熱血バカガキの遊び日記

漫画アニメ特撮カードゲーム大好きな男の趣味ブログ。

ヴァンガード 第6話 「宣戦布告!!ショップ対抗戦」感想!

 

どうもヴァーチャルです。タイトルの通りヴァンガードの新アニメの感想記事です。

 

本作(呼称がいまだに分からん)の感想記事を書くの自体が初めてなのでいろいろあれですが、そこは勢いで! あ、ちなみに筆者はヴァンガード初期勢なので旧作の思い出話みたいなのが多いと思います。今なら思い出話しまくる大人の気持ちが分かる。

では、前置きもほどほどに内容へ。

 

・激闘!アジアサーキット!!

今回はアジアサーキットの一場面からスタート。アジアサーキットと聞くと、旧アニメの2期で繰り広げられた熱いファイトが胸に蘇りますね!キョウさんが櫂くんと雪山で闘ったあれとか、キョウさんがレオン相手にマスタービートルで謎の善戦をしたとことか。まぁどのファイトもアジアサーキット本戦にはあんまり関係ないんですけど(笑)

 

レオン「勝利の風よ、吹け!!」

 

アクアフォースの切り札級ドラゴン「ネイブルゲイザードラゴン」がグランブルーの「パスカーク」をなんかこうあれして、ファイトが決着!てかレオンの声めっちゃ高い。

パスカークさんと言えば旧作でのド派手なメガブラストが印象深いユニット。ファイト序盤からソウルを積極的にためるゴウキのプレイに三和くんが反応するシーンなんかは好きでした。新しいパスカークさんもド派手な効果だったら良いなぁ。

 

まぁそんなわけで、表彰式へ。優勝はレオン!

 

 

 

って、アジアサーキット終わったぁぁぁぁぁっっ!!!?

 

  • アジアサーキット・完!!

まぁ冷静に考えてパック名で分かれよという話ですが。もう覇者って言っちゃってるわけだし。

き、きっとレン様まわりの話が終わったらまた改めてやってくれる……そう信じましょう(そして迫り来るヴァンガード甲子園の影)

 

・今回の流浪のロボ使い

本作のカムイくんはゴウキ行きつけの店に通ってたけれど修行のために他店を巡るようになり、そして運命の出会い(意味深)をした、というわけらしいですね。

漫画だとたしか行きつけの店がフーファイターに荒らされて、そいつらに勝てないから修行のためにショップ巡りしてるって設定だったと思います。そこからキョウさんが出てくるっていう話ですが、この流れは変わるのか、それともゴウキの店に通う前に言ってた店が原作通りのことになってるのか……。うーん、どっちなんでしょうね。

個人的には原作漫画の流れが好きなのであの通りにやってほしいかなぁ。

 

また、元々使ってたのがノヴァじゃないということも明かされましたね。これは新設定。ノヴァを使いはじめたのが最近ってことなので、これは伸びしろがあるってことなんですかね。

 

  • チラ見せ!懐かしの海賊団!!

ゴウキがデッキを広げていたのでグランのカードの絵柄が大体見れましたね。懐かしいメンツが多い印象です。G2、G1、G0に一種類ずつくらい見ない顔があったくらい。それも実際は既存のヤツかもしれませんが。

グランはのギフトはプロテクトってことらしいです。アクセルだとなんかチートになりそう、フォースだとなんかイメージと違う、っていうことでプロテクトなのかな?

プロテクトっぽいイメージもあんまり無いのですが、スタンダードは既存とクランコンセプトが違う可能性もあるので、まだ全然見当もつかないところですね。ダクイレなんかもプロテクトっぽいイメージないし。ていうかプロテクトっぽいイメージってなんやねん。

 

アニメなので単なる作画のあれという可能性もありますが、レオン戦の盤面でグランのカードがバインドゾーンと思われるところに置かれてましたね。バインドを活用するとしたら本当に既存と違うコンセプトになりそうです。

 

  • 風が……吹いた!!!

なんか謎に高性能な扇風機がもらえるという謎のキャンペーンを行うという、公式の謎過ぎるレオンへの謎の愛に震えている一週間を過ごしていました。そんな気がする。

そんな感じでみんな大好き(だと俺は信じている!)なレオンの登場!テンション上がりまくりで文章力絶滅!!

レオンは本作の中でもかなりの設定変更がされているキャラになってましたが、今のところは3期以降のレオンと同じような印象を受け、安心しました。筆者は2期の感じ悪い(?)感じのレオンでレオンファンになったのであの感じも出してもらえたら嬉しいところですが。

年齢が変わったのは普通に謎ですね。見た目や年齢はキャラの言動とかへの印象をけっこう大きく変えますし、今後の展開を見越してのあれなんでしょうか。

 

以下、今回の風言語。

 

「妙な風が吹いているようだな」

訳:強いファイターっぽい人がいた時とかに使う。聞き手からすれば意味分からんので、逆に言えばどんな状況で言っても間違いがない、脅威の汎用性の高さを誇る。

 

「風のささやきが聞こえた」

訳:普通に立ち聞きしてただけじゃねーのといってはいけない。たぶん聞き捨てならないこととか面白そうなことを風にささやいてもらった時に使う。

 

「風を感じたことは?」

訳:どうでもいいですがこの時のレオンの言い方が爽やかすぎてなんか笑った。

初対面のファイターにはとりあえず言っておく言葉のようなので重要度高めのワードと思われる。今回だけでも連打されている。これを否定してしまうと一気にレオンの関心がなくなってしまう恐れがあるので、そういう意味でも最重要である。

かといって皇帝、もとい肯定すると主要クランをアクアフォース復活の生け贄にされる危険もあるので、考え無しに肯定するのも危険である。この世界にその設定ないと思うけど。

いずれにせよ初見で風言語を理解するのは困難なので、今回のアイチのように否定も皇帝もせず様子を見ておくのが模範解答である。さすがアイチ、中二、もとい変なやつの扱いが上手いぜ!

 

「風が出てきたな……」

訳:発言者は櫂くんなんですが、これも立派な風言語と認定された(当社調べ)ので紹介。つか電車移動を要するあの距離で風が届くとかどうなってんねん。まぁこのアニメでの風は物理的なあれじゃないんでしょうけど。なんというかこう、感じろ的な。

強いファイターがファイトを始める時に使う。とはいえ今回の三和くんよろしく聞き手は意味分からんので逆に言えばいつでもry。うららうさぎばりの汎用性の高さ。

 

スタンドアップ・マイ・ヴァンガード!!」

訳:かっけー。

 

「風よ唄え!」

訳:リアをコールする時。たぶんだけどバトルセイレーン系を出す時に言うのが相応しいセリフっぽい。ドロテアちゃんめっちゃ可愛かった。

 

「止めさせてもらう!」

訳:止めさせてもらう時に。

 

流浪の民

訳:レオン必殺のキラーワード。所在が定まってない人に使うという普通の使い方でももちろん良いが、自分と重なる部分がある相手に使うという使い方も可能。聞くだけで「風の強い日」とかいう面白回を思い出してしまう卑怯ワード。このアニメだとその設定ry。

独特なワードチョイスだが、風言語の中では聞き手に意味が伝わりやすい部類にあたる。使用の際は変なヤツと思われないよう気をつけよう。

 

「良い風が吹いてきたようだ」

訳:良い風が吹いてきた時に使う。ファイナルターン宣言のように聞こえなくもないがそれは聞き手によるので、「ファイナルターン宣言したのに決めれないとかw」などと言われる心配はない。ファイナルターンと言っていいのかちょっと不安な状況ではこちらを採用するべきだろう。ていうか本作ってファイナルターン宣言あるのかな。原作には無い気がしますが。

 

 

  •  ファイト

 

今回はアクセル同士の勝負ということで、かなりスピーディーな展開。

終始カムイくん優勢な印象でしたが、最後はレオンが大逆転。貯まったCBコストを攻撃力に変えれるのはシンプルに強力ですね。

 

今回のファイトは、2対5からの逆転という流れ自体は好みでした。レオンはカムイくんに興味ない感じで行くと思いきや、ファイトは普通にニコニコしながら楽しそうにやってたのも良い感じ。不満だったのはアクフォの効果の詳細が説明されないところですかね。ヴァンガードは新カードの情報の開示が遅いので、アニメの描写で見せてくれるとありがたいのですが……。ちなみに今筆者はスパイクやメガコロの効果が分からなくて予約迷ってる勢。

 

とりあえず分かったのはアルゴスのスキルですね。こちらも詳細は不明ですが、自身がVの時はCB1とSB1で他のリアをスタンド。自身がリアの時はCBで自身をスタンドさせていました。構築済みデッキのパッケージだけあって強力です。

ドロテアはCB2でリアに7000パンプ。

最後、ダメージ4のカムイくんにネイブルゲイザーのアタックが通ったところでファイトが終わってるので、ネイブルゲイザーにはクリティカルが増えるスキルがあるかも?単にクリティカルトリガーをめくっただけとも考えられますが。

 

  • そして

ツンデレへとキャラ変し、カムイくんに突っかかるようになったナギサちゃん。これはこれで新しくて良いかな。それにこういうキャラがいた方が話の進みがスピーディーになりますしね。

対してエミちゃんは天使(真顔)って感じで、このアニメのまさに癒し。さすがアイチの妹。旧作だとカムイくんに対してそっけない?感じの態度でそれが一種のギャグになってましたが、本作ではその要素はあまり見られませんね。

負けた直後にエミちゃんに励ましてもらえるけど、その嬉しさよりも負けた悔しさの方が強い……みたいな描写があって、あれはかなり好きでした。本作のカムイくんは恋愛面とファイト面のバランスが良いように感じて、良い印象です。原作通りなら、このあとも店を取り戻すために闘うというカッコいいシチュエーションまであるし!勝敗は……まぁ……うん。ていうか原作でカムイくんって勝ったことあったけ……。

 

まぁなんやかんやで4対4のショップ対抗戦が開かれるというわけに。なるほど、ここでQ4が結成されるわけだ。「結成チームQ4とかwww原作では結成してなくねwww」とか思ってましたが、こう繋がるわけかー。

とはいえ、さすがに今回はQ4負けちゃいそうかなー。「櫂 敗れる」とかいう面白タイトルの櫂があるし。まぁ「城之内 死す」みたいに実際は死なないみたいなパターンもあるかもですが。

 

  •  終わり 

次回は三和くんvs皇帝!結果はお察し?いや、信じろ!三和くんの勝利を!

