破壊されればミラーフォースと共に場に復活する。もはや遊黒くんのミラーフォースから逃れる術はない、ように思われたが。

「見せてやるぜ、チーム5D'sの絆の力! 俺は装備魔法『白銀の翼』を、ブラックフェザー・ドラゴンに装備!」
「あ、白銀の翼だー!」
「ん、あのカードがどうかした?」

 龍亞くんが反応したのが気になったので聞いてみると。

「あのカードはさ、元々は遊星のカードなんだ。でも俺たちチームだからさ。互いのデッキのカードを交換したりして、カスマタイズしたんだ!」
「良いチームワークだったんだね。……もしかしてカスタマイズ?」
「あ、ま、まぁ、そうとも言う。で、でも最初からそうだったわけじゃないよ。ユニコーンっていう強いチームと闘って、そこから色々学んだんだ。ひとりは皆のために、皆はひとりのために、ってさ」
「皆のために、か。龍亞くんは5D'sが大好きなんだね」

 ボクがそう言うと、龍亞くんはさすがに照れたのか赤くなってしまった。余談だがこの時の龍亞くんの顔には本能的に来るものがあった。

「ま、まぁ、そりゃ好きさ。でも絆にしがみついてるだけじゃダメだってことも、ジャックから教えてもらった。だから俺たちはそれぞれの道に進むんだ」
「そうか。ボクも楽しみにしてるよ。龍亞くんがプロとしてバリバリ活躍する日をね」
「へへ、まっかせてよ!」

 仲間。その言葉はボクに突き刺さるものがある。ボクはかつて仲間を失った。その時の記憶が頭をよぎる。龍亞くんはおそらく気づいていただろう。でもそこには触れないでくれた。優しい子だ。
 ボクは絆の力の真価をまだ知らない。遊黒くんも、絆の力という言葉にピンと来ていないようだ。その力が人をどれだけ強くするのか。その答えは、このデュエルの中にある。そんな気がする。

「絆、絆か。そんなものでデュエルに勝てるならば苦労はないがな。クロウだけに!」
「だったら見せてやるぜ、俺の絆パワーってやつを! ブラストを守備表示に変更」
「なるほど。ミラーフォースの効果は守備表示モンスターには及ばないからな。だが、それでは何の解決にもなっていない!」
「白銀の翼は装備モンスターが効果で破壊される時、身代わりになることができる」
「なに!?」
「行くぜ。ブラックフェザー・ドラゴンの攻撃!」

 白と黒の翼がはためき、赤い光がはしる。竜のくちばしに風が渦巻き。

「ノーブル・ストリーム!!」

 漆黒の嵐が放たれる。音速、不可避の一撃。ミラーフォースは開かれることなく。

「く、ぐぅ!」

 嵐は直撃する。その迫力は凄まじい。アサルト・コアは守備表示だったのでダメージは発生しないが、遊黒くんは少しバランスを崩しそうになっていた。しかし。

「く、ククク!」
「何を笑って、な、アサルト・コアが破壊されてねぇ!?」
「バスター・ドレイクは装備モンスターが破壊される時、自身を身代わりにすることができる」
「へ、お前も白銀の翼と同じ効果で来るとはな」
「だが同じなのはここまでだ。バスター・ドレイクが墓地に送られた時、『C−クラッシュ・ワイバーン』を手札に加える」
「なに?」

 これでABCが揃った。だが合体モンスターはフィールド上で合体するのが基本。アサルトが墓地に行った今、合体の危険はないと、クロウくんの顔は言っていた。彼はカードを2枚伏せてターンを終える。そして遊黒くんのターン。互いのスピードカウンターはこれで6。遊黒くんはミラーフォース・ランチャーを発動し、その効果を発動する。

「手札のクラッシュ・ワイバーンを墓地に送り、ミラーフォースを手札に加える。さらに『マジック・プランター』発動。ランチャーを墓地に送り2枚ドロー」
「自分でCを墓地に送るとはな。合体は諦めたってわけか?」
「慌てるな。間もなく訪れる、お前の悪夢は」
「?」
「『デビルズ・サンクチュアリ』発動」

 あれはトークンを1体特殊召喚するカード。トークンの攻守は0。おそらくあれは新たなるモンスター召喚の布石。ボクの予想に応えるように、アサルト・コアとトークンが生け贄の渦に飲まれていく。

「2体のモンスターをリリースし、アドバンス召喚!」
「ここで最上級モンスターか」
「出でよ『真紅眼の黒竜』!!」

 天より舞い降りる漆黒のドラゴン。ブラックフェザー・ドラゴンと睨み合う。2体とも「黒が似合うのは俺の方なんだぞ!」と言っている、ようにボクには見えた。いや、メスの可能性もあるから「俺」じゃないかもしれないけれど。
 会場から大歓声が沸き上がる。この世界においてもレッドアイズは伝説のレアカード。もはや失われたのではないかと思われていたカードが突如現れたのだ、その興奮は凄まじい。龍亞くんも相当エキサイトなう。

「す、すげー! すげーすげーすげー! 斬せんせー、あの人は一体!?」
「神様の使い。天から舞い降りた天使」
「え?」
「いや。でも、驚くのはまだ早いかもね」

 クロウくんも驚いていた。しかしその闘気は微塵も揺らがない。

「……最高だぜ。まさか伝説のカードと闘える日が来るとはな!」
「勢いが良いな。ふ、だがそれもいつまで続くか」
「レッドアイズは攻撃力2400。俺のドラゴンには及ばねぇ。しかも白銀の翼は装備モンスターの戦闘破壊をターンに2回まで無効にする!」
「気づいていないようだな。すでに悪夢は、お前の未来を浸食している」
「?」
「ククク。ABCはフィールドだけでなく墓地からも合体することができる」
「なんだと!?」

 墓場から溢れ出した。破滅の気配。3つの輝く鉄は虹色の放物線を描き、今、ここに結実する。

「滅びの光に導かれし鉄の魂。終わりなき悪夢となりて、この世界に降り注ぐ」
「くっ!」
「行くぞ。超☆悪夢合体ーっ!!」

──ガチョーン! ガチョガチョガチョーン!!──

「『ABC-ドラゴン・バスター』!!」

 禍々しい機械竜が現れる。その攻撃力は3000。ブラックフェザー・ドラゴンを上回る。クロウくんの頬に汗が流れる。感じているのだ、圧倒的な破壊の力を。

「やってくれるぜ! まさか墓地から合体とはなぁ!」
「ドラゴン・バスターの効果発動。手札を1枚捨てることで、場のカードを1枚除去する」
「なに!?」
「消えろ、ブラックフェザー・ドラゴン!」

 破壊の光線が黒翼の竜に突き刺さらんと駆ける。白銀の翼がそれを阻むように輝く。

「白銀の翼は破壊を無効にする! もちこたえろぉ!」
「ドラゴン・バスターの効果は破壊ではない、除外だ!」
「ば、バカな!?」

 抵抗むなしく、光がブラックフェザー・ドラゴンに炸裂し、フィールドから消してしまう。クロウくんはエースモンスターを失い、対して遊黒くんの場には最強クラスのモンスターが2体。クロウくんは歯を食いしばる。

「……くそっ!」
「バトルだ。レッドアイズで黒槍のブラストを破壊。そして、ドラゴン・バスターのダイレクトアタック!」
「く、くっ!」
「遊黒バスター!!」

 最強の一撃が、クロウくんとブラックバードに叩き込まれる。

「く、ぐぉぉぉっ!!」

 その凄まじい衝撃に、さすがのクロウくんもスピンし、スピードも当然大きく落ちる。

「ははははは! 今度こそ、俺の勝ちが決まったようだな。これ以上は醜態を晒すのみ。サレンダーしろ」
「……へへへ、ははははは!!」

 クロウくんは笑う。苦し紛れや虚勢じゃない。お腹からの、力強い笑い声だ。遊黒くんはクロウくんを不思議なものを見るように見る。

「……人間の思考には、まだ俺が理解できていない部分があるようだ。なぜ笑う?」
「だって面白ぇじゃねぇか。世界にはまだまだ俺の知らないカード、知らない相手がいるんだって分かったんだからな。最高だぜ!」
「ふ、その感情なら理解できるよ。だが喜んでばかりもいられまい。このデュエル、もはや全てにおいて俺がリードしている」
「懲りねーやつだな。目線が下がってるぜ?」
「?」
「へ、上を見てみろ!」

 クロウくんの言葉に反応し見上げれば、そこにはブラックフェザーのモンスターが2体。

「な、なに?」
「『BF−天狗風のヒレン』の効果。このカードが墓地に存在し、俺が直接攻撃によって2000以上のダメージを受けたとき、こいつと墓地のレベル3以下のBFを特殊召喚できる!『BF−疾風のゲイル』と共に復活!」
「いつの間にそんな、エンジェル・バトンの効果か!」
「そうだ。ヒレンはレベル5チューナーで、ゲイルもチューナー。シンクロ召喚への布石は整ったぜ」

