せんりの熱血遊び日記

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RIDER TIME龍騎 感想 [アフターにしてアナザー! 祝え!龍騎の新たな未来の誕生を!]

今回はタイトルの通り仮面ライダー龍騎の続編、「仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 龍騎」(以下本作)の感想記事です。

 独自解釈みたいなのも書いてるので「そこはおかしいだろ!」ってところがあったら教えてもらえると助かります。

 

  • 率直な感想

龍騎が……終わった……。

 

テレビ本編の終わり方とは全く違う後味でしたね。良くも悪くも新しいエンディングだった。テレビ本編の終わり方の美しさが念頭にあるから、今回の終わり方に対して寂しさを感じる部分はあります。でもジオウの主旨っていうのは僕は「過去作が新しい未来に向かうための場所になる」ということだと考えてるので、その点においては腑に落ちてる感じです。

 

龍騎ってそもそもアナザーストーリーが豊富で。だから前情報を見た時は「まだやれることあるのかな」って思ってました。

でも見てみると、本編のアフターとしての真司と蓮の関係が描かれていて、それでいてこれまでのどの龍騎とも違う新しい龍騎の物語が繰り広げられていた。僕はそこに感激しました。タイトルのアフターにしてアナザーというのはこのことです。龍騎という作品の底力というか凄みというか。すごい作品だったんだって強く思ったんですね。

龍騎ってすげーなって。

 

気になったのは全体的に曖昧なところが多かったこと。特にリュウガとオーディン周り。今回のライダーバトルの概要についてもボカされた箇所が多かったように思う。

ただそのせいで没入感が無くなったりとかはなかったんですけど。だからあんまり気にはならないけど、でもそれにしたって、とも思いますね。

 

とはいえ、クライマックスは流石の凄みでした。最後の真司と蓮のシーンと、ジオウゲイツにサバイブが重なる演出。あれは燃えた。問答無用の凄みがありましたね。

俳優陣の演技もすごい良いと思った。歳は取ってるけど変わってない。17年も前の作品なのに、その演技であの龍騎の世界に連れて行ってくれる。これはすごいことだと感じた。

 

まー結局のところ、わけわからないところもあったけど燃えるところはめっちゃ燃えた!って感じです。良いところだけじゃなかったですが、かなり好きな作品でした。

 

全体的な感想はこんな感じです。ここからは各キャラについて思ったことをつらつらと。

 

  • 真司

役者さんの演技が当時にかなり近くて驚きました。ジオウのリュウガ編でも感じましたね。特に声が良いと思った。声って言うより発声の仕方かもしれない。「あぁ、真司だな」って感じるんです。いやー、俳優さんってすごいですね。

 

僕は真司の他者への影響の与え方が好きです。今回のベルデ木村とか、本編の蓮や優衣とか。

本編では蓮が浅倉に憧れる場面がありました。戦いに勝利するために、浅倉のような殺人もいとわない、いわゆる「化け物」になろうとしていた。でも真司の影響でそれは取りやめられた。

龍騎本編の最後は優衣が兄を説得して戦いを終わらせましたが、もし蓮が化け物になってたり、真司がいなかったりしたら、きっとあの決着にはならなかっただろうなと。

本作のベルデ木村も、真司をはじめ仲間に対しても警戒心を解かないキャラっぽく描かれながら、断末魔は真司への呼びかけという。彼も真司にどこか救われていたのかなと。

 

真司の描かれ方で好きなのは、真司自身は自分が彼らにどれだけ影響を与えたのかを見届けられていないということです。優衣が兄を説得するくだりの頃には真司は死んでるし、蓮も真司に感謝しながらもそれを表に出しはしない。木村の死に際にも真司は立ち会えませんでした。物事を最後まで見届けつつ自分が生き残るということが無いんです。

 