あ、予告のチームいいかもが良いかもと思いました。ていうか普通に彼らのファイトを見たいです。スパイクの……新規をぉ〜(しつこい)

 

では、今回はこの辺で。ありがとうございました。

 

 


 

生存報告

どうもお久しぶりです。ヴァーチャルです。生きてました。

 

最近はヴァンガードをけっこうやってました。Gの最後の方はあんまり触ってなかったのですが、新シリーズ開始とスタンダード導入によりまた始めてみました。めっちゃ面白いです。

かげろう・ロイパラ・オラクルを組みました。スパイク・メガコロ・アクフォも組む予定なので、その辺についての記事とかも書いてみたいですね。

 

継続できるかはあれですが、とりあえずまたいろいろ記事を書いてみようと思います。よろしくです。

 

 

遊戯王Link AXEL "Gold" 第5話 遊旗死す

 前回までのあらすじ。

「……凌牙」
「璃緒……」

 兄と妹が見つめ合う。その距離は日常会話ではありえないくらいに近い。互いの吐息を感じられるくらい、近く、近かった。だから、凌牙が璃緒に当たっても仕方がなかった。

「……!」

 妹は少し驚いたように目を見開く。しかしすぐに嬉しそうに目を細め、頬を染め、欲張りな兄に触れる。

「お、おい璃緒……あ、あぁっ!?」
「こんなにピクピクして……凌牙ぁ」

 璃緒の手が動く。愛情の高鳴りが、ふたりの体の触れ合う箇所で起こる。妹の細い指が兄を弄び、兄の熱が妹を焦がす。それは、愛の交わりだった。

「凌牙……私でこんなになって……」
「……し、しょうがねぇだろ……俺は……お前のことが……その……」

 ふたりは一糸まとわぬ姿だった。そして、そのまま抱き合う。となれば、互いの大切な場所が重なり合うのは必定と言えた。兄妹の小さな喘ぎ声が響いた後、大きな音と共に、妹が兄をベッドに押し倒した。そして、兄の上に座る。

「あっ……あぁっ……!」
「璃緒……あ……これが……璃緒の……なっ……か……」
「……はっ……あぁ……凌牙……こんなに……あつい……!」
「り、璃緒が……あったかい……から……っ……!」
「凌牙……ぁっ……お、おにいちゃんっ!!」
「……う……うあぁっ!!」
「あ……あんっ……あ……好き……あぁぁぁっ!!!」

 これは、禁断の愛に目覚めてしまった兄妹のものがた

「全然違うわ! 俺はサファイアドラゴンをリリースし、『紅蓮魔闘士』をアドバンス召喚!」
「えー」

 正直愛の物語の方が見たかったと思っているアリスをよそに、紅蓮の魔闘士が現れる。攻撃力は2400。紅蓮魔闘士はターンに1度、墓地の通常モンスターを特殊召喚できる。その効果により、サファイアドラゴンが攻撃表示で復活し、そして、魔闘士の巨大な剣が海竜兵へ迫る。

「単調な攻撃だな。ため息が出るぞ。俺に通じる道理はない! トラップカード、『砂塵のバリア ─ダスト・フォース─』!!」
「なに!?」

 その名の通りの砂塵のバリアが、遊旗のモンスターたちの視界を奪い、その動きを封じる。ダストフォースは攻撃モンスターを裏守備にし、裏守備にしたモンスターの表示形式の変更を封じる。遊旗の場の3体はこれで身動きがとれない。

「ターンエンドだ。だが、まだ俺には使えるモンスターゾーンが2カ所あるぜ!」
「ならば、俺のターン、魔法カード『地盤沈下』! 貴様のモンスターゾーンを2カ所、使用不可にする!!」
「なにっ!?」
「これは上手い! モンスターゾーンは全部で5カ所だけど、モンスター3体を裏守備にされて、今2カ所が使えなくなったから、これで遊旗のモンスターゾーンは全部埋まった。つまりもう新しいモンスターは出せない。遊旗の攻撃は封じられた」
「アリスがマジで可愛いということは、これを狙ってダストフォースを!?」
「当然だ。貴様の攻撃は強力ではあるが直線的に過ぎる。だからこんな策にハマるのさ」

 新海は得意げで、遊旗は悔しそうだった。しかし遊旗はこのロックを打ち破る術を既に見出していた。それは、地盤沈下の除去か、裏守備で固定されてるモンスターをなんらかの方法で場から退けることである。そしてそのための手段が彼のデッキにはあった。

「それはアドバンス召喚。モンスターをどかしつつ上級モンスターを出せる。でも……」
「上級モンスターは強力ではあるが、リリースが必要という点から、デッキに多く入れるにはリスクが伴う。さて、紅蓮魔闘士を使った今、お前の手札にさらなる上級モンスターはあるかな?」
「……ちっ、俺に上級を使わせるために守備力の高いモンスターを壁にしたのか……!」

 そんなものは無い!と遊旗の顔には書いてあった。もうちょっとごまかそうぜとアリスは思った。新海も思った。新海の場に奇妙な機械の人形が出現する。

「『クラスター・ペンデュラム』を召喚。こいつは召喚したとき、相手モンスターの数だけトークンを特殊召喚できる。3体のペンデュラムトークンを特殊召喚。カードを1枚伏せてターンエンド」
「……今度は遊旗のモンスターの数によって効果がパワーアップするカード。これは……」
「……まさか……!?」
「どうした?クラスターペンデュラムの攻撃力は100。次のターン、ゴールデンレジェンドを出して攻撃すれば貴様の勝ちだぞ。ククッ、フハハハハハ!!」

 この自信、伏せカードが罠であることは明白であった。しかし遊旗の心を揺さぶったのは罠ではなく、ここまでの流れ全体であった。遊旗の顔に冷や汗が流れる。
──俺の手が、全て読まれている……!?──
 ここまでの流れはあまりにも完璧だった。遊旗の行動全てが、新海にとって有利に働いてしまっているという事実。新海の目を見やれば。

「……ククク」

 その目に映っていたのは自身と余裕だった。新海は、ここまでの流れ全てを読んでいる。自分はここまでいいようにされているだけだった。遊ばれていると言っても過言ではない。そう、遊旗は理解した。しかし。

「ここで、諦めるかよ! ドローっ!!」
「来るか……」
「……ターンエンドだ」
「はっ!」

 新海は苦笑する。俺を失望させるなよとその顔は言っていた。

「貴様……俺を失望させるなよ?」
「実質2回言った!」
「何度でも言ってやる。俺は俺を失望させるやつが嫌いだ。せいぜい俺に嫌いになられるなよぉ!!」

 日本語いかれてるだろと思いながらも、遊旗は現状のマズさはしっかりと理解していた。新海の場にはトークン含め5体のモンスターがいる。そしてそれら全てはアドバンス召喚のリリースには使えないとかそういった制限もないので。

「『冥界の宝札』。モンスター2体以上をリリースしたアドバンス召喚を行ったとき、俺はカードを2枚引ける」
「これは……」
トークン2体とクラスターペンデュラムをリリースし、『神獣王バルバロス』召喚っ!!」

 荘厳な獣が現れる。その手の槍には尋常ではないパワーが宿り、大気が震える。大いなる力の来訪を、その場にいた誰もが予感していた。

「な、なにが来る!?」
「バルバロス特殊能力。このカードは3体リリースで召喚することが可能であり、そうした場合、相手の場のカード全てを破壊する」
「なっ!?」
「消え去れ!!」

 それは嵐だった。遊旗の全てをただただ喰らい、足早に立ち去って行く嵐。その晴れ間に獣の足音が響き、その槍が伸びる。

「これで貴様の場はがら空きになった。さらに冥界の宝札の効果でドロー。そして、行くぞ、バルバロスのダイレクトアタックっ!!」
「くっ!!」

 駆ける獣。否、それは獣にあらず。神の獣の王であった。威風堂々たる王者の一撃は。

「トルネード・スパイラルッ!!!」

 獲物を決して逃すことはない。遊旗の胸に突き刺さった槍は、彼のライフを大きく削る……と、思われたが。

「手札から、『速攻のかかし』の効果を発動していた」
「攻撃を防ぐカードか。ターンエンド」

 新海は感情を露にせずに遊旗を見下ろす。失望しているのか、遊旗の出方をうかがっているのか。いずれにしても、新海の絶対的優位に変わりはない。それは観衆の反応からも明らかであった。バルバロスの攻撃力は3000。それを単体で超えられるモンスターなど一般には知られていないし、さっき新海が使った『団結の力』のような攻撃力アップのカードを使おうにも、そもそもこの団結の力だって簡単に手に入りはしない。
 ならば、遊旗が新海に勝つ手段などないのではないかと誰もが思った。しかし、遊旗アリス新海の脳裏には、単体性能のみでバルバロスを倒しうるモンスターの存在が浮かんでいた。