 状況を理解し、遊黒くんは笑う。シンクロ召喚はチューナーだけでは行うことはできない。次のドローでチューナーじゃないモンスターをドローできなけば意味はない。その余裕の笑みだ。しかも。

「ドラゴン・バスターの除去能力は相手ターンでも使うことが可能。シンクロモンスターは確かに脅威だが、召喚前の素材を消してしまえばどうということもない。貴様に、奇跡は無い!」
「それはどうかな?」
「?」

 ここで遊黒くんは気づいただろう。通常ならばスピードワールド・リミテッドの効果により、1000以上のダメージを受けたプレイヤーのスピードカウンターは減ってしまう。しかしクロウくんのスピードカウンターは減らない。いや、それどころか。

「バカな、スピードが上がっている!? まさか!?」
「転んでもタダじゃ起きねー、それがクロウ様のデュエルよ! 俺は遊黒バスターを受けた時、トラップカード『デス・アクセル』を発動していた!」

 あれはダメージを受けた時に発動できるトラップ。そのダメージによってスピードカウンターは減らず、ダメージ500につき1つスピードカウンターを増やす。ダメージは3000。

「そ、それって、つまり!」
「スピードカウンター12だと!?」
「マックススピードだぁーっ!!」

 黒い彗星がフィールドを駆ける。最大最強のスピードで風をきる。クロウくんも、そしてブラックバードも、見ているこっちが気持ちよくなってしまうような、素晴らしい走りだった。速く、強く、美しい。
 しかし遊黒くんは揺るがない。現状を淡々と告げる。

「もはやスピードカウンターが増えることに意味など無い。お前は手札0。ミラーフォースもまだ場に生きている。逆転は不可能だ」
「お前、すげー強いクセにつまんねーこと言うな」
「?」
「だからこそ燃えるんだよ。それにスピードは俺たちライディングデュエリストの命、意味がないなんてありえねー。ライディングデュエルではな、デュエリストのスピードが魔法になるんだよ!」
「……!」

 そうだ。たとえ敗北が決定したとしても最後の最後まで全力疾走。それがライディングデュエリストの魂。そう聞いてはいた。だけど、ボクも遊黒も、その魂に直接触れるのは初めてのこと。遊黒くんは表情に困惑の色を残しながらも、微笑み。

「好きになってきたよ。クロウ、お前のことがな」
「ぶっ! な、なんだよ気持ちわりぃ!」
「まだ俺のターンは終わっていない。スピードワールドの効果。スピードカウンターを4つ取り除き、相手に800ダメージ!」
「ちっ!」

 これでクロウくんのライフは残り200。ライフ800はスピードワールドの効果ダメージによって敗北するデッドライン。それを超えてしまった。しかも次のターンで遊黒くんのスピードカウンターは再び4になる。それでジエンド。まさに絶体絶命。

「さらに魔法カード、『封印の黄金櫃』を発動」

 あれはデッキから好きなカードを1枚選んで除外し、発動から2回目の自分のスタンバイフェイズにそれを手札に加える、というカード。デッキから好きなカードを探してこれるというのはスゴく便利だけど、その選択肢の広さは逆に迷いを生むこともある。遊黒くんの眼は迷いを宿していた。クロウくんはそれを見て取り。

「へ、迷ってるみたいじゃねぇか。有利なんだ、ゲンでも担いでスパっと決めちまうのもアリだぜ?」
「ふ、有利だなんて気持ちは消えたよ。俺はお前ほど強くはない。さすが、世界の頂点に立った男だと思っている」
「俺たちは頂点になんか立っちゃいない。デュエルは時の運。1回の勝ちじゃ足りねー、満足できねーんだ!」
「……満足か」
「だからこそ俺は自分の力を試す。海外で、世界で! そしていつか遊星やジャックも倒し、このクロウ様が最強になるのよ!」

 力強い言葉。だがそれに反して、ボクらの横のセキュリティの彼は泣いていた。

「く、クロウ〜! だ、だからってセキュリティをやめなくたっていいじゃないか〜!」
「お、オジさん……泣かなくたって」
「俺は! クロウのデュエルをもっと間近で見てたかったんだよ〜!」

 その時、セキュリティの元にモヒカンが数名集まる。そして。

「アヒャヒャヒャ! げへへ、おまわりさん泣いちゃってるぜ! ダッセ〜!」
「う、うるせー!」
「ほら、食えよ」
「こ、これは、ポップコーンじゃないか!? い、いいのか!?」
「げへへ。悲しい時はな、食うのが一番なんだぜ。俺たちサテライト民はいつもそうしてきた。どんなにつらいことがあったってさ、上を向いてりゃなんとかなるもんさ」
「……あ、ありがとう」

 セキュリティはポップコーンをムシャムシャやる。そして。

「お前の気持ちも少しは分かるぜ。遊黒の親分もそうだからな」
「え?」
「やるべきことがあるから、チームには長くいれない。そう言っていた。でも、だからこそ、別れる時はスッキリ送り出してやりたいじゃねぇか。そいつとの思い出が、いつまでも輝いていられるようにさ」
「……そうか。ま、まぁ、そんなことお前に言われるまでもないのだが」

 鼻を鳴らし、セキュリティは手元のカップを掴む。それを持ち上げ。

「ほら、飲めよ」
「こ、この色、まさかコーラ! しかもキンキンに冷えてやがる! おいおい、いいのかよ!?」
「お互い様だろ?こういうのは」

 と、まぁこんな感じで隣はすごい盛り上がっていた。少し暑苦しいかもだけど、でも分かったこともある。良いデュエリストは良い仲間に恵まれる。良いライバル、良いカード。

「……」

 遊黒くんと目が合う。俺たちもクロウたちのようになれるだろうか。そう、言っている気がした。だとすれば答えはひとつ。ボクはその答えを強く思いながら、微笑みを返す。

「……ふっ!」

 遊黒くんも笑う。もはや彼に迷いはないようだ。

「あ、斬せんせー笑ってる!」
「はははヤッホー。面白くなってきたぁ!」

 本当の勝負はここからだ。遊黒くんは笑い。

「俺が黄金櫃の効果で封印するのは、『真竜機兵 ダースメタトロン』だ!」
「感じるぜ。ヤバい気配がガンガンとな。そいつがお前の最強カードってわけか!」
「そうだ。だがこいつの出番があるかどうかは次で決まる。さぁ、お前のターンだ!」
「あぁ! 行くぜ俺のターン、ドロー!」

 スピードカウンターはクロウくんは12、遊黒くんが3。スピードカウンターの数が多ければ多いほど強力なスピードスペルを使うことができるが、その利点を活かせるかどうかはこの一瞬にかかっている。クロウくんが引き当てたのは。

「俺が引いたのは『Sp−アクセル・ドロー』。このカードはスピードカウンターが12ある時のみ発動でき、カードを2枚ドローする!」
「魔法にしたか……スピードを!」

 クロウくんは2枚引き、そして。

「スピードスペル、アクセル・ドロー発動!」
「2連続だと!?」
「さらに魔法カード『ハーピィの羽根箒』! お前のミラーフォースを破壊する!」
「ぐっ!」

 あれは相手の魔法罠を全て除去するカード。これでクロウくんを長く苦しめてきた罠地獄は終わり、そして、スピードワールドのさらなる効果が発動する。

「スピードカウンターを10個取り除くことにより、場のカード1枚を破壊。俺が選ぶのは当然、ドラゴン・バスター!」
「ちぃ、ならばお前のモンスターも道連れだ! ドラゴン・バスターの効果発動、手札1枚を捨て、疾風のゲイルを除外!」

 シンクロ召喚を警戒しチューナーを潰す作戦か。しかし、クロウくんは微笑んでいる。

「残念だがハズレだぜ。トラップカード『ブラック・チャージ』! 場のBFチューナー2体を除外し、カードを2枚ドローする!」
「ち、シンクロ狙いはブラフか! だが、ドラゴン・バスターにはまだ最後の効果が残っている! 自身をリリースし、除外されたユニオンモンスター3種類を特殊召喚!」
「ち、んな効果まであるのかよ! インチキ効果もいい加減にしやがれ!」
「アサルト、バスター、クラッシュ、全て守備表示で復活! だがこれで、お前のシンクロ召喚を阻むものはなくなったな」

 遊黒くんは闘争心を燃やしながらも、クロウくんの次の一手に期待しているようだった。その視線に応えるように、新たなブラックフェザーが現れる。

「チューナーモンスター、『BF-極北のブリザード』召喚! その効果で墓地のブラストが蘇る。さらに黒い旋風の効果で『BF−鉄鎖のフェーン』を手札に。そして、ブリザードをブラストにチューニング!」
「早速来るか!」
「漆黒の力! 大いなる翼に宿りて神風を巻き起こせ! シンクロ召喚!」

