せんりの熱血遊び日記

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遊戯王映画感想[さぁ]光の中に完結した物語の「続編」もまた、光に満ちていた!*後半はネタバレあり[決闘だ!]

遊戯王の映画、「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」を見てきたので、今回はそれについて。後半はネタバレがあるので、そこに差しかかったら予告します。

 

まず感想を言うと……

 

 

 

 

 

 

超面白かった!感動した!!ありがとう遊戯王ー!!!

 

こんな感じです。わたくし、非常に感動しております!

 

遊戯王はこの上ない素晴らしい終わり方を迎えた作品です。あまたの闘いを共にした「相棒」との別れ、しかしそこにあるのは悲しみだけでなく、希望の「光」があり、欠けていたピースを手に入れて成長した遊戯や城之内の物語は、そこで完結する。

 

僕はこのエンドがすごく好きです。長く馴染んでた主人公が旅立ってしまうエンドは悲しくもありましたが、「彼」と彼の仲間は前に進んでいく。その旅立ちを、遊戯王を愛してきたものとして、覚悟をもって見送りたいと思いました。こういった感じで、僕はあのエンドを自分の中で受け入れました。

 

しかし今回の映画はその続編。正直に言って、続編の存在自体が必要なのかと感じてしまったことはありました。

しかしそれは杞憂となりました。週刊のジャンプに載った、高橋先生が直々に書いてくださった遊戯王の読み切りを読んだとき、僕は稲妻を受けたかのような衝撃にみまわれました。僕の不安の全てを吹き飛ばす、圧倒的な勢いと迫力。海馬瀬人が帰ってきたのだと、たしかに感じ、その本編である映画への期待に思いを馳せるようになりました。

そして今、その期待を遥かに超越した映画に対する感動にうち震えています。遊戯王ファンの求める、続編の意義と期待、願望に対しての魂のアンサー。そしてドラマ。この作品にはそれが満ちあふれていました

 

では、本編の内容について書いていきたいと思います。以下、ネタバレ注意です。

 

 

 

 

 

 

 

  • 導入

光が生まれ、星が、宇宙が、何かの始まりに向かうようにはしっていく。光の中に完結した物語。その続編の始まりを告げたのもまた光。僕はこの時点でちょっとウルってきちゃいました(笑)映像としても凄まじい迫力で、素晴らしい導入でした。

 

遊戯王ファンおなじみ、武藤遊戯とその仲間たちが、あわただしい日常の風景と共にさっそうと登場していきます。相変わらずモテモテなバクラ、父親の工場を継ぐつもりの本田、ダンサーの夢へ突き進むことを決め動き出す杏子、なにも変わっていない城之内、そして、自分の目標を決めていた遊戯。歩き出した彼らの今には、感慨深いものがありました。

御伽の父ちゃん、元気そうじゃん!嬉しいです。

 

  • バカな……5年前なら奴はすでに……!

このセリフは、闇バクラvs闇マリクの時にバクラが言ったものです。意味深でしたが、原作では回収されませんでした。まさかこれが回収される時が来るとは……。

バクラの父親(こいつがまた遊戯王の父親っぽいんだ)が千年リングを探しに来たことを発端に、バクラがリングを手に入れ、シャーディーは闇バクラに殺害され、シャーディーの元にいた藍神たち「プラナ」は行き場を失ってしまい、それが今回のことのそもそもの原因で……。 藍神の復讐の相手もバクラ。僕はこの映画でここが一番ビックリしました。「え、そっち!?」と家で見てたら絶対言ってましたね

やはり原作ラスボスのゾークの業は凄まじいものがあります。多くの悲しみを生み出し、闘いを生み出す。ラスボスに相応しい「悪」であったのだと、改めて感じました。

 

  • 藍神

今回の映画のボスキャラである藍神。ボスなのは分かっていましたが、公開前の段階だと目的は何なのか性格はどんなか、そもそも誰と決闘すんのって感じで前情報がなく、「こいつってこんなキャラなのかー」と、新鮮な気持ちで見ることができました。本作は彼の描写が非常に多く、見てみると、敵というよりは主人公という感じだったと感じました。

親友や妹とのやり取り、言葉遣いなどから時折見せる無邪気な子供の部分、憎しみに燃えながらもバクラの思いを受け葛藤、圧倒的なデュエルと、すごいキャラでした。本作は彼の心情がとても伝わってきて、超展開の中でも、登場する人たちの心がどこにあるか、それをきちんと理解することができ、ドラマとしても楽しむことができました。最後に微笑んでいた彼の姿は、本作における大きな報酬のひとつでした。