つまり、「みんなを救えた!」という劇的な勝利が与えられないというのがこれまでの真司というキャラで。だからこそ、最後まで悩み続けていた。それを「かっこいい」と言っちゃうとなんかチープな感じになっちゃうんですけど、その必死に悩み続けた姿にこそ彼のヒーロー性を感じるんです。

 

今回、真司は戦いに勝利して、ことの顛末も全て覚えている状態でラストを迎えます。

だから本作は真司がはじめて勝利者になるルートということなのかなと。僕がこれまで真司に感じてた「勝利者にはなれないけど負けもしなかった。戦い続けた」という美学を最後の最後で崩してきた。

だから本作は、既存の龍騎の物語とは全く違う、真司というキャラの新しいゴールってことなのかなと。

 

そう思うと、最後の街に出ていくシーンもとても味わいがあって。勝利者となった真司はこれから何を見るのか、何をするのか。何と、どう戦っていくのか。そんなことに思いを馳せよう、そんなシーンだったんじゃないかなと。

 

 

色々言いましたが何よりも強く感じたのは、真司というキャラにまた会えてとても嬉しかったということですね。本作を見ることができたのはとても幸せだったと思います。

 

 

本作のクライマックスといえばやっぱり真司と蓮の絡みですよね。本作はけっこう尺カッツカツな感じなんですけど、それなのに真司の蓮の会話をめっちゃガッツリやってて。作り手の本気度がうかがえましたね。本編の記憶の映像をバックに、最小限のセリフで、っていうのが良い演出だったと思います。真司が3万借りるシーンとかが混ざってるのは笑いましたが、あれも二人にとっては重要なシーンですもんね。

 

ゲイツと似てるネタがまさかの活用のされ方を(笑)

完全に現場の悪ふざけでしょアレ。めっちゃ笑いました。

 

  • 手塚

本編との違いが最も描かれたキャラかな。井上敏樹氏は人間を多角面から描くのがすごいなぁと思ってて、今回の手塚でもそれが出てたかなと。

本編の手塚は優しいし頼りになってくれる味方で、当時幼かった僕は手塚というキャラが好きでした。ただ最近、言い方は悪いんですけど、なんか主人公にとって都合良すぎなキャラに見えてきたというか。いい奴すぎて現実味を感じなくない、みたいな感じ。

だから今回負の一面が描かれたのは良かったなと。キャラクター性が補強されたと思います。

占いの能力があって、自分が変身してるライアは微妙な強さ。裏切り者ムーブで勝利をかすめ取ろうと思うのも自然でした。名前もライアだし。

 

そして……。

 

 

まさかの!ベッドシーン!!

 

 

井上氏が新たな伝説を作った瞬間だった……。

まぁ、あんな閉塞的な状況だと無理もないのか、いやでも、うーん(苦笑)

 

あれが唐突すぎて草生えるのは一旦置いておくとして、あれは絆の描写としてはかなり上位のものですよね。でも手塚は最後、本編同様真司を助けようと思いながら死ぬわけで。

本作は「変わりゆくもの」と「変わらないもの」を描いていたのだと思います。手塚が前者で、真司と蓮の関係が後者かな。

状況によって人は簡単に変わるということ。でもそれに対して不変なものもあるということ。記憶から生まれる不変の絆の尊さ、かけがえのなさを描くにあたっての対比として、手塚と芝浦の関係、ひいてはあのベッドシーンがあった……のかもしれない!いや、絶対考えすぎだろって感じですけど。

 

でも最後は手塚は真司を助けようとしてくるわけで。彼の本編での美点も最後に出てくるんですよ。彼にもその不変の絆があって、最後にやっとそれが戻った。僕たちの知ってる手塚が帰ってきた。本作はそういうカタルシスの生み出し方がすごく巧みだったと思います。これも全て、乾巧って奴の仕業なんだ……!

 

 

  • 木村

お前ぇ、良いやつかよぉ!手塚の願いを聞く義理も、真司にデッキを渡してやる義理も無いのに……良いやつかよぉっ!!