 ブラックフェザーたちが舞い踊る幻想的な景色。その中現れる、漆黒の翼。

「吹きすさべ、『BF−アームズ・ウィング』!!」

 攻撃2300の新たなシンクロモンスター。レッドアイズと睨み合う。その攻撃力はレッドアイズには及ばないが、特殊能力がある。

「アームズ・ウィングは守備モンスターを攻撃するとき攻撃力が500アップする。そして攻撃力が守備力を超えてれば、その分のダメージをお前に与える!」
「うまい! 1000以上のダメージを与えれば遊黒のスピードカウンターは減らせるから、次のターンのスピードワールドのダメージを回避できる!」
「遊黒くんがABCを復活させたのがあだになったか!」
「行くぜバトル! アームズ・ウィングでアサルトに攻撃、ブラックチャージ!!」

 漆黒の猛威がはしる。しかし、悪夢は終わらない。

「クク、だが俺にはまだ奥の手が残されている! 墓地から、『仁王立ち』の効果発動!」
「ま、また墓地からトラップだと!?」
「最初のターンでアンチリバースに破壊されたカードだ。その効果によりこのターン、お前はレッドアイズにしか攻撃できない!」

 レッドアイズが咆哮し、アームズ・ウィングを退ける。クロウは舌打ちし。

「ち、攻撃は止める。カードを3枚伏せてターンエンド」
「万策尽きたな。俺のターン、スピードワールドの効果発動!」
「く、クロウー!」
「これで終わりだぁっ!」

 大爆発。煙が上がり、ボクらの視界は遮られる。でも、それでも分かる。遊黒くんもすぐに気づいただろう。いまだ鳴り響くエンジン音、焦げくさい匂い。そうだ。クロウくんのデッキには、スピードワールドの効果ダメージを無効にできるカードがあった。

「舞い戻れ、ブラックフェザー・ドラゴン!!」

 雄々しく吠える、クロウくんの魂のカード。ブラックフェザー・ドラゴンは効果ダメージを無効にして自身に黒羽カウンターを置くという効果がある。

「永続罠『闇次元の解放』を発動させてもらったぜ。こいつは除外された闇属性モンスターを特殊召喚できる。攻撃表示で呼び戻したぜ」
「最高のモンスターは最高の場面にこそやってくる、ということか。だがそいつは自身の黒羽カウンター1つにつき攻撃力が700下がる。ならば、レッドアイズで攻撃!」
「トラップカード、『BF−アンカー』!」

 アームズ・ウィングがブラックフェザー・ドラゴンに優しく触れる。それは思いを託したバトンのよう。アームズ・ウィングは消滅し、その力が受け継がれていく。

「BF−アンカーはBFをリリースすることで、その攻撃力分シンクロモンスターの攻撃力をターン終了時まで上げる。ブラックフェザー・ドラゴン、攻撃力4300だ!」
「ちぃ! ならば攻撃は止め、魔法カード『命削りの宝札』を発動! カードを3枚ドローする」

 あれは手札が3枚になるようにドローする魔法カード。ただしターン終了時に自分は手札を全て捨てなければならず、また、あのカードの発動後は相手にダメージを与えられなくなる。だからレッドアイズの攻撃の後に使ったのだ。
 ドローカードを一瞥し、遊黒は笑う。

「最高のモンスターを引き寄せられたのはお前だけではないようだ。俺はレッドアイズとアサルトで、進化の道を切り開く! レボリューション・ロード!!」
「な、なんだぁ!?」
「時は奏でて、想いはあふれる! 終わらない未来より架かる虹よ、この世界へ降り注げ!」

 雪解けの時。閉じた心は花開き、春を迎えし魂は脈動する。これこそが、終遊黒の切り札。

「ユニバース召喚! 『ナイトメア・ブラック・ドラゴン』!!」

 悪夢の龍が咆哮する。攻撃力は2500。龍亞くんはじめ、会場のみんなはひっくり返っていた。

「ちょ、ちょっと、なんなんだよこのデュエル! すごいことばっかり起こるじゃん! あんなの全然見たことないよ!」
「君たちの進化の結晶がシンクロなら、ユニバースがボクらの進化の結晶だ。なんちゃって」
「ま、まさか斬せんせーもできるの!? ウニダース召喚!」
「ふふふ、な・い・しょ♡あ、あとユニバースね。そんな高そうな名前じゃない」

 クロウくんも相当ビックリしていた。それでも不敵に笑ってるんだから、根っからの勝負人なんだなぁって思う。

「おいおい、お前のデッキはビックリ箱かよ! 俺の知らねぇ召喚まで使いやがって!」
「お互い様だよ。俺もシンクロ召喚を知ったのは最近だからな。俺はまだシンクロが使えない、だからこそ、俺のデュエルはまだまだ進化する!」
「それこそお互い様ってもんだ。ユニバースの力、じっくりと見せてもらうぜ!」
「いいだろう。ユニバース召喚は素材モンスターを魔法罠ゾーンにレガシーとして置き、それにレガシーフォースを与えることで、自身を手札から場に出すというもの」

 ちなみに、ユニバース召喚は特殊召喚ではなく通常召喚として扱われる。だけど通常召喚の権利は消費しない。クロウくんは説明をウンウンと理解し、問いを投げかける。

「レガシーフォース?」
「レガシーに与えられる効果だ。魔法の効果の発動として扱う。ナイトメアの素材は通常モンスターと効果モンスター。通常モンスターに与えられるレガシーと効果モンスターに与えられるレガシーは異なる。楽しみにしておくことだ」

 一度ユニバース召喚が行われれば、その後ユニバースモンスターを除去したり効果を無効にしたとしても、レガシーに与えられたレガシーフォースは消えない。ユニバースモンスターが場を離れればレガシーは消えるけど、ナイトメアブラックの効果でレガシー1つを残すことが可能。その真の恐ろしさに、クロウくんがどこまで対応できるか。

「……未知のモンスター。へ、上等じゃねぇか!」
「カードを2枚伏せてターン終了。さぁ、この悪夢から抜け出せるかな?」
「見せてやるぜ、ブラックフェザー・ドラゴンの真の力を! 俺のターン、『闇の誘惑』を発動。2枚ドローしてフェーンを除外。さらにエンジェル・バトンでドローし、手札1枚を墓地へ」
「ふん、慌てて手札交換とは。いよいよネタが尽きて来たか?」
「逆だぜ。今ネタを仕込んだところよ! 今墓地へ送った、『BF−精鋭のゼピュロス』の効果。黒い旋風を手札に戻して自身を特殊召喚し、俺に400ダメージ与える。攻撃表示で特殊召喚!」

 ゼピュロスの攻撃力は1600。通常ならばこの400ダメージは自滅になるが、ブラックフェザー・ドラゴンがそのダメージを無効化する。そして黒羽カウンターが増え、今、その能力が解き放たれる。

「ブラックフェザー・ドラゴンの効果発動! 黒羽カウンターを全て取り除くことで、その数×700相手モンスターの攻撃力を下げ、下がった数値分のダメージを与える!」
「カウンターは2つ。これでナイトメアの攻撃力は1100になり1400のダメージ。ブラックフェザー・ドラゴンの攻撃が通ればさらに1700ダメージ。そしてスピードワールドの800ダメージで、クロウの勝ちだ!」
「そう都合良くいかないのが悪夢だ。リバースオープン、『ダメージ・ダイエット』!」

 あれは発動ターンに自分が受けるダメージを全て半分にするというカード。遊黒くんのライフは2800になる。ダメージ・ダイエットの発動により、遊黒くんをこのターンで仕留めることは難しくなった。しかしナイトメアブラックとブラックフェザー・ドラゴンの攻撃力の差は歴然。遊黒くんは顔をしかめながらも説明を始める。

「レッドアイズに与えられたレガシーフォースは、ナイトメアの攻守を1ターンの間2倍にする。アサルトに与えられたレガシーフォースは、ナイトメアとバトルする相手モンスターの攻守を1ターン半減させる。だがレガシーフォースは1ターンに1種類までしか使えない。俺が使えるのは片方の効果だけ」
「なら答えはひとつだ! ブラックフェザー・ドラゴン、ナイトメアを攻撃!」
「アサルトのレガシーフォースにより、お前の攻守は半減!」
「だが、攻撃力が下がってるのはお互い様だぜ」
「ちぃ!」

 ブラックフェザー・ドラゴンの攻撃力も下がるが、ナイトメアの攻撃力も先ほど下がっている。ブラックフェザー・ドラゴンの攻撃力は1400。ナイトメアは1100。であれば、勝敗は明確。

「行け、ノーブル・ストリーム!」

 黒い嵐により悪夢は消し飛び、遊黒くんのライフは2650まで削られる。しかし彼の瞳の光は消えない、それどころか強くなる。彼の場には、ナイトメアが残したレガシー、レッドアイズが残っている。

「よっしゃあ、どうだ!」
「ふ、ナイトメアブラックがたった1ターンで倒されるとはな。これがブラックフェザーの力、そしてお前の力ということか。だがユニバース召喚の真価はここから始まる」
「負け惜しみ言いやがって。カードを2枚伏せ、ターンエンド!」
「俺のターン。この瞬間、黄金櫃に封印されしカードが蘇る」