デュエルでは絵に描いたような噛ませっぷりでした(笑)キモ……もとい、原作っぽいモンスターたちを操る彼。その戦術は正直1回見ただけじゃわけわからんのですけど、ここが最高に原作っぽい。現状に足掻き、過去の憎しみから脱することができない彼では強さに際限がある。遊戯や海馬に及ばなかったのはそのためかもしれません。

しかし最後の彼はその目に未来を見ていたように思います。

本作のニクいところはここで、中盤まではあんなに藍神の描写が濃いのに、未来を見てるであろう最後はすっきり終わらせてるんですよね。

彼がどんな未来に向かうかは示さず、仲間と別れながらも笑い、そこに希望を感じさせる。なにかを思い出させます。そう、原作最後のアテムたちです。

藍神もまた、アテムのように、未来に踏み出し、「光」の中へ進んでいく。そう予感させる、良い演出だったと思います。

大好きなキャラになりました。また彼と会える機会があったら嬉しいですね。

 

  • 海馬

読み切りの主人公であり、本作でも主人公のひとりであった彼。その凄まじさは映像の迫力も相まってとんでもなく、いまだかつてないほどにやりたい放題の海馬社長を楽しむことができました。

彼の描写、これがアニメではなく原作版の続編なのだとわかります。アニメではアテムとの決着を自分でつけることは敵いませんでしたが、見届けることはでき、アテムを超えた遊戯を見届けることもできました。しかし原作では「王の記憶編」からは置いてけぼりで、最後に神妙な顔で出てきたっきりでした。

原作者である高橋先生もこれには思うところがあったらしく、海馬というキャラをもっと描きたいという思いが強かったようです。遊戯も城之内も、成長し得たピースで自らのパズルを完成させましたが、海馬のパズルはまだ完成していない。本作は彼のパズルの最後のピースを埋める物語でした。

遊戯も藍神も、過去と戦っており、元気がない場面もありましたが、海馬は常に元気いっぱい!全速前進!藍神を普通に拘束し、神聖な闘いの儀の場所も掘り起こしとやりたい放題。そのぶっ飛び具合は健在どころか前よりパワーアップしてました。ただ、パズル組み上げるために宇宙空間使ったりしてた時は心配になりました。ていうかお前が組むんじゃないのかよ。ていうか千年パズルって機械で組めちゃうのかよ。

デュエルも、藍神に負けず劣らずのド迫力な闘い方。パワー&クラックデッキもまた進化していました。ドラゴンをバシバシ出していく闘い方はシンプルかつかっこいい。

美しいCGによって最高にかっこよく再登場した青眼たちが、最高にテンションを上げてくれます。そして召喚されるオベリスク。自分のものでなくなっても思い入れがあることは「遊戯王R」でも分かります。そのオベリスクが海馬の最大のピンチで登場!デッキに入ってないカードを引く展開はあまり好きではなかったのですが、これは熱いからもう良いんじゃないかな(笑)

「モンスターではない、神だ!」原作ファンには堪らない演出、ありがとうございます。

遊戯を最後には決闘者として認め、もはや意地という領域を超えた執念であの場所に踏み込んでいくラスト。彼の未来がどうなるのか。ここに想像を持たせてくれるのがやはりニクい。

人を拘束して無理矢理闘わせるなど、藍神よりボス感があるんじゃないかと思う彼でした。悩んでいる描写は皆無でしたが、その胸にはアテムへの熱い想いがありました。それがクライマックスへと繋がったんだなぁと、胸が熱くなりました。

モクバや磯野も相変わらずでした。モクバは藍神にビビりながらも駆け引きするのが可愛かった。磯野はもう、お疲れとしか言いようがない。

海馬はさらに好きになりました。過去という闇に縛られながらも、けして止まらないという未来の選択の仕方をした、その力強さはスゴい。多くの人に迷惑をかけてるので正解ではない選択だったのかもしれません。普通に考えれば、過去に執着する海馬より遊戯の方が正しいのでしょう。しかし彼は自らの選択をけして曲げず、信じるものを信じきり、遊戯とはまた違う強さがあるということを示し、それが遊戯からの最後のフォローに繋がりました。

「僕は諦めかけたのに、海馬くんは信じていた」

彼もまた救われたのだと、感じました。

 