「……俺のターン、モンスターを守備表示。カードを2枚伏せ、ターンエンド」
「2枚、だと?」

 新海はここではじめて顔をしかめた。遊旗が今のターンでドローしたのは1枚。その1枚を引いてすぐ伏せるのはまぁ分かるのだが、彼はカードを2枚伏せた。つまりその2枚の中の最低1枚以上は前のターンから手札にあったカードということになる。ここから導きだされる答えは3つある。
 1つ、今ドローしたカードによって新たにコンボが成立した場合。1枚では意味のなかったカードが今引いたカードによって意味を持ったというパターンだ。
 2つ、バルバロスのような魔法罠破壊カードを警戒し、キーカードを手札に温存していたというパターン。新海にとってみればこれが最も面倒かつ腹立たしいパターンだ。自分の戦術が見透かされていたということになるのだから。
 3つ、上の2つのパターンに見せかけるためのブラフ、つまり伏せても意味のないカードをとりあえず伏せたというパターン。これならば警戒の必要など無いが、果たして遊旗はそんなハッタリをかけてくる性格なのか。新海は思考を巡らせてみるが。

「ダメだ、よく考えたら貴様のことなんざ何も知らねぇ!!」
「へへっ、さぁどうする?」
「ちっ、ならば攻めて貴様の手の内を晒すまで! トークンと海竜騎兵をリリースし、『フレイム・オーガ』を召喚!!」

 さっきまでの考察は何だったのかと思わざるをえない脳筋思考によって、全裸の炎の鬼が現れる。どれくらい裸かというと、それはもう全裸である。全裸といえば、裸で見つめ合う兄と妹というのはなかなかオツなものである。具体的に言うと。

「もういいわ!フレイムオーガを召喚した時、俺はカードを1枚ドローする。さらに冥界の宝札の効果でドロー。そして、 バルバロスで守備モンスターを攻撃! 消え失せろぉっ!!」
「消えるのは、そっちだ! 『マジックアーム・シールド』っ!!」
「なんだとぉっ!?」
「あれは、相手のモンスターを奪い、攻撃を奪ったモンスターに引き寄せるカード! ということは!」
「その攻撃はフレイムオーガは受けるぜ。同士討ちだ!!」

 上級モンスター同士のぶつかりあいは、凄まじい衝撃だった。新海は怒りに燃えていた。自らの最強クラスのモンスターがいいように使われ、同士討ちにされたのだ。このバトルはフレイムオーガが遊旗の場に移ってから行われたものなのでライフが減るのは遊旗の方であったが、それでも、デュエルの流れを変えるには十分。

「だが、俺にはまだ攻撃力3000のバルバロスがいる」

 その流れに抗い、自らの優位を消して崩さない、それが王者の闘い方。一瞬揺らごうとも、その堂々たるあり方が崩れることはない。

「攻撃力だけじゃデュエルには勝てない。カードの絆で突き崩す!」

 自らの流れをつかみ取るべく、あがいてあがいてあがき抜く。それが挑戦者の闘い方。どんなに兄妹な、もとい、強大な壁が立ちはだかっても、そのあり方が崩れることはない。

「ならば突き崩してみろ。カードを1枚伏せ、ターンエンド」
「あぁ! 行くぜ、『創造の代行者 ヴィーナス』を召喚!そして特殊能力を発動!」

 ヴィーナスはライフ500を払うことで手札またはデッキから『神聖なる球体』を特殊召喚できる。遊旗は1000ライフ払って球体を2体出す。地盤沈下があるのでこれ以上は出せないが。

「『馬の骨の対価』。俺の効果モンスター以外のモンスター1体を墓地に送って2枚ドローする。そしてこれでモンスターゾーンが空いたから、球体をもう1体出す!」
「ふん、俺のバルバロスを倒せるカードは引けたか?」
「いや。だからもう1枚使うぜ、馬の骨の対価! 球体を墓地に送って2枚ドロー」

 遊旗の手札が3枚になる。そしてその中から放たれる新たな一手によって、残る最後の球体が弾丸となり、バルバロスへ向かう。

「喰らえ、『ミニマム・ガッツ』っ!!」
「っ!?」

 弾丸がバルバロスの胸を突き破り、その力の全てを奪う。それは、必殺の一撃。アリスは息を呑む。

「あれはモンスター1体と引き換えに相手モンスターの攻撃力を0にするカード……あんなレアカードを遊旗が!?」
「へへっ、これはもらったのさ。ヴィーナスのカードと一緒にな。そう、あれは月が綺麗な日だった。あの日、俺の決闘者人生は始まったんだ」
「それはさておき、ミニマムガッツにはさらなる効果があったな。このターン、バルバロスが破壊されたらその元々の攻撃力分のダメージを俺は受ける。つまり」
「ヴィーナスの攻撃力は1600。この攻撃が通れば、1600の戦闘ダメージと3000の効果ダメージで、俺の勝ちだっ!! 行け、シャイニングヴィクトリー!!」

 ヴィーナスが走る。行けヴィーナス! 勝利の未来へレッツゴー!

「『威嚇する咆哮』!!」

 獣の咆哮が、ヴィーナスを恐怖させ、その足を止める。よく考えれば、攻撃力100のクラスターペンデュラムを攻撃表示で晒していた以上トラップが無いわけがなかったので、この結果は当然とも言えた。遊旗も、攻撃を止められたことへのショックはさほど受けていない。むしろ、ショックを受けていたのは新海だった。

「……威嚇する咆哮が無かったら俺の負けだった、か」
「そうだな。でもお前は引いていた。さすがだぜ」
「ふ、ふふっ、フハハハハハハ! 許さんぞ貴様ぁっ!!」
「えぇー!? と言いつつ、カードを伏せてターンエンド」

 しかし、バルバロスが健在であることは事実。新海の優位に変わりはなかった。しかし、デュエルの流れは遊旗に傾きつつある。それに抗うように、地に濡れていると言いながらも綺麗な斧を持った獣人が現れる。

「『ブラッド・ヴォルス』召喚! こいつは攻撃力1900。こいつで守備モンスターを片付け、バルバロスのダイレクトでジエンドだ。行けぇっ!!」
「トラップカード、『ゴブリンのやりくり上手』! 墓地のやりくり上手の枚数+1枚ドローし、その後手札1枚をデッキに戻す」
「そんなカードで俺の攻撃は止まらん!」
「あぁ。そこで、やりくり上手にチェーンしてさらなるトラップ、『強制終了』を発動っ!! こいつは自分の場の他のカード1枚を墓地に送ることで、バトルフェイズを終わらせる。やりくり上手を墓地に送り、バトルを終了だ!!」
「ちっ」
「その後、やりくり上手の効果を処理する。2枚引いて手札から1枚をデッキに戻す」
「これは上手い! やりくり上手のドロー効果は墓地のやりくり上手の枚数によってパワーアップする。だから遊旗はやりくり上手の効果が適用されるより前に強制終了のコストとしてやりくり上手を墓地に送っておくことで、ドローする枚数を増やした。チェーンのルールを活かした良いコンボね」
「可愛いぜアリス! そして!」

 新海のターンが終わると同時に、遊旗の元に黄金の光が注ぐ。ヴィーナスと守備モンスター、上級モンスター召喚用のリリースが揃った今、現れるモンスターはやはりあのモンスター。天地鳴動し、光のカーテンが下りる。その中では、あまりに巨大すぎる影が蠢いていた。

「伝説を超え生まれる、新たな伝説! 黄金の光と共に生まれたて、俺の切り札っ!」

 影が、カーテンを破り、咆哮する。それは猛々しく、そして美しい、黄金の龍。

「『ゴールデン・レジェンド・ドラゴン』っ!!」

 筋骨隆々、威風堂々。その名の通り、黄金の武装をまとったその龍は、まさに最強と呼ぶに相応しいパワーを持っていた。その攻撃力は4000。

「やっとのお出ましか……伝説の黄金の龍!」
「散々やられたお返しだ、ド派手に行くぜ! バルバロスへ攻撃っ!」

 黄金の巨体が舞う。質量感に反して、その動きは速く鋭い。翻弄される神獣王を、黄金のアギトが貫く。

「ゴールデン・ディスティニー・ジャッジメントっ!!」

 そして放たれる、究極にして終局の一撃。黄金の光が、フィールドを眩き包み、相対する全てを破壊して行く。

「ぐぉぉぉぉっ!!」

 新海を激しいダメージが襲う。無論、これはソリッドビジョンなので実際の痛みはない。しかし、ゴールデンレジェンドのクリスタルの力は、他のカードとは明らかに違った。これまで感じたことがないほどの圧迫感、高揚感、そして、自らのカードに生まれた新たな鼓動。

「喜んでいる……揺れている……俺のカード、俺のペンデュラムが! クククっ、ハハハハハハ!!」
「っ!?」

 戦慄を、遊旗は得た。そして見た。新海の元で揺れ動きはじめる、巨大な振り子。その狭間に生まれる異空間。そこは。

「これより、リバースデュエルを開始する」

 死が、覆る場所。

 

 

[前話はこちら!]