 ダースメタトロンが手札に加わる。あのカードもまた最強クラスのカードだが、その分召喚条件は厳しい。

「このカードのアドバンス召喚には3体のリリースが必要となる」
「見積もりがあまかったみたいだな。お前のモンスターはバスターとクラッシュの2体。1体足りないぜ」
アドバンス召喚にはモンスターのリリースが不可欠。だが我が主より賜り俺が鍛えた『真竜』カードは、その垣根すらも超越する! このカードは、永続魔法および永続罠もリリースに使うことができる!」
「な、なんだとぉ!?」
「場に伏せられていた永続罠『真竜の黙示録』とバスターとクラッシュ。これら3本の柱に導かれ、この次元に降臨する! 出でよ『真竜機兵 ダースメタトロン』!!」

 眩い黄金の光。金色の翼、聖なる剣、重厚な鎧。攻守3000の最強の戦士が、ここに君臨する。戦士族じゃないけど。

「くそ、また意味わかんねーカード出しやがって! いくつ常識はずれのことすりゃ気が済むんだこの野郎!」
「お前が参ったと言うまでさ。黙示録の効果発動。このカードが墓地へ送られた時、モンスター1体を破壊する!」
「なに!?」
「もう一度消え去れ、ブラックフェザー・ドラゴン!」

 大きな煙が上がる。しかし誰もが感じていた。クロウ・ホーガンとは、ここで終わるデュエリストではないと。その想いに答えるように、クロウくんは微笑みながら悪夢の嵐を突破する。新たなモンスターを従えて。

「なかなか悪夢チックな光景だ。なんだそのモンスターは?」
「トラップカード『バスター・モード』を発動した。こいつはシンクロモンスターを進化させる。とくと見やがれ。これが俺のエースの進化した姿!」

 BFが持っていたような銃器を装着し、よりたくましくなった漆黒の体。紅い光が夜の闇に染み渡っていく。そう、これこそが。

「誕生、『ブラックフェザー・ドラゴン/バスター』!!」

 ブラックフェザーの進化の可能性、そのうちのひとつ。攻撃力は3300。どうやら、互いの最強モンスターがこれで並んだようだ。

「これがお前の切り札か。だがダースメタトロンは自身の召喚のためにリリースされたカードと同じ種類のカードの効果は受けない。つまり、モンスターとトラップの効果は受けない」
「惜しかったな。魔法もリリースできれてば完璧だったのによ」
「あえてそうしたのさ。レッドアイズのレガシーフォース発動。ダースメタトロン、攻撃力6000!」
「!?」

 クロウくんの眼が見開かれる。そう、これがユニバースの真の恐ろしさ。

「……なるほど、ナイトメアが消えても悪夢は消えないってわけか」
「そうだ。ナイトメアが消えて効果対象を失ったレッドアイズは、新たに召喚されたモンスターにレガシーフォースを与えることができる。そしてダースメタトロンが場から消えた時も同じことが起こる」
「つまり、お前の場には常にレガシーで強化されたモンスターが居座るってことか!」
「その通り。ユニバースとは1体の最強モンスターを呼び出す召喚ではない。レガシーを引き継ぐことで、デッキの全モンスターを最強にする召喚だ!」

 黄金の闘士が絶叫し、絶叫という表現で正しければだが、猛々しく突進していく。

「このデュエル、俺の勝ちだ! ダースメタトロン、/バスターへ攻撃! 遊黒パーンチ!!」
「トラップ発動、『立ちはだかる強敵』! お前の攻撃対象はゼピュロスになる」
「無駄だ。ダースメタトロンにトラップは通用しない」
「このカードの効果は相手モンスターにおよぶ効果じゃない。ダースメタトロンでも無視できないぜ!」
「ちっ。だがミスったな、ゼピュロスが攻撃表示だぞ!」
「わざとだぜ。/バスターは自分が効果ダメージ、またはBFの戦闘によるダメージを受ける時、それを無効にする! さらに場のBFは、ターンに1回までずつ破壊されない!」」

 ドラゴンに、黒羽カウンターが置かれる。

「なるほど。ダメージを無効にする度に黒羽カウンターが置かれるわけか。ならば当然、黒羽を取り除く効果もパワーアップしてるのだろうな」
「あぁ。カウンターを全て取り除くことで、1つにつき700ポイント、自身の攻撃力を上げる。そして変化した数値分、相手にダメージを与えて相手モンスター1体の攻撃力を下げる。次のターン、こいつをぶちかましてやるぜ」

 強力な効果だ。カウンター1つにつき2100ダメージが発生するようなもの。しかしこの場合はそうはならない。

「たしかにそいつの攻撃力は上がるが、ダースメタトロンは効果を受けないので攻撃力が下がることもない。加えて、俺の墓地のダメージ・ダイエットは墓地から除外することで、そのターン受ける効果ダメージを全て半減させる」
「ちっ。ダースメタトロンとの攻撃力の差は2700。それを埋めるため、黒羽カウンターが4つ要るか」
「たしかに4つあればダースメタトロンを倒すことは可能。だがこいつには更なる効果がある。相手に破壊された時、俺は地・水・炎・風のいずれかの融合・シンクロモンスター特殊召喚できる」
「……どうやら、ダースメタトロンごとお前を倒すしかねーようだな」
「それには黒羽があまりにも足りないがな。俺はターンエンド」

 急にやってきた計算タイム。龍亞くんは指折り数えながら眼をグルグルさせる。余談だがこの時の龍亞くんは超可愛かった。

「え、えっと、つまり?」
「クロウくんが次のターンで勝つには黒羽カウンターが6個必要ということになる。つまりあと5個」
「え、えぇー!?」
「遊黒くんにはあらゆる魔法罠を無効にする融合モンスターがある。しかもそれはレガシーフォースを受けて攻守2倍。今の手札が尽きたクロウくんでは到底耐えきれない」
「……クロウ」

 元のブラックフェザー・ドラゴン同様、効果ダメージでも黒羽カウンターは増やせる。戦闘ダメージでも増やせるから、ダースメタトロンより攻撃力が低いBFで攻撃することでも増やせる。条件は軽くはなっているけど、5個はあまりにも遠い。

「関係ねーぜ。/バスターが、お前をぶっ倒す!」
「バカな。お前は手札0。ブラックフェザーを呼ぶことすらできまい」
「たしかにな。全ては、このドローで決まる」

 さすがのクロウくんも、ドローの手が微かに震えているように見えた。このドローはあまりにも重い。
 会場も静まり返る。数秒が、永遠の如く長く感じられた。
 その時だった。

「クロウ兄ちゃーん!!」

 会場のどこかから響いた、何人もの子どもたちの声。会場は満席で騒がしい。どこからの声だったのかは把握できない。
 だけど、クロウくんの顔が、変わった。

「……こんなとこまで来やがって。お前らに頼らずにやってこうって思ってる時によ」
「……そうか。ようやく分かったよクロウ。俺の攻撃に決して屈しなかった、お前の強さ。その源が」
「まったくよぉ。これじゃあ、絶対に負けられねーじゃねぇか!」

 さっきの沈黙が嘘のように、デッキに優しく、しかし強く手がかけられる。感じる、クロウくんとデッキの魂のクロス。

「行くぜ、ドロー!」

 彼はカードを見る。そして。

「黒い旋風を再び発動。そして『BF−月影のカルート』を召喚!」

 引き当てたのは、攻撃力1400のBF。黒い旋風の効果で、攻撃力1400未満のBFを手に入れることが可能。選ぶのは。

「『BF−突風のオロシ』を加える。そしてオロシは場に他のBFがいれば特殊召喚できる! こいつはチューナーだ」
「だがシンクロすれば攻撃できる総数は減る。チューナーであることを活かせはしない!」
「まだだ! 墓地の『BF−大旆のヴァーユ』の効果発動。墓地のこのカードを、墓地のBF1体にチューニングする!レベル1のヴァーユをレベル6のアームズ・ウィングにチューニングし、この2体を除外!」
「なんだと!?」
「黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!」

 調和の輪に吸い込まれるブラックフェザー。光は満ち。

「来い、『BF−アーマード・ウィング』!!」

 現れる、武装をまといし新たなブラックフェザー。攻撃力は2500。ヴァーユで呼ばれたモンスターは効果が無効になるけど、/バスターの効果で破壊は防げる。これでBF4体を含む、5体のモンスターが揃った。

「行くぜ。ゼピュロス、カルート、オロシの攻撃!」
「これで黒羽は4。だが!」
「アーマード・ウィングの攻撃! ブラックハリケーン!!」

 強烈な竜巻の一撃が決まるが、黄金の戦士はビクともしない。これで黒羽は5。あと1つだけど。

「惜しかったな。もうお前には、攻撃できるBFがいない!」
「それはどうかな?」
「……まさか、最後のリバースカード……!」
「そう。これが、俺の最後の切り札だ! トラップ発動、『緊急同調』!」

 あれはバトル中のシンクロ召喚を可能にする。レベル1のオロシが、レベル3のカルートとレベル4のゼピュロスを包み込む。

「吹きすさべ嵐よ! 鋼鉄の意志と光の速さを得て、その姿を昇華せよ!」
「……くっ!」
シンクロ召喚! 『BF−孤高のシルバー・ウィンド』!!」

 刀を持ったBFの降臨。攻撃力は2800を誇る。黄金の光へと叩き込まれる、純白の嵐。

パーフェクト・ストーム!!」

 ダースメタトロンには届かない。だけど、想いは繋がった。これで黒羽は6。

「待たせたな、遊黒!」
「……クロウ……!」
「ブラックフェザー/バスターの効果発動!」

 ドラゴンの咆哮。みなぎる最強のパワー。

「バカな……攻撃力7500だとぉ!?」
「これで終わりだ!」

 迎える、最後の時。

「ブラックフェザー・ストーム!!」

 それは黒く、気高い、魂の一撃だった。

 


 決着の後、2人はスタート地点に戻る。遊黒くんはアングリ口を開け、ボケーっとした顔で。

「……負けた。この俺が」
「どうやら、悪夢を見たのはお前の方だったみたいだな」
「……いや」

 止まない歓声。止まらない拍手。

「すげーデュエルだったぞー!!」
「よくやったクロウー!!」
「おやぶーん!!