  • 遊戯

いわずもがなの主人公。しかし本作での描写は、めちゃくちゃ濃い藍神や海馬に比べると少なかったように感じます。

それもそのはず、彼ははじめから自分の答えを見つけ、未来に進むことを決めることができていました。だからこそ、その信念は折れず、藍神や海馬に勝ち、彼らの未来を救うことができた。成長し、強くなった今の彼は僕の目に、アテムのように、たくましく、強く映りました。長く見てきた彼の成長のひとつの到達点。海馬に決闘者として認められるなど、原作における遊戯に欲しかった要素のひとつひとつが補完されていって、とても嬉しい。ブラックマジシャンを引き継ぎながらもガンドラやガジェットやサイレントソードマンなどの自分の従来のカードを駆使したデッキは、彼のこれまでの集大成といえる、最高のものでした。

「これは無限ループ!」

フィーチャーされまくる表マリクのセリフ。出てもないのに存在感すらある。無限ループはアテムですら諦めかけた末に、海馬の助言もあってやっと到達したもの。それをとっさにやる遊戯は強く、その成長を感じることができました。

  • アテム

クライマックスで登場した彼。僕はここで我慢できずに号泣しました。声を出さないようにするのが大変だった。

金色の光の中から現れる彼。神々しく、彼が来てくれたのだと強烈に感じさせる。復活を遊戯が自分で否定したという前提の上での登場だから、その感動は大きかった。あのマントみたいなのをつけて藍神に対峙する彼の後ろ姿は超カッコいい。

言葉を発しない彼。この演出は上手かった。この闘いは彼のものではなく、遊戯と海馬のもの。そして彼はこの世界の住民ではなくなっていることを感じさせました。

「少し話せた」

遊戯のこのセリフ。これにはいくつもの解釈ができますが、その想像の膨らみを持たせたのもこの演出があってこそ。最高にかっこいい。

城之内の危機も救いました。バトルシティの最後、激戦を自分の力で闘い抜きマリクすらもデュエル上では倒した城之内を待ち受け、闘った記憶。その記憶の内容であるふたりの決闘は描かれませんでしたが、あのタイミングで城之内を救ったのですから、その内容がふたりにとってどうだったのかは読み取れます。気になっていたあの決闘も補完と、さすが高橋先生、スゴすぎる。

彼が召喚したのはマハード。これが彼の今のエースであり、最高の仲間。冥界に進んだ彼のその後は分かりませんが、マハードとの絆はやはり永遠だった。これは感慨深い。

最後に、訪れてきた海馬を待ち受け、優しく微笑む彼。やっと会えたこの二人。これを最後にもってくのが本当にもうね……。その後何があったかは分かりませんが、アテムと海馬の間にあるのは決闘者としての誇り。海馬に希望を、未来を示してくれたのだと信じましょう。

 

  • 本作におけるデュエル

原作はデュエルを題材にした漫画でなく、ゲームを題材としたものであり、カードバトルの内容の比率が増えながらもそれは貫き通されていました。

そして本作では、「M&W」や「デュエルモンスターズ」といった単語は使われていません。そして、遊戯は新しいゲームを作ると言っています。

この世界はデュエルが全てではない。しかしそこからの広がりをデュエルが生みだしていくのだから、やはり大切なもの。

OCG特有の固さ、動きの限界というものはあります。そしてプレイヤーもそれを現実のデュエルで感じています。だからこそ、すごい戦術がアニメで行われれば強さの演出に直接的に繋がり、そのキャラの強さの説得力を増します。これがGX以降のシリーズでは取られています。

しかし原作では「月に攻撃!」、「炎で森フィールドを焼く」、「濡れてるから電気攻撃の威力がアップ」、「テキスト読めないとそのカード使えない」など、そういった限界が設定されていません。別ゲーです。勝つための説得力をカード性能とはまた違う物理法則などに見出すからこそ、より広い範囲の人々に伝わり、勝利の喜びがダイレクトに伝わる。能力バトルの要素が強い。僕が原作で大好きなのはそこです。これが本当に面白い。

そして本作では、原作のそういった点が盛り込まれています。カード性能はよくわかんないけどアクション、映像のすごさなどでダイレクトに強さや絶望感、カッコよさを感じられる。これこそが、この面白さこそが「原作遊戯王」だと、僕は叫びたい。この映画は大好きだった原作遊戯王の続編なんだと、強く感じることができた。大満足です。

 

  • 終わりに

僕は遊戯王ファンを長く続けてきました。お金がなくて欲しいのが自由に変えない時もあったけれど、なんとか今まで続けてこれました。

そして今、ファンを続けてきて良かったと、心から思います。遊戯王が好きで良かった。これが僕の遊戯王への思いの全てです。

最高だよ遊戯王。本当に、ありがとう。

 

今回はこれで終わりです。長い文章でしたが、読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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