  

クジラリチュアでデュエルキングになったのでデッキ紹介[デュエルリンクス]

どうも、ヴァーチャルです(https://twitter.com/zanzan04

 

今回は、タイトルの通りデュエルリンクスでクジラを使ってデュエルキングになったのでデッキ紹介です。

二世を積んだデッキなんか組めない!という方向けのリチュア型です。

 

まずはデッキレシピを画像で

https://pbs.twimg.com/media/DWwuB0vVQAASL4u.jpg

 

一応文字でもレシピを書いていきます。

 

アビスソルジャー2

クリボール2

城塞クジラ3

リチュアエリアル

リチュアアバンス3

リチュアビースト3

底なし落とし穴2

深海奇襲2

 

合計20枚

です。キングになった時点でのレシピがこれですが、何枚か入れ替え候補はあるので下の方で詳しく書いてきます。クリボール底なしアビスも入れ替え候補ではあるので、ライト勢向けの構築とかも挙げてみようかなとは思います。

 

  • デッキの動き

動きはかなりシンプルで、エリアルかアバンスでビーストを手札に持ってきて、ビーストの効果でリリースを揃えてクジラを出す、これだけです。クジラと深海奇襲に特化したデッキです。

 

・このデッキの強みと弱み

深海奇襲のテキストがただただ強いです。これとクジラが揃えば殴り負けることはありません。また、深海奇襲の除外効果のおかげで分断や肥大化からモンスターを逃がすこともでき、対抗力が高いです。ビートダウン全般とバーン系のデッキに強いです。

汎用の魔法罠のほとんどに対応できるので、伏せを恐れずに攻撃できるのも良いです。ただ猪突猛進にはやられてしまうので想定しておく必要はあります。

リチュアの効果が非常に優秀で、一度回りだせばクジラを何度も出せるので、継戦力も高いです。私はサルベージを持ってないから入れてませんが、入れればもっとすごそうです。

 

弱みとしては、動き出しが早くても2ターン目以降なので、機械天使や恐竜といった速攻デッキに弱いです。罠も積んでないので、初手儀式であったりハイドロゲドンワンキルされると厳しいです。

また、シンプルにクジラが来ない事故も厳しいです。その時はエリアルエリアルサーチして必死に圧縮したりアビスソルジャービートしたりでごまかしましょう。

クリボールと底なしは必須ではないと思いますが、これらの弱点をカバーできるので入れてます。

 

 

  • ランク戦

ランク戦をやってみると、多かったのは「エーリアン」「アンティーク」「ロックバーン」「剣闘」「アロマ」でした。特にアンティークとエーリアンが多かったです。

今は新パックが出たばかりなので、みんな新しいのを使ってるのかなと思いました。

クジラは上で挙げたデッキ群に強く、その中でもアンティークとエーリアンに特に強かったので使用しました。

 

クジラは相手のステータスに関係なく相手モンスターを破壊できるので、ステータスの高さが売りのアンティークには相性が良いです。

 

エーリアンはAカウンターで闘うテーマですが、クジラは対象をとる効果を無効にできるのでAカウンターを置かせない闘いができ、相手が頑張ってカウンターを置いてきても深海奇襲で除外してカウンターを外せます。事故らなければまず勝てるので、環境内のデッキではバーンの次ぐらいに相性が良いのではと思います。

 

ロックバーンは最も相性がいい相手です。汎用罠はクジラには通用せず、深海奇襲の効果を相手のスタンバイ等で使えばラヴァゴを出されることもありません。クジラが苦手とする速攻すらもしてこないので、もはや事故っても勝てるレベルです。

 

剣闘は、剣闘の効果を最初は使わせてしまうことになりますが、割られて困るカードもないので最初のターンは好きにやらせれば良いです。返しでクジラをちゃんと出せれば勝てると思います。滅多にないとは思いますが深海奇襲を用意する前にヘラクレイノスを出されるとほぼ負け確なので、あまりもたもたはしてられないです。

 

アロマもアンティークと同じで、深海奇襲でステータスを無視して相手モンスターを倒せるので相性はいいです。

 

やはりビートダウン全般に強いのはとても心強かったですね。多くのデッキに有利をとれたので、やりやすかったです。

 

  • デッキ構築

デッキ内の各カードの採用理由と代替カードについて書いてきます。

 

・クジラ&深海奇襲

このデッキの切り札。本レシピではクジラをサーチする札がないのでクジラは3確定かなと思います。対して深海奇襲は、このデッキではクジラと一緒じゃないと腐るので、サーチ用の1のみでもいいのかなと思ったりも。ただ1枚だけだとギョッコウ(漢字が出てこなかった)とか打たれるとデッキの機能が死んでしまうので、2ぐらいは欲しいかなということで現在は2です。

 

・リチュアエリアル&リチュアビースト

この型なら必須です。この2枚の動きが生命線ですので。

・リチュアアバンス

この人が困り者で、正直エリアルとかに比べてあまり強くなくて、効果を全く使わなかったり腐るだけな時も結構あります。ただ一応これとクジラが初手に揃えば事故は回避できるし、リチュアの枚数も確保できるので3枚積んでいます。減らしてもいいかなと思っている枠です。

・アビスソルジャー

このデッキのメインの動きには何も関係がないカードですが、とにかくカードパワーがメチャクチャ高いので雑に突っ込んでます。クジラが来ない事故が起きた時にこいつがビートして繋いでくれたこともありました。

とはいえこのデッキのコンセプトには何ら関係ないので抜いても良い枠かなとは思います。

・底なし&クリボー

上でも言いましたが、恐竜や機械天使に瞬殺されないためのカードです。また、事故った時の繋ぎとしても優秀です。これらでサポートしながらアビスソルジャーでビートするのもわりと強いです。

とはいえメインの動きには関係がないからry

クジラを出したあとはほとんど出番が無いカードです。

 

・代替カード

抜いてもいいと思うカードを挙げてきたので、その代わりに入れたら良さげなカードも挙げときます。

アトランティスアトランティスの戦士

本レシピだと海にコズミックサイクロンを撃たれたら終わるので、そのケアとして最初は入れてました。ただランク戦を実際にやってるとコズサイを見かけなかったので抜きました。コズサイをよく見かけるようになったら入れる感じで良いと思います。

・スクリーチ

クジラとリチュアを墓地に送ることで疑似サーチできるという強力なカード。ただ、相手依存なところやビーストと一緒に引けてないと強くないところが気になったので不採用でした。今回は運良くクジラを引けていたのでこのカードを必要と感じませんでしたが、クジラが引けてない事故は本当にシャレにならないので、このカードを入れるのはアリだと思います。

・エネコン

ギョッコウが多すぎてクリボールにしてましたが効果自体はこっちの方が強いので入れ替え候補です。

・サルベージ

ビーストがすごいことになりそうです。ただ初動を助けてくれるカードではないので事故要因になります。

 

  • 終わりに

このデッキは説明は以上です。新しい感じのデッキで楽しかったです。二世軸よりは安く組めると思うのでオススメです。

 

では、今回はこの辺で! ありがとうございました!

 

[過去記事はこちら!]

 

 

 

遊戯王Link AXEL "Gold" 第4話 遊旗vs新海!!

「よぉアリス! おはよぉさん!!」
「おはよ」

 遊旗とアリスは約束をした待ち合わせ場所、相変わらずだね曇り空の地下。

「アリス、服すげー似合ってるな。白くて綺麗で、妖精みたい」
「ばっ……そ、そういうことすぐ言って……!」

 照れるアリスもやはり可愛かった。白いワンピースはシンプルで外さないし、アクセサリーの類いをあまりごちゃごちゃ付けない質素さも、遊旗は好きだった。間違ってもシルバーを巻いたりはしない純朴さが可愛らしかった。いや、シルバーを巻いてる人もそれはそれで遊旗は尊敬しているのだが、今回の話はそれとは別領域の話と言うかなんというか。

「ゆ、遊旗もいつもと違うね。それ、新しいんじゃない?」
「あぁ。今日のために買ったんだけど、どう?」
「ど、どうって……

かっこいいに決まってる。白いシャツは整った顔をさらに際立たせるし、清潔感もバッチリ。ズボンは特に言うことないっていうか、ぶっちゃけ巻いてあるゴールドが超ダサいけど、うん、言うことは特にない。それにしても、やっぱりシャツだと遊旗の細いけどたくましい腕が剥き出しになっててたまらない。あの腕で抱きしめられて愛の言葉なんか囁かれたら……きゃっ! 私、自分を抑えられないかもっ!」
「抑えなくてもいいんじゃない?俺はアリスになら何されたっていいぜ」
「もう、そういうこと言って……って、えぇー!? ここまで全部セリフだったの!?」

 アリスはバカだった。

「抱きしめからの愛の言葉だろ?ばっちりだぜ! よーし」
「ちょっ、ちょっと、ちょっと待って……そんなことされたら……困るっていうか……幸せすぎるっていうか……好きぃ」
「なに言ってんだお前。よし、抱くぞ」
「だ、抱くって、そ、そそそそそんな、そんなことされたら……妊娠するっ!!!」
「マジで!? 」
「んなわけあるか!」
「誰だてめぇ!?」
「俺だ!!」

 それは天新海だった。新海に気づくと遊旗はヘコヘコしだした。

「新海社長、おはようございます! 今日は良い天気で、絶好のデュエル日和ですね!」
「デュエル日和?俺にかかれば年中デュエル日和さ! ワハハハハ!!」
「すげー、さっすが社長、 日本一!! まぁここが日本なのかどうかはさておき!」
「アーッハッハッハァ!!」

 こんな媚を売る遊旗は見たくなかった。そうアリスは思った。媚を売れているかは疑問だが。せっかくなので、新海に挨拶してみることにした。

「新海さん、はじめまして。夢国アリスです。遊旗がお世話になってます」
オベリスクブルー昇格おめでとう」
「え?」
「俺は一応アカデミアの理事長なのでな。その辺の最低限のあれは把握している。まぁそれ以上は知らんし興味もないのだが」

 知らなかった。入学式でも何でも、この人の姿を学園内で見たことは一度もない。
 しかしここで思い出した。この天新海が率いるリバースコーポレーションはこの街の支配者。この街を作った男であり同社の初代社長である天臨海は、この街のあらゆる機関や会社になんらかの接点を持っていた。とは言っても彼はそれらの機関および会社について大きな動きを見せることはなかったし、それは次期社長である新海に引き継がれた後も同様だった。だから新海がアカデミア経営に関わっていたことも。あまり広くは知られていなかったのである。
 当然ながら、新海はセキュリティーや治安維持局とのコネクトも持っていた。いや、それはもはやコネクトといううよりパワーと表現するべきか。新海はセキュリティー内での発言権の取得にいやに熱心だった。その甲斐あって彼はもはや治安維持局長官に匹敵する決定権と権力を持ち合わせていた。遊旗が新海に媚びているのはそのためである。

「君は期待大らしい。この街に生きる者ならデュエルが全てというのは当然のことだが、君のデュエルへのテンションの高さはその中でも群を抜いておりそれが高く評価されているようだ。この評価基準には俺も賛同だ。デュエルにおいて重要なのは将来性と熱意であり今の強さなんざ二の次だからな」
「二の次、ですか?」
「そうだ。デュエルの強さはカードプールの変遷で簡単に変わる。強さなど刹那的な基準ということだ。ならば決闘者の価値とは強さを保ち伸ばしていく、長期的なテンションの高さ、ということになると思わないか?」
「たしかに、その通りだと思います。でも」