 やさしい声が街に降りて。今宵限りの、時を忘れる。

「この景色は、悪夢と呼ぶにはまぶし過ぎる」
「……だな」

 気ままに揺らめいて。想いは、焦がれる。


 と、いうわけで、めちゃくちゃ良いムードでコトは終わったのであ、あれれ〜?そういえば何か忘れてるような気がするぞ?

「ゆ、遊黒のおやぶーん!!」
「あぁ、お前たちか。応援は聞こえていたよ。負けてしまったがな」
「いえいえ! 見事な闘いでした親分!」
「そうか。さて、デュエルの前の約束を果たすことにしよう。客もたくさん集まったからな」
「あ、そういえばお前らの計画がどうとかそういうデュエルだったなこれ」
「そう。会場の皆、これを見ろぉ!!」

 遊黒くんが絶叫しスイッチを押すと、スタジアムのモニターに映像が映し出される。若い女の子たちが楽しそうにゴミ拾いをしている映像だ。全員おっぱいが大きめなのは気のせいだと思うことにしよう。

「これこそが我らナイトメア団の計画! 週末、ネオドミノの観光スポットを巡りながらのゴミ拾いツアーを行う! 外からの観光客はもちろん、故郷の素晴らしさを知りたい皆にもオススメ! スタッフ募集中ーっ!!」
「な、なんじゃそりゃあ〜!?」
「イェーガー市長より許可は取ってある。そう、この街はゴミ拾いシティとなるのだ!」
「ゴミ拾いシティ!」

 よし、帰ろう。ボクと龍亞くんが席を立った時、なんか画面が急に切り替わった。

「な、なんだ!? スタッフを増やすこの大チャンスに……」
『エーブリバディーリッスーン! ネオドミノの諸君に、スーパーエキシビジョン・デュエルをお届けするぞぉ! 新設された天空ライディングデュエルコースで闘うのは、このふたりだぁーっ!!』

 スポットライトに照らされたのは、ふたりの男。ふたりとも赤いDホイールに乗っている。そのうちのひとりは、ボクらにとって馴染みがある人物。

『私が実況させていただいた、あの天空での激戦は、皆さんの心に刻み込まれていると思います。そう、彼が帰ってきた!WRGPを制したチーム5D’sのひとりであり、この街を救った英雄! 』
「く、クロウ、あれって!」
「な、なんであいつがあんなところで!?」
『不動遊星だー!!』

 そうか、あれが不動遊星。伝説のライディングデュエリスト

『対するは! 皆さんはあの会社を知っているでしょうか。この街に突然現れ、デュエル開発分野に殴り込んできた大企業! どこから来たのか、その業績、その過去は一切不明! 謎に包まれたヴェールが、今解き放たれる! リバースコーポレーション社長、天新海ー!!』

 

 新海は遊星に話しかける。

「自己紹介がまだだったな。俺はオリジン世界という別世界から来た。俺はその世界において最強だったが、神になるには至らなかった。ここには神に近づくために来た」
「……」
「頂点に立つ者は多くの眼に晒される。ごまかしは通用しない。真の強さが求められるのだ。俺がこの場を設けたのは、俺の力をこの世界の人間に見せつけるため。君は俺の相手として最も相応しかった」
「……」

 新海は続ける。

「君が勝つ可能性もわずかだがある。30%にも満たないがな。見せてもらおう、無限界帝を倒したその力」
「おい」
「うん?」
「デュエルしろよ」

 今、最強と最強がぶつかり合う。

 

 

<後書き>

クロウがカルート引いたところでGoing my wayが読者の皆の頭の中で流れ出し……たらいいなぁと思いながら書きました。
最初は原作キャラでデュエルするのは遊星ジャック龍可だけで、クロウのデュエルは無い予定でした。こうして書いてみると、クロウのデュエルを入れてみるのも無しではなかったかなと思います。
ちなみに現在はシグナー全員がデュエルする予定になってます。
OCGはゼアルの最後の方の辺りからあまりやってなくて、最近またやりだしました。オルターガイスト安くてつえー。
なのでBFの新規は最近見ました。今回のデュエルを作った後です。シムーンのテキストは目ん玉飛び出るかと思いました。クロウのデュエルはまだある予定なので、その辺も使っていきたいなぁと思います。逆に、漫画版のカードとかABFとかは出ないかなーと思います。
余談ですがアゲインスト・ウィンドがBF竜とコンボできないのは今回知りました。嘘やん。クロウのカード同士でシナジーありそうやん。

また文字数が1万を大幅にオーバーということで。もっと短くまとめたいなと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。頑張ります。

 

<前の話はこちらから!>


第6話 終遊黒vsクロウ・ホーガン

<前書き>

この5D’sの世界編の時系列は、アニメ5D'sの最終回のデュエルとラストランの間です。なので赤き龍はまだギリいますし、チーム5D’sのメンバーたちもネオドミノにギリいます。

 

<本文>


 天の川浮かぶ背の低い丘。その男はたたずみ、彗星に想いを馳せる。しかし同時に、その想いは叶わぬものだと理解する。彼はあまりに多くの知識を身につけた。その時代、はるか太古の世界において、彼に並び立つ者はいない。その眼は寂しげだった。

「……美しいな。肉体は滅びるが、星の輝きは朽ち果てない」

 その丘は彼の墓標となる。訪れる者はもういない。
 この世界に染み込んだ悪意。争いは決して絶えることはないと、彼は理解していた。だからこそ探していたのだ。星の輝きのように消えない、人々の心を繋ぐものを。人の心をあたたかく照らすものを。しかしそれはついに見つからなかった。
 彼の力は後世へ受け継がれる。彼は己の力をいくつかに分け、後世へ託した。救世を夢見て。


 そして時は現代。ネオドミノシティー郊外。その墓標はまだあった。


「あ、斬せんせーだ! 久しぶり!」
「やっほー龍亞くん。今日も元気だね。でもその斬せんせーってのは止めてみない?ボクはほら、バイトみたいなものだから」
「いいじゃんいいじゃん! へへ、今日も俺たちの授業やってくれるの?」
「いや、今日は高等部の授業だけだね」
「え〜!? ちぇっ、アキ姉ちゃんがうらやましいなぁ」

 ボクは、つまり聖天斬はだが、このデュエルアカデミアの臨時講師?的なお仕事をしていた。なぜこの仕事をしているかと言えば、リバースコーポレーションというブラック企業に採用されてしまったからである。お試し気分で採用試験を受けてみたら、なんてこったホー、受かってしまったわけなのだ。
 ボクはオリジン世界と呼ばれる場所から来た。ここは5D’s世界。つまり別世界である。ボクは採用試験を受けた直後にこの世界にちょっと旅行でやってきてて、到着した直後にシルバーちゃん、つまりブラック企業の手先から採用のお知らせを受け、それからは命令されるがままにアカデミア運営のお手伝いに従事、というわけである。本当にあった怖い話。ちなみにそのシルバーちゃんっていう娘は超かわいい。

「ま、ボクの授業なんてそんなに珍しくもないさ。これからいくらでも受けれる」
「……ううん、受けられないんだ」
「え、どうして?」
「俺、もうすぐ海外に行くんだ。両親が海外に住んでて、一緒に暮らすために」

 この子は龍亞。ディフォーマーというカード群を愛用する決闘者だ。かつてこの地で大きな闘いがあった。その闘いとは過去からの宿命、未来からの警鐘。いずれにしても『シグナー』と呼ばれる、伝説の赤き龍に選ばれた者たちがその闘いに勝利し、この世界を救ったのだ。 話の流れから察することができるだろうが、この龍亞くんもシグナーだ。また、彼の妹である龍可ちゃんもシグナー。兄妹揃って過酷な闘いに身を投じていていたのだ。