 

 

木村については真司の項目でも言いましたが、真司のキャラクター性の補強になっていたかなと。

ライダーが戦うということの悲しさも龍騎のテーマだと思ってるんですが、木村が死ぬ場面でもそれを感じ、「これは本当に龍騎で真司の物語なんだ」と認識できました。悲しいながらも名シーンだったなぁと思います。

 

木村自体はかなり普通の人なんですけど、本作の悲劇性とか、ストーリーを引き立てる役割を果たしてたなと。優しい一般人代表って感じ。いぶし銀の活躍でした。好きなキャラです。

 

僕はベルデがかなり好きなライダーです。見た目とか戦い方とかが。ただその点、彼はベルデにあんまり合ってなかったかな。姑息さが足りないっていうか。デッキと変身者が合ってないのも龍騎の悲しみの一つですね(汗)

 

こいつもオーディンと並ぶ本作の謎存在ですね。

 

常々思ってますけど、リュウガめっちゃかっこいいですねー。

ナイトとのカードバトル応酬は痺れましたね。リュウガがナイトを淡々と追い詰めていっているのが、リュウガの強さと恐ろしさを良い感じに表してたと思います。あと相手に背を向けたままカードを出したり、仕草がかっこ良かったです。

ライダーキックも相変わらず問答無用のかっこよさでした。ディケイドで噛ませになってる印象がかなり強かったですが、今回その印象も払拭できました(笑)

 

  • 芝浦

何年も経ったから変わってはいますが、俳優さんを見た時に「あっ、芝浦だ」と思いました。劇中で動いててもやっぱり芝浦で。俳優さんってすごいですね(2回目)

 

本作では手塚の相手役って感じだったので、芝浦について思うところは手塚の項目に書いてあるのと大体同じですね。1話で真司を騙してるところがすごい芝浦で安心しました。

 

当時も思いましたが、芝浦は無駄に強いのが腹たつんですよね(笑)

今回もライアにガチで勝つし。

あの微妙に強いガイがまた見れて良かったです。カードの入り口に手が届かないのをまた見れたのも良かった。あれ見ると和みます。

 

  • 浅倉

お前ぇ!しぶとくすぎるやろぉっ!!

 

いやほんと、すごい執念というか、しぶとさでしたね。

井上敏樹氏の中の浅倉像ってたぶん生粋の化け物なんじゃないかな。北岡先生が最初からいないからヤケクソ気味だったのかもしれない。すごい暴れっぷりでした。

 

タイガを真っ先に処理するのはちょっと笑いました。本編の反省なのかな。

 

王蛇の動き方が当時のまんまで感激でした。あのぐったりした感じね。倒れてから起き上がるまでの間とか。

 

  • 吾郎ちゃん

なんか北岡先生の意思がちゃんと伝わってない印象でしたが、北岡先生も浅倉をどうしたいかについては多くを語ってなかったし仕方がないのかな。

吾郎ちゃんと言えば北岡先生との絡みっていう印象で、今回それが無かったのは想像してたよりも自分の中で虚無感があった。無いものねだりになるけど、やっぱり北岡先生とセットで見たかったな。

 

ただ、混沌としてる状況にエンドオブワールドが打ち込まれてドーン!は龍騎当時を思い出して懐かしさに浸れました(笑)

 

「良いねぇ……生身の人間をいたぶるのも!ちょっとコショウ取ってくれ」

「あぁ」グサー

 

申し訳ないけど笑っちゃった。自分が生身でやられちゃうとは。本編シザースのオマージュ、なのかも。殺される直前で上記のセリフを入れることで因果応報感を出すという、井上敏樹氏の見事なテクニックが炸裂でした。

手塚と芝浦の二人きりの時間に邪魔だったから殺されたのか、どうせライダー同士は潰し合うんだからってことで殺されたのか。

 

あ、ライドウォッチ化おめでとうございます!(関係ない)

 

意味……分かんねぇ……!!