 アリスは一瞬うつむき、遊旗を見やる。そして次の瞬間。

「今強くないと、守れないものもあります。決闘者の価値とは、守るべきものを守れる強さがあること。私はそう思います」

 その目には、炎が燃えていた。それは決意。新海はキョトンとするが、すぐに悪役面に戻り、不敵に笑う。

「……ふん。まぁそれはさておき、遊旗ぃ!!」
「へい!」
「デュエルを始める! 気の毒だがデートは終わりだざまーみろ!」
「ならお前を速攻で倒して続きをやるまでだ。とっととおっぱじめようぜ、新海!!」

 遊旗の新海への呼び方の統一されてなさが気になりつつも、アリスはふたりについていく。そして、ふたりは観衆が見守る中、ステージの上にいた。新海のスピーチが始まる。

「レディース、エーンド、ジェントルマン! 決闘者諸君、 今日はお集りいただきありがとう。本日はペンデュラムシステムの落成式を行う。その内容は、俺とこのハゲのデュエルだ!」
「誰がハゲだ!」

 とはいえ、描写が足りていなかったため、遊旗がハゲと思われても仕方がない状態ではあった。なのでここに断言しよう──遊旗はハゲではない──ということを。

「アリス! 貴様には解説と審判をやってもらう」
「な、なんでですか!?」
「デュエル開始の宣言をしろアリスぅ!!」
「は、はいっ! では、デュエルスタートぉー」

 運命に導かれた宿命のデュエル。その幕が開く。

「デュエル!!」

 この闘いの行方はいかに!次回へ続

「かない! 俺の先攻、サファイアドラゴンを召喚! これでターンエンド」
「俺のターン、モンスターを守備表示! カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 ここで、観客席の子どもから声が上がる。

「えー、なんで社長は守備表示なのー?チキン野郎なのー?」
「なんだと……!」

 新海は目を血走らせる。本気で怒っているようだった。そんな彼に若干引きながらも、アリスは解説役としてフォローを入れる。

「そ、そんなことないよ。守備表示で相手の攻撃を受け流すのも立派な戦術なの。新海さんが守備力1900以上のモンスターを伏せてれば攻撃を凌げるし、1900より上なら遊旗に反撃のダメージを与えることだって」
「俺の戦術をばらすなバカ!!」
「え!?」
「アリス、今は俺と新海のデュエル中だ。黙っててくれ」
「え、えぇー!?」

 解説役の定義定まらぬまま、デュエルは続く。

「『アレキサンドライドラゴン』召喚! そしてバトル!」
「攻撃力2000。さぁ、かかってくるがいい!俺の守備モンスターが返り討ちにしてくれる!」
「ふっ、俺には分かっているぜ。あんたのさっきのは演技だってことがな」
「な、なに!?」
「遊旗、それって……」
「やつはアリスを利用して、守備モンスターの守備力が高いと思わせようと誘導したのさ。じゃなきゃ、あんなうかつなことを言う訳がない。つまり、やつが伏せたのは守備力の低いモンスター! つーわけで、アレキサンドライドラゴンで攻撃!」
「伏せモンスターは『ドラコニアの海竜騎兵』守備力2100」
「恥ずかしいーっ!! ぐはぁっ!!」

 遊旗は100の反射ダメージを受ける。軽微なダメージだったが、それよりも精神ダメージが大きかった。

「うぅ……こんな恥ずかしいのは人生ではじめてだ」
「思考の迷宮に捕われたな。勝利に必要な情報を見極められないようでは、真の決闘者にはなれない」
「ちくしょぉぉぉっ!!」
「なにこれ」
「俺は、カードを伏せてターンエンドだ!」
「『閃光の騎士』を召喚。そして、装備魔法『団結の力』発動ぉ!!」

 閃光の騎士は攻撃力1800。遊旗のあれには及ばないが、その全身に力がみなぎっていく。

「団結の力は装備モンスターの攻撃力を、自分の場のモンスター1体につき800上げるカード。これで閃光の騎士の攻撃力は3400まで上がって、遊旗のモンスターの攻撃力を上回った。さっきの防御がこの攻撃を強化した、まさに攻防一体の戦術!! すごいです新海さん!!」
「うるせぇ!!」
「えぇー!? 本日二度目!!」
「これで貴様のザコなど恐れるに足らず! 行け、アレキサンドライドラゴンを攻撃しろ!!」

 ビカビカの光がフィーバーし、大地を砕き、ドラゴンへ向かって行く。しかしその光を吹き飛ばすように、竜巻が吹き荒れる。

「俺のモンスターはザコなんかじゃないぜ。タイマンなら負けはしない。だからこのカードで、お前のモンスターの絆を断ち切る! リバースカードオープン『サイクロン』!! 団結の力を破壊する!!」
「ほう」

 竜巻が光を切り裂く。開けたその先、力を失った騎士に、眩い輝きの竜の伊吹が迫る。

「団結の力がなくなったことで攻撃力は逆転した。迎え撃て、シャイニングファイアー!!」

 光の炎が、騎士を破壊する。光の炎ってなんだよと思われるかと思うがそれは光の炎としか言いようがなかった。閃光の騎士は破壊され、新海のライフは3800になる。

「よっしぁ! 決まったぜ!」
「やってくれたなぁ……!」
「サイクロンは伏せられてるカードも破壊できる。なのに前までのターンで使わなかったのは、装備魔法による強化を読んでいたから。単体での攻撃なら負けはしない、だから敵のコンボを破壊する術を温存する。遊旗のそんな考えが良い方に転がったんだね」
「アリス……好きだ」
「は、はぁっ!!?」

 観客がざわつく。しかし一番ざわついていたのはアリスガールのマインドなのデース。

「い、いきなりどうしたの!? 唐突すぎない!?」
「唐突だっていいだろ。オゾンより下なら問題ないぜ。俺はお前の、雰囲気に流されないとことか、常識があるとことか、ツッコミ役が似合ってるとことかが、すごく好きなんだ」
「ごめん、好きな人に好きって言われてるのになぜか全然響かない」
「クソぉっ! こうなったら……お前のおっぱ」
「自主規制サンダー!!」
「ぎゃぁぁぁぁっ!!」

 決闘盤から流れる電流で、遊旗がガイコツになる。厳密に言えば電流が流れると一瞬ガイコツのように見えるあれである。

「な、なんだぁこの電流!?」
「俺の決闘盤から流した。100ダメージ分電流が溜まってたからな」
「ムカつくぜてめぇ! なんで俺に気持ちよくラブコメさせねぇんだ! 俺はただただアリスを見ていたいんだよぉっ!」
「デュエル中だろうがぁ! くそっ、シルバー……」
「シルバー?」
「俺の召使いだった女だ。俺の唯一の遊び相手でもあった。だが臨海の死と同時になぜか姿を消し、それからの行方は謎だ」
「……そうか。よかったら俺も探すの手伝うよ。なんてったって本職だ。きっと役に立てる」

 新海はハッと遊旗を見つめる。目を潤ませ、口を一文字に結び、そして。

「……ありがとう。お前は優しいな」
「セキュリティーなら誰だってこう言うさ」
「そうか……ふっ、だが、今の俺たちにはまだやるべきことが残っている!」
「あぁ! 行くぜ、俺のターン!!」

 すごい無理やり良いムードにしたな。そう心の中で呟いたアリスをよそに、話は今度こそ次回へ続くのであった。
 

 

[前までの回はこちら!]

 

遊戯王Link AXEL "Gold" 第3話 その名は天新海!!

「……ぬぅ……!」

 敗北。自分がデュエルに参加したのは途中からだが、それでも敗北の事実に変わりはない。そして同時に、先輩を侵していたウイルスの消滅を感じていた。

「これが……ゴールデンレジェンドのクリスタルの力か……!」

 この世界の万物はクリスタルから生まれた。当然ウイルスもクリスタルから生まれている。ならばより強いクリスタルを宿したカードの力をもってすればウイルスを掻き消すことも可能というのは道理。だが、ヘブンが作るウイルスは全て彼自身のエースモンスターのクリスタルから生まれている。つまり、この敗北は自身のエースモンスターの間接的な敗北をも意味する。
──許さん……!──
 ヘブンは怒りの念を込め、目の前の男とそのしもべを見やる。堂々と自分を見つめる少年、神々しい黄金の龍。自分を敗北させた者たちを睨みつける。

「金色遊旗……ゴールデンレジェンド……!」

 やがて、先輩からヘブンの意識が剥がれ落ちて行く。先輩はふらつき、Dホイールから落下する。猛スピードで走行している最中の落下、即ち死。しかし。

「っ、先輩!!」

 遊旗が、その手を掴む。助けられたと、ホッとした顔をする遊旗とは裏腹に、先輩の顔はひどく歪んでいた。うらめしそうな目をしてすらいた。

「なんで……なんでいかせてくれなかった! 私は、お前を傷つけ……街を破壊して……うぅっ……!」
「俺は、セキュリティーだから、あなたをいかせることはできない」
「……っ」
「それに今のデュエル、あなたからの教えがなければ勝てなかった。この街には、あなたの力が必要です」
「……厳しいな」
「……そう鍛えたのもあなたです。先輩」

 先輩は微笑み、気を失った。すぐに、遊旗のディスクのモニターにヘブンが映し出される。

「よぉ。約束なんかほっぽって逃げ出したかと思ったぜ、ヘブン」
「言ったはずですよ。ワタクシは約束を守る方だとね。あなたのそのドラゴン、私が用意していたワクチンと同等かそれ以上の作用があるようです。そこの彼もウイルスから解放されたと言っていいでしょうね」
「だが、まだ暴走している者はいる。約束通りワクチンはもらう」
「そうですねぇ……んっ、おっと」