「そっか。寂しくなるね。じゃあ龍可ちゃんも、ってあれ、今日は一緒じゃないの?」
「……あ、あぁ、龍可は、その、なんていうか」
「体調でも悪いの?」
「ま、まぁそんなとこかな」
「そうか」

 彼はしどろもどろだった。おそらく龍可ちゃんは人に言えない状態にあるのだろう。それが人智を超えた力によるものなのであれば、ボクに相談してもしょうがない。だから言わないのだろう。友達としては、ここは追求しないでおいてあげたいところだが、ボクにも目的があるからなぁ。龍可ちゃんの案件がそれに繋がる可能性はけっこう高い。

「じゃあ、ボクはこれで。龍可ちゃんによろしくね」
「う、うん。じゃあね、斬せんせー」

 というわけで放課後! ボクの『龍亞くん尾行大作戦!』は始まったのであった! デデーン!
 彼は街中を駆け回っていた。追いかけるボクの方が疲れてしまったくらいだ。たぶん何か、っていうか誰かを探していた。たぶん龍可ちゃんだろうけど。

「やっぱりダメか。あ、もうこんな時間! 行かなくっちゃ!」

 龍亞くんは叫び、スタコラと走り出した。ボクもヒーヒー言いながら追いかけると、最終的に郊外のさびれたデュエルスタジアムにたどり着いた。そこには人だかりができており、その中にはセキュリティも何人かいた。モヒカンの集団と言い争っているようだ。

「アヒャヒャヒャヒャー! おうおうおーう、おまわりさんよぉ! 俺らはまだ何にもやってねぇだろ〜!!」
「語るに落ちたな! まだということは、そのうち何かするつもりなんだろうこの野郎! この街は生まれ変わるんだ! お前らのようなチンピラは邪魔なんだぁ!!」
「なんだとてめぇー!!」

 なんだかもうメチャクチャだった。そんな中、黒いDホイールが駆けつける。ちなみにDホイールというのはデュエルに使うバイクである。

「おうおう。どうしたどうした」
「クロウ! いいところに来てくれたぜ!」

 クロウと呼ばれた男はセキュリティの男の知り合いのようだった。彼はめちゃくちゃ私服だしセキュリティではないようだが、セキュリティの男とは親しげだった。

「このモヒカン共が何したってんだ?」
「いや、まだ何もしてないんだが」
「はぁ?」
「だ、だけど俺が『これから何するつもりなんだ?』って聞いたら、こいつら答えやしねえんだ。俺はピーンと来たね。こいつらは何か良からぬことをやらかす、そんな予感だ」
「あのなぁ、お前のそういう決めつけてかかるところは直した方が」
「頼むぜクロウ! 元同僚のよしみで! なっ!?」

 元同僚ということは、あのクロウという青年もセキュリティだったということか。歳も20前後で若いし、たぶん辞めてからそんなに長くないのだろう。
 ボクが状況分析につとめているところで、モヒカンがクロウに絡み始めていた。

「おっ、てめぇが噂のクロウか! へへ、鉄砲玉のクロウともあろう者がセキュリティの犬とは。安くなったもんだ」
「あぁん?えっと、すまん、どっかで会ったか?」
「いいや。だがサテライト育ちなら知らないやつはいないぜ。チームサティスファクションといえば俺たちの伝説だからな」
「へへ、ちょっと照れるな」
「だが俺たちの親分には遠く及ばないぜ! このナイトメア団のリーダー! 新たな伝説の登場だ! そーらホイ!」
「イエェェェイッ!!」
「ヒャッハァー!!」

 モヒカンたちがブレイクダンスを始める。絶叫が響き渡る。それはまさに悪夢のような光景だった。そんな地獄の中に。
──カッコーン!──
 新たな男が登場。黒いバサバサコート、ハットを深く被っていて顔はよく見えないが、つけ髪が大量に付いている。それはひとつひとつが違う色で、まるで虹みたいだ。目がチカチカする。そんな、この世のものとは思えない変な風貌の男が出てきた。うーん、これはカオスだなぁ。
 クロウは問う。

「お前は?」
「終遊黒」

 ふーん、終遊黒くんかぁ。遊黒、ん?遊黒!?

「ゆ、遊黒くーん!?」
「あ、斬せんせーじゃん! こんにちは!」
「こ、こんにちは龍亞くん。どうしてこんなところに?」
「クロウにちょっと相談があってさ。ここで待ち合わせてたんだけど、なんか変なことになってきちゃったなー」
「そ、そうだね」
「あの遊黒って人、斬せんせーの知り合い?」
「う、うーん、まぁ、友達」

 ボクにも世間体があるから認めたくなかったが、認めざるをえない。あんなファンキーな格好の人じゃなかったと記憶しているのだが、よく見れば顔とか背丈は完全に遊黒くんだからなぁ。困惑してるボクに、龍亞くんは好奇心いっぱいの眼差しを向けてくる。

「ねぇねぇ、あの遊黒って人も強いの!?」
「う、うん、強いよ。ボクと同じくらいかな」
「えー、じゃあすごい強いじゃん! そんな人とクロウのデュエルか〜!」

 龍亞くんはエキサイトしているようだけど、あの二人が闘う理由なんて無いと思

「デュエルだ」

 なんでやねーん!
 声にならない叫びを上げるボクをよそに、遊黒くんはベラベラと喋り出す。

「そこの彼の勘は正しい。我々ナイトメア団がある計画を実行しようとしているのは事実だ」
「そーら見ろクロウ! 俺の言った通りだろ!」
「だが俺たちはまだ何もしていない。君たちも手出しはできないはず」
「ぬぬぬ!」
「そこでどうだろう。デュエルで俺が勝ったら、君たちは俺たちを見逃す。そちらが勝ったら俺たちは計画の全てを白状する。というのは?」

 セキュリティ隊員の彼はフンフンと頷き、勢いよくクロウの手を握りしめる。クロウはめっちゃ困惑していた。

「お、おい、まさかこの流れは……」
「そのまさかだクロウ! 頼む、あいつとデュエルして勝ってくれ〜!」
「俺はセキュリティを昨日で辞めた。もう隊員じゃねぇんだ」
「お前より強いやつなんて隊員にいないんだ。責任は全部俺がとる。頼む、頼むよクロウ〜!」
「な、泣くなって。それに俺はこれから人と会う約束を」

 会う約束とは龍亞くんのことだろう。だが当の龍亞くんがクロウに駆け寄り、

「クロウ!」
「る、龍亞! すまねぇ、なんか変なことに巻き」
「俺、こんなとこでクロウの全力デュエルがまた見れるなんて思わなかったぜ!」
「あ?」
「頑張れクロウ! 俺応援しちゃうからさ!」
「……お、おぉ」

 トドメを刺した。クロウは大きなため息をつき、悪役面の悪夢と向き合う。

「あー、こっちは俺が出ることになった。俺はクロウ」
「噂には聞いているよ。ライディングデュエル世界大会『WRGP』を制した、チーム5D’sの一員だと」
「そういうお前は見たことねぇ顔だな。デュエルギャングの頭になるようなやつは大体知ってるやつなんだが」
「俺はここの住民じゃない。ここには探し物にやってきた」
「探し物?」
「あぁ。貴様らシグナーをな」
「なにっ?」

 スタジアムの扉が開く。照明がバッバッと光るその会場は、もうデュエルする準備万端ですよ顔だった。

「てめぇ、何者だ?」
「お前が勝ったら教えてやるよ。さぁ、悪夢のライディングデュエルの始まりだ!」

 遊黒くんの元に虹色にビカビカ輝くDホイールがやってくる。あんなもの持ってなかったはずだから、たぶんこの世界で調達したのだろう。しかしやばいセンスだ。
 ボクたちはみんな観客席に向かう。野次馬の人たちも、クロウがデュエルすると聞いて眼の色を変えて走り出していた。あのクロウという人の人気は凄まじいな。

「よーし、頼んだぞクロウー!」
「親分ー! セキュリティの犬なんかに負けるなー!」
「なんだとぉ!?」
「あぁん!?」

 今の時点ではけっこう空き席はあるはずだが、なぜかボクらはセキュリティとモヒカンとご一緒することになってしまった。まぁ世の摂理だと思って諦めよう。ボクは隣の龍亞くんに語りかける。

「そういえば龍亞くんも5D’sの一員だったんだよね。じゃあクロウくんは友達なんだ」
「うん。うるさい時もあるけど、最高の仲間さ!」
「……仲間か」

 今、ボクは自然と遊黒くんを応援しようとしていた。なぜか。そうだ、ボクは遊黒くんが好きだ。変な意味じゃなく。だから。

「このデュエル、クロウが絶対勝つぜ!」
「龍亞くんには悪いけど、ボクは遊黒くんを応援するよ」
「友達だから?」
「仲間だからさ」

 最強の相手に挑戦する彼を、見守ることができるのだ。
 遊黒くんとクロウくんはスタート地点につく。

「フィールド魔法、『スピード・ワールド・リミテッド』、セットオン!!」
──デュエルモード・マニュアルモード・スタンバイ──

「行くぜ! 俺のブラックフェザーがてめぇをぶっ潰す!」
「バッドドリーム、トゥナイト」

 ふたりのDホイールから火花が散る。スタートランプは点滅し、やがてその時は訪れる。会場中が叫んだ。それは開戦の合図。

「ライディングデュエル・アクセラレーション!!!」

 爆音轟かせ、2つの鉄の塊は信じられないスピードでコーナーに突っ込んでいく。ライディングデュエルでは最初のコーナーを制したプレイヤーが先攻を取ることができる。デュエルの行方を左右するその瞬間には、鬼気迫るものがあった。これがライディングデュエルか。2台の加速はほぼ互角だが、わずかにクロウが先行している。