こいつは想像で補うしかないかな。断末魔が「優衣」って言ってるように聞こえたので、士郎なのか、その残留思念的なものなのか。

士郎は本編で一般人をオーディンにして洗脳してた描写があるので、この洗脳が解けてない一般人がまだいて、それが本作のオーディンなのでは、という説も浮かんだり。個人的にはこの説を推したいかな。士郎は本編最終回の消え方がベストだと思ってるので、士郎本人じゃない方が後味は良い。

 

3枚のサバイブ、幻のファイナルベントと、往年のファンが見たかったものを披露してくれました。間接的ですが、龍騎とナイトの共闘でオーディンを倒すという展開はめっちゃ燃えました!出番は短かったですが、かなりボリュームのある活躍だったのではと思います。

 

  • ジオウ組

正直なところ異物感があった。アナザー龍騎オーディンも、別に龍騎が倒してしまっても構わなんのだろう?(某アーチャー感)って感じ。本作はジオウのフォーマットを採用してはいるけどそれ止まりで、ジオウ組は龍騎の物語に食い込めてはいなかった。ただ今回の話はもう龍騎の話として完結してるので、ジオウが食い込んで来ないのもある意味正解な感じもある。ただそうなるならそもそもジオウを出さなくていいじゃんとも思う。

 

ジオウはその時々によってレジェンドとの関わり方を変えてくる。そのスタイルの難しさを改めて感じた。

 

ただ、上でもう書いちゃったけど、サバイブが重なるとか、ディケイドアーマー龍騎フォームが出てきたりとか、そういうのではちゃんと燃えることができた。ジオウを活かした熱い展開自体はあったと思う。

 

  • インペラー

尺の犠牲者。

 

  • ファム

本作最大の悲しみ。

 

  • アビス

龍騎ライダーじゃねぇだろお前!!

 

 

  • 最後に

想像も入りますが、最後に僕の解釈を。

 

本作はソウゴが真司のことを知ってたから、ジオウ本編のリュウガ編の後なのかなと思った。それならアナザー龍騎をジオウIIで倒さないのがおかしくなるけど、ジオウ響鬼編でジオウIIでもアナザーライダーを倒せない場合があることが提示されたので、素直に本作はリュウガ編の後だと思っても良い……可能性が出てきた。

 

つまり本作は。

「神崎士郎が起こしたライダーバトルの死者の魂が集まっている空間があり、そこから選ばれた魂が、現実世界に受肉する権利を争ったのが本作のライダーバトル

「本作の真司と、テレビ本編のラストおよびジオウリュウガ編の真司は別人(別個体と言った方が分かりやすいか)。だから本作のキャラにはライダーバトルの後の記憶が無い。蓮が恵理さんのその後を知らないのもそのため」

「時系列はジオウリュウガ編の後。だからソウゴは真司を知っていた。しかしリュウガ編で会った真司と今回の真司は別人なので、本作真司はソウゴたちのことを知らない」

「サラは神崎兄妹のように死の間際にミラーワールドに干渉できる力を得た」

オーディンはサラを蘇らせると言っていたがそれは嘘で本当は命エネルギーを集めて優衣を復活させようとしていた」

 

穴はあると思いますが、これでとりあえず気になるところに説明はつけられたかな。

おかしいところがあったら教えてください!

 

 

  • 終わり

ベラベラと言ってきましたが一番言いたいのは、龍騎の完全新作が観れて幸せだったなぁ、ということです。ファンの皆さんの声が積み重なって実現したことだと思います。本当に良かった。

個人的には井上敏樹氏が単独で描く新作ライダー作品を観れたのも嬉しかった。

良い作品でした。龍騎が好きで良かった。ただただ感謝です。

 

 

いや、久しぶりの記事ということでとても長くなってしまいました(笑)

今回はこの辺で終わります。

 

お読みいただきありがとうございました。

では、また!

  

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