 ヘブンは一瞬言葉を止め、次に眉を潜め、最後に笑った。

「……どうやらワクチンは不要になったようです。では後日、ワクチンと同じだけの価値があるものをお送りするとしましょう」
「不要になったってことは、他の患者が全員ウイルスから解放されたという意味か?」
「察しが良くて助かりますねぇ。では、今日のところは失礼しま」
「次はちゃんと闘え」
「は?」

 遊旗の目は、見たことがある目だった。それは自分の目。遊旗のそれはヘブンの目と同じ光を放っていた。嫉妬に狂い、愛に飢え、自分を保つことすらままならない。そんな弱い人間の目だった。なのに、なぜ自分とヤツは立場が違うのか。ヘブンの疑問をよそに、遊旗は言いたい放題言う。

「自分のデッキ、自分のカードで、正々堂々俺と闘え。そこで、俺と貴様の決着をつける!」
「かっこいいですねぇ。でも、ワタクシがそんな誘いに応じるとでも?」
「お前は決闘者だ。負けてスゴスゴと引き下がるヤツじゃない。お前とのデュエル、楽しみにしてるぜ」
「不謹慎ですねぇ。犯罪者との闘いが楽しみだなんて」
「デュエルだけは話は別だ。違うか?」
「……ふっ、あなたとは良い友達に」

 遊旗は駆け寄ってくる幼なじみの姿を認め、顔を緩める。

「遊旗っ!!」
「アリス!!」

 抱きしめあう。アリスはやわらかくて大きくて、触れているだけで遊旗を安心させた。これまでの闘いの疲れが吹っ飛ぶようだった。しかししばらくすると、アリスが恥ずかそうにしだす。

「ゆ、遊旗……そ、その、恥ずかしいっていうか……その、当たって……あっ……!」
「アリスお姉ちゃん……あったかい」

 あまり聞きたくなかった言葉が聞こえたような気がしたが、なんとか平静を保ちながらアリスは問う。

「お、お姉ちゃん?」
「うん。年下の可愛い男の子が年上のお姉さんに可愛がられるっていう漫画を見て、あのシチュに憧れたんだけど、アリスお姉ちゃんは同い年だから無理だなって思って。だからぼくが退化すればギリいけるかなって」
「全然いけてないと思うけど……」

──でも、遊旗に甘えられるのは悪くない、かも──
 アリスはアホだった。

「……えへへ」

 遊旗の頭が自分の胸元に来るように彼をしゃがませ、そして、彼を抱きしめようとする。そうするのが、お姉ちゃん味を一番出せるかなと思ったからだ。しかしそこでふいにピエロと目があった。

「あ……」
「ふふっ、はじめましてアリスさん。あなたのことは存じ上げておりますよ。アカデミア高等部に進学から半年もたたずにブルーに昇格した秀才で」
「きゃーっっ!!!?」

 遊旗もさすがにヘブン状態から目を覚まし、しかしアリスにしがみつくことはやめないまま宿敵を睨む。

「貴様……よくも俺の野望の邪魔を……絶対に許さねぇ!!」
「その怒り、全てカードに込めてかかってきて下さい。粉砕しますがねぇ」
「この人なんでさっきから普通にしゃべれてるの」
「望むところだ。首を洗って待ってなっ!!」

 通信が切れる。緊迫した場面の中、遊旗はアリスに向き合い。

「……アリスお姉ちゃん……だっこして」
「え、ここから戻るの!?無理じゃない?」
「ちくしょー!!」
「そ、それに、お姉ちゃんじゃないありのままを私を見て欲しいっていうか……あ、愛して……ほし……い、いやっ、そのっ」
「アリス……ごめん、俺自分勝手だったな。俺、お前のおっぱ」
「ドカーン!!」

 突然爆音が響き、遊旗も理性を取り戻す。爆音はスタジアムのすぐ近くで起こったもののようだった。

「な、なにが起こってるんだ!くそっ、行ってくるぜアリス!!」
「え、なにこの強引な展開、ちょっ、ちょっと待って私まだ」

 遊旗が外に出ると、そこにはセキュリティーデュエル部隊の隊員たちが十数人倒れていた。彼らは皆ウイルスに侵されていたはずだが、ヘブンの話によればウイルスに侵された者はいなくなったらしい。つまり自然に考えれば。

「ククク……アーッハッハッハッハァ!!」

 見るからに勝ち誇り隊員たちを見下ろしているこの男が、隊員たちを倒したということになるだろう。遊旗は彼に見覚えがあった。そう、彼こそは。

「リバースコーポレーション社長、天新海だ! そして……見るがいい!!これがっ!!」

 舞い上がる、竜の騎士。誇り高く、雄々しく、主を守る絶対の守護神。

「『ビッグバン・ペンデュラム・ドラゴンナイト』だっ!!」

 最強の力が、舞い降りる。遊旗は後ずさりする。そのモンスターから放たれるエナジーはあまりに強く、あまりに誇り高かった。

「これが天新海の切り札か……。はじめて見た!すげぇ!!」
「ペンデュラム。それはデュエルの新しい力。詳細は明日の落成式で語るが、今回の新システム導入はこのペンデュラムに起因するものだ」
「ほえー」
「ペンデュラムはこのアルティメットドミノワールドの発展の象徴となるだろう。ペンデュラムを使うにせよ使わぬにせよ、この新しい風に乗れぬ決闘者に未来はない! 諸君の真価が試される時が来た!」
「うん、うんっ!」
「今……闘いの神話が始まるのだ」
「うぉぉぉっっ!! 新海社長かっけぇぇっ!!!」

 描写が遅れたが、新海はテレビ番組の撮影中だった。遊旗は燃え上がっていた。新環境への期待の高まり、おさまらぬ興奮。しかし少し疑問もあった。

「あれ、でもなんでこのタイミングでテレビ録ってんだ?これじゃまるで」
「まるでも何もその通り。新海くんは今回の事件を自社製品のCMに利用した。今回の事件を自分が解決する様を番組にして、自分の強さと明日の落成式をアピールした。明日の落成式なんて放っといてもみんな注目してるのにね」
「なるほど……ってお前誰だよ!?」
「白銀遊傑」

 少女は淡々と告げる。歳はたぶん18くらいだろうか。黒い髪がサラサラと風になびく。顔立ちは整っていて、涼しげでありながら幼さを残していて、端的に言うと美しかった。静かな印象の女性だった。

「きみ、金色遊旗くんでしょ?」
「お、俺有名人?まいったなー」
「私この縄で人を縛る練習がしてるんだけど、いい?」
「いいぜ!」

 かなりゴツい縄を出されて正直面食らったが、機嫌も良かったし特に断る理由もなかったので遊旗は了承した。

「ねぇ、なんでこんな練習してるの?彼氏にやるの?」
「ま、まぁ、そんなところですね」
「へー、熱心だな。彼氏がうらやましいなー」
「……は、はい……」

 遊傑は気まずそうに遊旗を縛る。しかしまだほとんど縛れていない段階で、思わぬ来訪者が現れた。

「見つけた……見つけたぞシルバァァッ!!」
「あっ、やばっ!」

 気づくと、新海がすぐそこだった。遊傑はトンズラする。しかし彼女が逃げたことに気づいてない遊旗は、純粋に新海に会えたことへの喜びを爆発させる。

「シルバー……む、いない。気のせいか。で、貴様は……」
「新海社長、はじめまして! セキュリティーデュエル部隊の金色遊旗です! いつもお世話になってます!!」
「金色遊旗……許さん!!」
「なんで!?」
「無論、俺の獲物を横取りしたからだ! 洗脳されたアホ共は全員俺が狩る、そういう番組内容にする予定だったんだ!!」
「自分のやりたいシチュを他人に押し付けるなんて、そんなの良くないぞ!」
「お前がいうな!って言わなきゃいけない気がした! ともかく貴様は許さん、デュエルだ!!」
「望むところだ!」

 そんなわけで、因縁の対決が幕を上げようと

「あのー、新海様。盛り上がってるところ悪いんですけど」
「なんだ!?」
「明日の式の準備もありますし、そろそろ帰らないと」
「ほんとだ!帰るぞ!」
「あ、ちょっと……」

 少し困惑してる遊旗に対して、新海は神妙な顔をしてみせた。彼の目は闇を見つめていた。そして、静かに口を開く。

「貴様、自分の先輩を倒したらしいな」
「な、なんでそんなことを」
「我がリバースコーポレーションの情報網をなめるな。貴様のさっきのデュエルは普通にネットに動画で上がっていた」
「……たしかに、俺は先輩を倒しました。ウイルスから救い出すために」

 でも、なんで新海がそんなことを気にするのか。遊旗が抱いたその疑問は本人の口からすぐに語られた。

「命がけの闘いで憧れの存在を倒すこと。それは並大抵のことではない。俺には想像することすらできぬ程の覚悟が、勇気が、遊旗、貴様にはあったはずだ。遊旗だけに」
「……たしかに、あの闘いは辛かった。でも俺がやらなきゃいけなかった」
「……そうか。己に勝ったな、遊旗」

 新海は話している間ずっと、遊旗の目を真っすぐ見据えていた。正直ちょっと怖かった。
 なんとなくだけど、この人はきっとこれから、覚悟を決めて勇気を出さなきゃいけない、そんな闘いをこれからしなければならなくて、その苦しみと今も闘っているのだと、遊旗はそう思った。

「明日、落成式で待つ! 貴様とのデュエル、楽しみにしている」
「あぁ、俺もだ! あ、でも、街こんなだから明日も仕事しなきゃいけないかも……」
「治安維持局に話はすでにつけてある。誰にも、俺の狩りの邪魔はさせん」
「よーし! 明日、最高のデュエルをしよーぜーっ!!」

 新海は背を向け、静かに去っていった。顔は見えなかったが、きっとデュエルへの期待で笑顔になっていたのだと、遊旗は思った。

 

[次の話はこちら!]