「ブラックバードと競り合うとは、なかなか悪くねぇパワーだ!」
「それはこちらの台詞だ。だが」

 コーナー内側への鋭い突っ込み。通常ならばコーナーへは外側から角度をつけて侵入するのがセオリー。アウトインアウトというやつだ。だが遊黒くんはクロウくんを抜くため、最初からインに突っ込んでいった。これでは相当スピードを落とさなければコーナーはクリアできない。

「俺のレインボーサティスファクションの真価はここからだ。はぁぁぁっ!」
「な、なに!?」

 Dホイールの後輪タイヤが華麗にスライドし、鮮やかにフィールドを駆けていく。

「慣性ドリフト!」

 良いDホイールだ。低重心と軽量化がバッチリ行われているからこそ、ハードなドライブも可能になる。レインボーなんとかがブラックバードの内側をぶち抜いた。

「うぉぉぉぉっ! さっすが遊黒の親分!」
「く、クロウ〜!」
「へー、斬せんせーの友達もかなりやるじゃん!」
「……だけど、クロウくんはまだ諦めていない」

 ブラックバードのタイヤがギャンギャンと吠え、獲物を見つけた燕がくちばしで突つくように、レインボーなんとかの更にインを攻める。

「そんなスピードで行けるわけが無い。死ぬ気か?」
「んなわけあるか! 行くぜっ!!」

 常軌を逸したスピード。その漆黒の鉄が巻き起こした風は疾風となり、観客席にまで届く。

「無理だ! 親分の勝ちだぜ!」
「いや、これは!」

 遊黒がジリジリと外に出ていく。踏ん張りきれていない。スピードが乗りすぎているのか。だが黒い疾風は。

「バカな、つきやがったァー!?」
「ラインがクロスするぞー!!」

 モヒカンとセキュリティの絶叫が響く。うるせぇと思ったが、この凄まじい光景を目の当たりにしては仕方があるまい。彼らの実況の通りラインはクロスし、この一瞬で勝負は逆転。クロウくんが第1コーナーを制したのだ。遊黒くんは自分の前に出ていくクロウくんを鬼のような悔し顔で見ていたが、コーナーを立ち上がった時は愉快そうに笑っていた。

「そうか、これが鉄砲玉のクロウか。ははは、面白い」
「お前も良い突っ込みだったぜ。だがお前の走りが、俺の導火線に火を付けた!」
「光栄だ。だがデュエルでは遅れを取らない。さぁ、来るがいい!」
「あぁ! 行くぜ俺のターン!」

 クロウくんが勢いよくカードを引き、直後、互いのスピードカウンターが1になる。そして。

「永続魔法『黒い旋風』発動!」

 その名の通りの黒い旋風が彼のフィールドを包む。あのカードがある限り、クロウくんは場にBFを召喚する度、それより攻撃力が低いBFをデッキから手札にできる。これで手札切れの心配はなくなったか。

「『BF−大旆のヴァーユ』を守備表示で召喚! デッキから『BF−蒼天のジェット』を手札に加え、さらに『黒羽の宝札』を発動。ジェットを除外して2枚ドローだ」
「手札を整えたか。だがヴァーユは守備力0。嵐の前の静けさと思えばいいのかな?」
「へ、安心しな。クロウ様のデュエルはまだ始まったばかりよ。俺は『強欲なカケラ』を発動。これでターンエンド」

 強欲なカケラ。自分のスタンバイフェイズごとにカウンターを1つ置き、2つカウンターが置かれたこのカードを墓地に送り2枚ドローする。1ターン目から後の展開のための布石を十分に敷いている。さすがだ。

「俺のターン。『ライオウ』を召喚し、ヴァーユを攻撃」

 ライオウは攻撃力1900。その雷が降り注ぎ、ヴァーユを破壊。

「カードを2枚伏せ、ターン終了」

 ここで、龍亞くんが話しかけてきた。

「ねーねー斬せんせー。あの遊黒って人はどんなデッキなの?」
「罠で相手の切り札をやっつけてから安全に攻撃するデッキさ。あの3枚の伏せカード、おそらくミラーフォースのような強力なトラップ」
「ふーん。じゃあクロウとは真逆だね。クロウは速攻が得意だからさ」
「そうなんだ。でも速攻だとトラップが邪魔だね。クロウくんにとっては相性が悪いか」
「いいや! クロウの旋風はトラップなんかぶっ飛ばしちゃうぜ!」
「……なるほど。お手並み拝見」

 龍亞くんからの熱いエールを受け取ったのか、クロウくんは勢いよくカードを引く。そして、笑った。

「俺は『BF−暁のシロッコ』を召喚!」
「いきなりレベル5を召喚だと?」
「こいつは相手の場にのみモンスターがいれば、リリース無しで召喚できる」
「なるほど。ヴァーユを倒させたのはその能力があったからか」

 シロッコの攻撃力は2000。ライオウを上回る。攻撃力が高いので、黒い旋風でサーチできる範囲も広い。

「BFの召喚により、黒い旋風の効果発動!」
「無駄だ。ライオウ特殊能力」

 旋風が吹き荒れる、と言いたいところだが、それはクロウくんの呼びかけにウンともスンとも言わない。

「なに?」
「ライオウがいる限り、デッキからカードを手札に加えることはできない。これが遊黒バリアーだ」
「だが、俺の手札にはこいつらがいるぜ! 来い『BF−疾風のゲイル』!」

 攻撃力1300の新たなブラックフェザー。あれは場に自身と違うカード名のブラックフェザーがいれば手札から特殊召喚できる能力を持つ。さらに特殊能力がある。

「こいつはターンに一度、相手モンスター1体の攻守を半分にできる。ライオウを選択だ!」
「ちっ」
「そしてこいつも、場にブラックフェザーがいれば特殊召喚できる!『BF−黒槍のブラスト』!」

 これで3体のブラックフェザーが揃った。ブラストは攻撃力1700。ライオウの攻撃力は950になったので、クロウくんの攻撃がまともに通ればライフは0にできるが。

「ご自慢のブラックフェザーがそろい踏みか。確かに召喚スピードは素晴らしいが、俺のリバースカードを攻略できていない」
「安心しな。クロウ様のデュエルはな、最初っから弾けてんだよ! 行くぜ、手札からトラップ発動!!」
「な、なんだと!?」
「手札から!?」
「トラップを発動ー!?」
「『デルタ・クロウ─アンチ・リバース』!!」

 トラップは場に伏せてから1ターン待たなければ使えないはず。だがその漆黒の嵐は速攻で場に吹き荒れていく。

「お、親分のトラップが破壊されていくー!?」
「このカードは場にブラックフェザーが3体いれば、手札から発動できる!」
「ば、バカな……親分が負ける……!」
「……面白い。こんなトラップがあったとは。だが」

 地獄の深淵より、亡者の叫びが轟く。それは溢れ出し、フィールドに満ちていく。

「これは……」
「お前が手札から罠を使うならば、俺は墓地から使うまで。『ミラーフォース・ランチャー』の効果発動」
「墓地からトラップだと!?」
「セットされたこのカードが相手に破壊された時、このカードと『聖なるバリア ─ ミラーフォース ─』を俺の場にセットする。そしてこの効果でセットされたカードは、セットしたターンに使うことができるのだ」
「……くっ!」

 漆黒の泥からカードが2枚生まれ、遊黒くんの場にセットされる。ミラーフォースは相手の攻撃宣言時、相手の攻撃表示モンスターを全滅させる最強のバリア。龍亞くんはうなる。

「しかもミラーフォース・ランチャーまで復活したから、アンチ・リバースみたいなカードをまた使ったとしても同じことになる。斬せんせーの友達、めちゃくちゃスゴいじゃん!」
「はははホッホー。えっへん」

 どうやら、君の成長スピードはボクの予想より上らしい。なるほど、これは面白くなるかもな。クロウくんもボクと同じように思っているようだ。楽しそうに笑っている。

「なかなかやるじゃねぇか。俺の速攻がこんな風にかわされるとは」
「デュエルはまだはじまったばかりだ。じっくりと、楽しもうじゃないか」
「そうさせてもらうぜ。ターンエンドだ」
「俺のターン」