 

[前回までの話はこちら!]

 

 

 

遊戯王Link AXEL "Gold" 第2話 ゴールデン・レジェンド

「「デュエル!!」」

 2台のDホイールが走り出し、デュエルが始まる。

「私のカードは、『二頭を持つキングレックス』!!」
「俺は『サファイアドラゴン』だ! そして、バトルを申し込む!!」
「受けて立つ!!」

 その名の通りのふたつ首の恐竜と、眩い装飾の施された美しい竜が、激しくぶつかり合う。竜の牙が恐竜の一つ目の首に食らいつくが。

「ふっ、かかったなぁ!!」
「!?」

 竜の動きが止まる。恐竜の一つ目の首が竜に絡み付き動きを止めたのだ。その隙に二本目の首が攻撃に転じる。

「キングレックスの真価は、そのふたつの首による連携攻撃にある。これでサファイアドラゴンは倒したぁっ!!」
「それはどうかな?」

 しかし、その攻撃は届かない。ここで、先輩はある真実に気づく。

「し、しまった、サファイアドラゴンの方が攻撃力は上……!」
「そのとーり。行けぇっ!!」

 竜から放たれた光の衝撃が、恐竜を弾き飛ばす。そして放たれるトドメの一撃。

ブリリアントアタック!!」

 煌めくブレスが、このバトルに決着をつけた。サファイアの攻撃力は1900でキングレックスは1600なので、その差300が先輩のライフから引かれ、先輩の残りライフは3700となる。

「よし、決まったぜ!」
「ふっ、最初のバトルは華を持たせてやったまで。本当の地獄はここからだ! 『ハイドロゲドン』を召喚し、装備魔法カード『巨大化』!!」

 新たな恐竜が現れたかと思ったら、それが文字通り巨大化していく。ハイドロゲドンの攻撃力は元々は1600だったが、今は3200になっていた。

「巨大化は自分のライフが相手より少ない時、装備したモンスターの攻撃力を倍にするカード……まさか、キングレックスがやられるのも計算のうちだったのか!?」
「当然だ。先手必勝の心意気で最初のバトルを取りに来るのがお前の、そして」
「先輩のスタイル……」

 先手必勝の心意気は先輩に教わったもの。そしてそれを理解し、戦法に組み込むということは、今の先輩には記憶がちゃんとあるということだ。ただ、意思と判断がヘブンに操作されているだけ。
──ギリッ──
 遊旗は歯を食いしばる。悔しさと怒りがこみ上げる。しかし無情にも、その身に迫る攻撃は止まることはない。

「バトルだ! ハイドロゲドン、サファイアドラゴンを粉砕!!」
「ぐっ!」
「ハイドロゲドン特殊効果。相手モンスターを倒したとき、デッキから2体目のハイドロゲドンを特殊召喚!」
「くっ、これは!」
「敵を喰らい、仲間を増やし、また喰らう。これこそが我が必殺、食物連鎖コンボだ!!」

 食物連鎖。それは絶対なる自然の摂理。その循環は絶対。それは先輩の以前からの得意技でもあった。

「お前の場に壁になるモンスターはいない。2体目のハイドロゲドンで、ダイレクトアタックっ!!」
「ぐあぁぁっ!!」

 2体の恐竜の突撃により、遊旗のライフは残り1100まで削られる。彼はバランスを崩し、あやうく転倒しかけるが。
──キキー!!──
 体勢を立て直しながら、鮮やかなドリフトを見せる。タイヤが鳴り、白い煙をまき散らす。

「ほほぉ、上手く耐えたな」
「はぁ……はぁ……!」
「だが耐えるだけではデュエルには」

 ここで、先輩は言葉をきる。遊旗の強い視線に気づいたからだ。その視線の先にあるのは巨大化を装備したハイドロゲドン。巨大化は自分のライフが相手より少ない間は装備モンスターの攻撃力を倍にするが、自分のライフが相手より多くなれば、装備モンスターの攻撃力を半分にしてしまう。ふたりのライフが逆転した今、ハイドロゲドンの攻撃力は半減し800になる。

「なるほど、こちらの攻撃力が下がった隙に反撃する作戦か。だがこの私が巨大化のリスクを計算に入れていないと思うか?」
「っ!?」
「ふ、ここでリバースカードをセットだっ!!」

 リバースカード。それは単調な殴り合いを是正する、デュエルにおける重要な読み合い要素のひとつであった。遊旗は悔しい顔をしながらもカードをきる。

「俺は、『アレキサンドライドラゴン』を召喚!」
「攻撃力2000。良いカードを隠し持っていたな。だが、どうする?」
「くっ、ここは俺もリバースカードを出すしかない。攻撃はせずターンエンドだ……」

 先輩はほくそ笑む。遊旗は先輩との闘いの辛さ、厳しい状況によって追いつめられ、臆病風に吹かれているのだと、そう思った。つまり、今の遊旗が出したカードなど恐れるに足らず。

「だが、私の手札にはお前のドラゴンを倒せるカードが無い。そこで、リバースカードオープン、『リロード』!!」
「なっ、手札交換カード!?」
「その通り。ブラフにまんまと引っかかったなぁ。リバースカード1枚にビビるヤツなんかに、勝機は永遠に来ないということだよぉ!」
「……ち、ちっくしょー!!」

 先輩はリロードの効果で手札を全部デッキに戻して同じ枚数引き、そしてほくそ笑む。

「良いカードが来た。私は巨大化を付けたハイドロをリリースし、『暗黒ドリケラトプス』を召喚!!」

 その名の通りの暗黒な雰囲気のトリケラが現れる。攻撃力は2400。勢いそのままに、白竜に襲いかかる。

「これで終わりだ。フィナーレ!!」

 トリケラの会心の一撃が決まる。
──ジャストナウ……──
 先輩は陶酔する。しかしすぐに違和感を覚えた。トリケラが攻撃した相手は、よく見ればドラゴンではなかった。それはトリケラだった。

「ど、ドラゴンと……!」

 トリケラが……!

「入れ替わってるーっっ!!?」

 それは名作映画のワンシーンのような鮮烈な光景だった。先輩は凄まじく動揺する。

「こ、これは一体!?」
「ふっ、永続トラップ、『銀幕の鏡壁』が発動したのさ!」

 それは相手の攻撃モンスターに鏡に映った自身に攻撃させ、攻撃力を半減させてやろうという罠カードだった。

「そ、それは幻の超レアカード……お前は持ってないはずだ!」
「へへっ、愛してるぜアリス!!」

 強力極まりないがこのカードを維持するには自分のターンが来るごとに2000ライフを払わなければならないので、ライフ1100の遊旗では維持できない。つまりこの1ターン限りの罠ということだが、それでも効果は十分。

「迎え撃て、アレキサンドライドラゴン! シャイニングファイアー!!」

 攻撃力が1200まで落ちたトリケラでは、アレキサンドライドラゴンに勝てる道理はない。返り討ちにあい、先輩のライフが2900まで削られる。そして、気づく。

「……全て演技だったというわけか。嵌めてくれたな貴様ぁぁっ!」
「自信も戦意も薄れてきていると思わせなきゃ、こんな単純なトラップ通用するわけねぇからな」
「ぬぅ……おのれぇ、ターンエンド!」
「『ハウンドドラゴン』召喚! そして、アレキサンドライドラゴンでハイドロゲドンを攻撃!」
「ぐぅっ!」
「さらに! ハウンドドラゴンでダイレクトアタック!!」
「ぬぅあーっ!!」

 ハウンドドラゴンの攻撃力は1700なので、先輩のライフは1000まで削られる。デュエルの流れは遊旗に傾きつつあった。

「よっしゃぁ! カードを伏せてターンエンドだぜ!」
「……ふ、フフフ……」
「?」
「アーッハッハッハァッ!!!」

 それは、もう先輩ではなかった。先輩の体ではあるのだが、大笑いしているのに口は動いていないし、言葉の響き方も変だった。遊旗はそれがヘブンの声であると理解する。先輩の皮を被ったヘブンは、愉快そうに目をギラつかせる。

「いやはや失敬。思わず笑ってしまいましてねぇ、この人形の弱さに!」
「なに?」
「デュエルウイルスはデュエルタクティクスを低下させますが、まさかここまでとは。まぁ、元が悪かったのもあるかもしれませんがねぇ」
「貴様……!」

 静かな怒りが燃え上がり、ヘブンをにらむ。しかしその怒りすらも心地よく感じているかのように、道化師は笑っていた。

「あまりにふがいないので、僭越ながら、ここからはワタクシがお相手つかまつります」
「いいだろう。ぶっ潰す!」
「できますかねぇ?魔法カード、『究極進化薬』!!」

 究極進化薬は手札と墓地から、恐竜と非恐竜を1枚ずつ除外することで、手札デッキから好きな恐竜を召喚条件を無視して特殊召喚するカード。本来ならば特殊召喚できないカードも出せてしまうのがお得ポイントである。

「手札のエフェクトヴェーラーと、墓地からはキングレックスを除外しましょう」

 キングレックス、それは最強の恐竜。その最強の系譜を受け継ぎし最強のパワー、その産声が響く。

「最強より生まれる、最強の牙! 灼熱の魂が大地を焦がし、破壊の王者を呼び覚ます!」

 一体の恐竜が地層を破り、地に立ち、世界の終焉のごとき叫びを上げる。

「出でよ、『ジュラック・タイタン』!!!」

 それは、真紅の悪魔だった。悪魔族なわけではないが、その様相の禍々しさを表現する相応しい言葉は、やはり悪魔だった。

「……攻撃力……3000……だと……っ!?」
「ふふっ、あまりにぬるいデッキだったので、ワタクシが入れておきましたぁ。かの青き龍に並ぶ攻撃力……素敵でしょう?」

 それは街を破壊する。道を踏みつぶし、吐息で空気を汚し、目に映るあらゆる物を破壊していく。遊旗は絶句する。

「な、何が起こっている!?」
「このカードはクリスタルにちょーっと細工してある特別品でして、出力が普通のそれとは違う優れものになっております」
「ヘブン……貴様ぁっ!!」