 言葉に反して、遊黒くんの眼は鋭くギラついている。瞬殺されかかったことが、彼の闘争心に火をつけたのだ。クールに見えて、意外とその辺は熱い。

「装備魔法、『月鏡の盾』!」

 黄金の盾がライオウの手に掲げられる。これに龍亞くんが反応する。

「あ、装備魔法! そっか、このルールのライディングデュエルだと使えるんだもんな〜」
「龍亞くんのデッキは装備デッキ主体だもんね」
「うん! パワーツールは最強だぜ! あの月鏡の盾ってカードはどんな効果なの?」
「装備モンスターの攻守はバトルする時、バトルする相手モンスターの攻守の高い方の数字に100を足した数値になるんだよ」
「えぇっ!? じゃあバトルに絶対負けないじゃん!」
「しかもライオウは自身をリリースすれば相手の特殊召喚を無効にできる。ミラーフォースも場に生きている。クロウくんの動きは大きく封じられた」

 ボクらの話を聞いてたのか、セキュリティが顔面蒼白で絶叫し、モヒカンたちのポップコーン・ダイブ・トゥー・お口のスピードが速まる。

「そ、そんな、クロウが負ける!? う、うわぁぁぁぁ!!」」
「ギャハハハ! これはもう親分の勝ちで決まりだぜぇぇ! ポップコーンうめぇ!」

 ここで、セキュリティへ龍亞くんの喝が入る。

「オジさん、クロウの仲間なんでしょ? クロウを信じてあげなよ!」
「し、しかし、こんな状況ではもう勝ち目は……!」
「いや。クロウの眼はまだ死んでないよ」

 龍亞くんの言う通り、クロウくんの眼はまだ生きてる。まだ生きてるよ。まだ生きてるんだよ。
 遊黒くんは全身から邪悪なオーラを滲ませながら笑う。

「ククク。どうやら勝負あったようだな。お前には伏せカードも無い。ブラックフェザーはライオウ1体になすすべなく粉砕されるのだ」
「そいつはどうかな。俺の最後の手札、この1枚は必殺の切り札だぜ!」
「戯れ言を。貴様のブラックフェザー、1体残らず! 焼き鳥にしてやるぜぇぇっ!!」

 最大最強の雷がライオウに注がれ、その力が高まっていく。ブラックフェザーたちの頭上に暗雲が立ちこめる。そして、その時は訪れる。

「これで終わりだ。ライオウの攻撃!」
「くっ!」

 天が裂け、暗雲の向こうから放たれる。

「ワールドエンド・ボルテックス!!」

 世界の終焉を告げる究極の雷。スタジアムに降り注ぎ、コースを揺らす。爆発音がけたたましく響いている。フィールドで容赦なく行われる破壊の渦の中心で、クロウくんのDホイールはまだ走っていた。しかしその眼前、最大の雷が彼に迫り。

「ぐ、うぉぉぉぉっ!!」

 クロウくんの絶叫と共に煙がモクモクと立ちこめる。煙の中から遊黒くんは勢いよく飛び出すが、クロウくんの姿はない。

「……クロウが……負けた……?」

 セキュリティの彼がそう呟く。しかし龍亞くんの顔を見れば、はははヤッホー、その眼は天を見据えていた。

「上だ!」
「なに!?」

 ボクたちの目線は下の方にばかり向いていた。忘れていたのだ。翼とは、天を舞うためにあるものだということを。

「ハハハハハ! クロウ様はここだぜー!」
「ジャンプで雷を回避していたか。だが、俺の攻撃を防げていない!」
「残念だが、俺のトラップが発動してるぜ」
「バカな。貴様の場にリバースカードは無いはず!」
「あぁ。だがこいつもまた、場にブラックフェザーが3体いれば手札から発動できる!」
「なに!?」
「『ブラック・ソニック』だ!!」

 華麗な着陸。その瞬間、疾風が吹き荒れる。それは雷を吹き飛ばし、暗雲を消し去り、悪夢を払う黒い疾風。

「な、なにが起こっている!?」
「ブラック・ソニックはブラックフェザーが攻撃された時、相手の攻撃表示モンスターを全て除外する!」
「なんだと!?」

 疾風が、遊黒くんへ吹きすさぶ。彼も良いテクニックを身につけてはいるがクロウくんには及ばない。踏ん張りきれず。

「ぐ、うぉぉぉぉ!!」

 スピンし、壁に激突する。

「お、親分……おやぶーん!」
「やったぁ! クロウの勝ちだ!」
「いや、まだだ!」

 龍亞くんの言葉の通り。高笑いが響き、虹色の閃光がクロウくんを追い走り出す。かなりのダメージがあったはずなのに、その勢いは全く衰えていない。その姿、まさに悪夢と呼ぶのに相応しい。

「月鏡の効果発動。500ライフを払い、このカードを山札の下へ送る」
「へ、なかなかのライディングテクじゃねぇか。誰から教わったんだ?」
「少し、お前を侮っていたようだ。いいだろう。ここからは悪夢フルコースだ」
「あぁん?」
「『ユニオン格納庫』発動」

 あれはフィールド魔法カード。新ルールでは各プレイヤーは1枚までずつ、自身のスピードワールドに重ねてフィールド魔法を発動することが可能。その場合そのフィールド魔法の効果とスピードワールドの効果は両方発揮される。
 それは名の通りの格納庫。遊黒くんの後ろに出現し、怪しく振動する。クロウくんも感じているはずだ、禍々しき悪夢の気配を。

「格納庫の効果で山札から『A−アサルト・コア』を手札に加え、そのまま召喚。さらに格納庫の効果で山札より『B−バスター・ドレイク』をアサルトに装備。これでターン終了」
「ユニオンモンスター。そして場にはAとB、まさか!?」
「勘が良いな。そう、Cが来た瞬間こいつらは合体する。その時こそ、貴様の命運が真に尽きる時だ」
「……面白ぇじゃねぇか! 俺のターン!」

 格納庫の扉の隙間。そこから霧が漏れ出し、新たなモンスターの眼光がクロウくんに突き刺さる。恐ろしい何者かの誕生、その前振りかのように、格納庫はガタガタと揺れる。しかしクロウくんの顔に恐怖は無い。闇を振り払うように、カードをきる。互いのスピードカウンターはこれで5。

「強欲なカケラを墓地に送り2枚ドロー。さらに『Sp−エンジェル・バトン』で、2枚ドローして手札1枚を墓地に送る」

 これで準備は整ったと、クロウくんの顔は言っていた。会場中に緊張がはしる。デュエルを知っている者ならば感じるだろう、大いなる力の高鳴りを。

「俺はレベル3のゲイルをレベル5のシロッコにチューニング!」
「来るか……!」
「黒き疾風よ! 秘めたる想いをその翼に現出せよ!」

 そして、満を辞し。

シンクロ召喚! 舞い上がれ、『ブラックフェザー・ドラゴン』!!」

 現れるシグナーのドラゴン。思わず魅了される観客。当の遊黒くんとクロウは、どこまでも不敵に笑っていた。

「ブラックフェザーの絆の力、見せてやるぜ遊黒!」
「夜が来る。お前に」

 ここでボクは重大なことに気づいた。遊黒とクロウ、このふたり、なんと! ど、どっちも名前にクロが付いてるー! 聖天斬は、そんなことを思ったのであったー。

 

 

<後書き>

お読みいただきありがとうございました。
原作キャラを扱うということで結構悩みました、特に龍亞の会話は想像の何倍も難しかったです。
本作の5D’s編ではデュエル構成の都合もあってオリジナルのスピードワールドを使います。効果は以下の通りです。

スピードワールド・リミテッド』
<フィールド魔法>
①このカードはあらゆる効果を受けず場から離れない。
②お互いのプレイヤーはお互いのスタンバイフェイズに時に1度、自分用スピードカウンターをこのカードの上に1つ置く(最大12個まで)。
③プレイヤーが1000以上のダメージを受けた時、そのプレイヤーは受けたダメージ1000につき1つ、自分の『スピードワールド・リミテッド』に乗っているスピードカウンターを1つ取り除く。
④先頭のプレイヤーから見て周回遅れになる度、このカードからスピードカウンターを1つ取り除く。取り除けない場合、自分はデュエルに敗北する。
⑤自分用スピードカウンターを取り除くことで、以下の効果を発動する。この効果はメインフェイズにのみ発動できる。⑤の効果はターンに1度しか発動できない。
4個:相手プレイヤーに800ポイントのダメージを与える。
7個:カードを1枚ドローする。
10個:フィールド上のカード1枚を破壊する。

という感じです。バーン効果にスピードスペルが必要なくなった代わりにターン制限がついて火力が固定されました。また、スピードスペル以外の魔法も普通に使えます。スピードカウンターはアニメだと先攻1ターン目は増えないんですが、本作では増えます。デュエル構成の都合ry。

これまでと違って本家のキャラを扱うということで、想像よりも書くのが大変でした。遊戯王小説書いてる皆さんの凄さを改めて実感しました。
亀更新っぽいですが、今後もよろしくお願いします。

 

<次回はこちら!>

 <前回まではこちら!>