 破壊を行いながら突き進み、やがて、この街一番のデュエルスタジアムにたどり着いた。そこは避難先に指定されているので、今も多くの市民がいるはずだ。遊旗は危機感を覚えるが。
──でも、スタジアムの防御システムなら──
 しかし次の瞬間、スタジアムの扉があっさりと開いた。

「な、なんだと!?」
「ふふふ」

 ヘブンはスタジアムの中へ入っていってしまう。仕方なく遊旗は追いかけて自分もスタジアムに入っていくが。

「さぁ、レッツダンストゥゲザー!!」

 待っていたのは阿鼻叫喚であった。人々は普段観客席に使われている箇所に身を落ち着けており、デュエルに使う領域に人はいなかった。なのでヘブンと遊旗はそこに入っていった。結果として市民たちとの距離は最低限取ることができたが、それでも危険ではあった。

「さぁさぁ、観客の皆さんにあなたの勇姿を見せてあげてください。正義のおまわりさん」
「……今はまだお前のターンだ」
「そうでしたぁ。では、バトルに入りましょうかぁ!?」

 観客の中には、最初の方はセキュリティの登場に歓喜の色を示す者もいた。しかしヘブンの場に攻撃力3000のタイタンが在ること、そしてその攻撃が遊旗のライフを0にできる事実が、人々を絶望に落とした。

「……勝てるわけがない」

 誰かが言った。悪魔のごとき恐竜は紛れもない最強の風格を持っていた。その口に、赤い破壊のエネルギーが装填されていく。その威力の凄まじさは誰にも容易に想像できる。もはや、全ては終わった。誰もがそう思った。

「……くっ、まだだ、トラップカード『ダメージ・ダイエット』!!」
「ほぉ。ダメージを半減させるトラップですかぁ」
「そうだ。これでこのターンはしのいだ!」
「おめでとうっ、これで敗北は回避できましたっ! でもですねぇ、さきほども言った通りこのカードは出力が大きすぎるので、あなたの後ろの方々が……心配っ!」

 遊旗も身構える。そしてその時はアッサリと訪れる。タイタンの口から、デュエル外にも影響を及ぼすほどの衝撃が、ついに。

「スーパーダイナソーファイアーッッ!!!」

 放たれた。ハウンドドラゴンは一瞬で消え去り、遊旗もまた、紅い波に押し込まれて行く。

「ぐっ……うぉぉぉぉぉぉっ!!」
「ふふ……アッハッハッハァァッ!!」

 楽しそうな笑い声と苦悶の絶叫が響く。

「ダメ……なのかな」

 目を伏せ、誰にも聞こえないほどの小さな声で、遊旗はつぶやく。その意図はその言葉の通りで、彼はくじけそうになっていた。タイタンの攻撃は痛くて、この苦痛がいつ終わるかも分からない。Dホイールもミシミシと音をたて、限界を訴えていた。

「遊旗!!」

 声の方へ目を移す。そこには避難民に混じってアリスがいて、その周りには恐怖に怯える子どもたちがいた。

「……ふっ」

 笑ってしまった。自分の不甲斐なさが可笑しかったのだ。アリスの周りの子どもたちは怯えていたけど、みんな、この闘いから目を背けていない。自分に襲いかかってくる現実から目を背けていなかったのだ。子どもたちだけじゃない、ここにいる誰もがそうだった。

「行け……」

 アリスの目には、心配の色もあった。しかしそれよりも強く、信頼の色を示していた。彼女は拳を突き出し。

「頑張れ、遊旗っっ!!!」

 彼女は、笑っていたと、遊旗は思った。なぜ思う、という表現なのかと言えば、もう彼は彼女の方を見ていなかったからだ。もう、彼女から貰うものは全てもらった。それは勇気。その勇気が、勝利を導く。

「うぉぉぉぉぉっっ!!」

 やがて、紅い波は過ぎ、その痕に、ひとりの決闘者がいた。傷だらけになりながらもただのひとりも傷つけることなく、そして、笑っている決闘者が。

「ふっ!」
「なにを笑っているのでしょう?」
「ずっと一緒にいる。そう約束したんだ」
「まるで意味が分かりませんねぇ」
「分かる必要はない。だけど、それが俺の全てだ」

 デッキの上に手をかける。もう残されたチャンスは少ない。タイタンに勝てるカードなど、そもそもこの世に存在するかどうかも定かではない。だがしかし、彼はいまだ笑顔だった。指先から、熱い、鼓動が伝わる。

「そこにいたか……よしっ、行こうぜ!」
「……このエナジーは……!?」

 運命、勝利の魂、絆、未来、笑顔、信念。それら全てが出会う場所。それが……。

「ドローッ!!!」

 遊旗のデッキであった。彼は笑い、魔法カードをきる。

「『古のルール』! このカードは手札のレベル5以上の通常モンスターを特殊召喚する!」
「なるほど。たしかに、そのカードでタイタンを倒せるカードを呼ぶことは理論上は可能。ですが!」

 タイタンを倒せる、つまり攻撃力3000以上の通常モンスター。そのカード自体は存在するが、それはこの世に3枚しかなく。

「あなたが持っているのですかぁ!? あの……伝説の青き龍を!」
「無い。だけど俺には仲間がいる。勝利を信じる魂がある。そして、これがその新たな1枚だ!!」

 眩い光。黄金の光。

「こ……これはっ!?」

「青き龍は勝利をもたらす」

 スタジアムの外にたたずむ人物がいた。それはさっき遊旗にカードを渡した老人だった。しかし若返った姿になっている。雰囲気も変わっていた。

「しかし赤き竜がもたらすのは勝利にあらず。可能性なり」

 黒塗りの車が彼の元に止まり、ドアが開く。しかし彼はすぐには乗り込まず、ただ、スタジアムから漏れる光を見つめる。

「そして黄金の龍は新たな伝説を生み出す。その可能性を引き出すのは」

 義眼をぎらつかせ、歯をむき出しにして。

「闘う者の……勇気次第さ」

 そう言い、天臨海は笑った。


「なんだ……なんだこの光はぁっ!!?」
「伝説を超える、新たな伝説! 黄金の光と共に生まれ立つ、俺の切り札っ!! その名はっ!!」

 アリスは目を輝かせた。それは優しくて心震わす、温かな光。その光の主。

「『ゴールデン・レジェンド・ドラゴン』!!」

 黄金の龍が、降臨する。それは特殊能力を持たないが。

「……ば、バカな……攻撃力4000!!?」
「行くぜ」

 響くラストコール。終焉の光が、タイタンを包んでいく。

「ゴールデンディスティニージャッジメント!!!」

 それは終焉。黄金の破壊がヘブンのライフを0にする。

「ぐぁぁぁぁっ!!!」

 このデュエル、遊旗の勝利に終わった。

 

──あとがき──

お読みいただきありがとうございます。オリカが勝負を決めてしまったこととか世界観の説明を全くしてないとか色々思うところはありますが、勢いに任せて投稿してしまいました。楽しくなりすぎたのだ……。
世界観の説明とか事態の収拾とかは次回あたりでやろうと思います。ちなみにライバルの設定はいまだ固まっていない。

言い訳みたいになりますがオリカを出した理由を言います。
遊戯王は新シリーズが始まる度に新しいシステム、新しいカードが登場しますね。新しい召喚法、新しい切り札!それらの登場は我々をワクワクさせてくれます。
俺が今回書きたかったのは、『僕が考えた新しい最高の遊戯王!』でした。主人公だけの切り札が欲しかったし、それはこれまでのカードとは一線を画したものにしたかった。とはいえオリカが強すぎたりオリジナル召喚法を出しちゃったりしたらバランスが崩れますし見てて面白くないと思ったので、『現実的に考えたらあんまり強くないけどインパクトはあって能力なシンプルなカード』がオリカの条件になりました。
その結果が4000バニラです。あの伝説の青眼を超えるステータスというインパクト、能力もシンプル以前にそもそもバニラ、というわけで、条件はクリアー。
また、これまでの伝説を超えたい!という気持ちの反映でもあります。
とはいえ、青眼のステータスを超えるバニラへの反感みたいなものは0ではないし皆様にもそれはあると思いますし、やはりオリカは控えめにした方がいいかなとも思います。オリカはメインキャラひとりにつき1枚以下とかそれぐらいのペースでやっていきます。

読み切りとは一体なんだったのか、なんで主人公の性別が変わってるのかとか色々書きたいこともありますが、今回はとりあえずここまでにしておきます。最後に一応次回予告だけします。以下台本形式。

次回、遊戯王リンクアクセルゴールド!!
遊旗「覚醒した俺の切り札、ゴールデンレジェンドドラゴン! ビカビカしてて、マジで最高だぜ!! 見たかアリス!」
アリス「うん。遊旗のカッコいいところ、全部見てた。遊旗、好きっ!」
遊旗「俺も好きだぜ。結婚しよう、アリス」
アリス「うんっ! えへへ……んっ」
遊旗「アリス……大きくなったな」
アリス「遊旗も……おっきくなった」
遊旗「お、お前……そんな……その……」
アリス「えへへ……んっ」
遊旗「あっ!? あ、アリス……あったか……ぁっ……!」
アリス「あっ……んむっ……ちゅっ……」
遊旗「あっ……!」
アリス「んっ……あーんっ」
遊旗「うっ!!」
遊傑「……という夢を見たのだった!」
新海「ワッハッハッハッハ! 次回、『世界征服!天新海の天下来る!これからは俺が主人公!』お楽しみに、だ。ワーッハッハッハ!!」
遊旗アリス「って、お前らだれやねーん!!」
遊傑「まったね〜」

 

 

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